月曜の安値2,301ドルで拾った向きは、火曜の東京の夕方になっても含み益を手にしていないだろう。イーサリアム(ETH)は10月27日19時58分(日本時間)時点で2,312.84ドル、円建てで36万4,741円。24時間で0.6%安と動きは小さいが、値動きの形ははっきりしている。戻り高値が4回続けて切り下がり、週足は3週連続で下げた。
筆者の見立ては弱気である。2,300ドルの床は近く抜けるとみている。ただし、どこで間違いを認めるかも先に書いておく。日足の終値で2,520ドルを回復したら、この見立ては撤回する。
テープ:戻り高値の切り下げが4回続いた
10月の値動きを日足の高値で追うと、形は一目でわかる。CoinGeckoの1時間足から拾った各局面の高値は、10月2日の2,754ドル、12日の2,570ドル、21日の2,514ドル、そして26日の2,333ドルだった。戻るたびに高値が低くなり、売り手が毎回前より安い水準で待ち構えている。
安値も同じ向きだ。10月8日に2,414ドル、15日に2,338ドル、24日に2,304ドル、26日に2,301ドル。安値の切り下げ幅は小さくなっているが、方向は変わっていない。押し目買いが入る水準が少しずつ下にずれている。正直、これは強い相場の形ではない。
週足で見ても同じである。月曜0時(協定世界時)時点の価格は、10月5日の2,726ドルから12日2,535ドル、19日2,408ドル、26日2,327ドルと3週続けて下げた。この3週間の下げ幅は14.6%。9月28日の2,688ドルからの1カ月では14%安になる。
| 局面 | 日付(協定世界時) | 高値(ドル) | 局面の安値(ドル) |
|---|---|---|---|
| 1回目の戻り | 10月2日 | 2,754 | 2,414(10月8日) |
| 2回目の戻り | 10月12日 | 2,570 | 2,338(10月15日) |
| 3回目の戻り | 10月21日 | 2,514 | 2,304(10月24日) |
| 4回目の戻り | 10月26日 | 2,333 | 2,301(10月26日) |
需給:ビットコインにも負けている
イーサリアムの弱さは、暗号資産全体の地合いだけでは説明しきれない。ビットコインは同じ時刻に7万9,864ドルで、24時間の下げは0.56%とイーサリアムとほぼ同じだが、もっと長い期間で比べると差が出る。CoinGeckoの日次データでイーサリアムをビットコインで割った比率は、27日時点で0.0290。2025年12月11日の0.0361から2割下にあり、2026年6月7日に付けた年間の最低0.0258に向けてじりじり戻っている。
この比率が下がるとき、暗号資産に入る資金はビットコインを優先し、イーサリアムは後回しにされている。ビットコイン自体が8万ドルの攻防にいる局面では、イーサリアムに買いが回る余地は小さい。ビットコインの8万ドル割れをめぐる議論は前日の記事で扱った。
もう一つの材料は年間の位置だ。1年前の2025年10月28日、イーサリアムは4,117ドルにいた。そこから44%安い。一方で、年間の安値は2026年6月26日の1,566ドルで、そこからはまだ48%上にある。7月30日の1,909ドルから10月2日の2,754ドルまでの上げ幅845ドルのうち、すでに半分強の441ドルを吐き出した。夏に安値圏で買った玉はまだ含み益を抱えており、筆者はここからの戻りで利食いが出やすいとみている。
水準の地図
イーサリアムの水準の地図(米ドル)
読み方:2,300ドル前後の床を終値で割れば2,100ドルが次の目安、2,520ドルを終値で回復すれば弱気の見立ては撤回する。出所:CoinGecko(価格は10月27日19時58分、日本時間)、水準は本誌の見立て。
上の地図で、筆者が線を引いた水準は4本ある。床は2,300ドル前後で、26日と27日の安値がともに2,301〜2,302ドルに並ぶ。ここを日足の終値で割り込めば、次の目安は2,100ドルだ。そこを割れると、夏の戻りの途中にあたる1,900ドル台が視野に入る。上は2,514ドル、21日の戻り高値である。ここを終値で抜くまでは、戻りは売られるという前提で構える。
筆者の見立て:弱気、目安は2,100ドル
今後1〜2週間で2,300ドルを日足の終値で割る確率を、筆者は6割とみる。根拠は3つある。
- 戻り高値の4回連続の切り下げ。売り手が毎回前より安い水準で出てきている。形が崩れるまでは、この流れが続くと考えるのが自然だ。
- 対ビットコインでの劣後。比率0.0290は年間最低の0.0258に向かっている。暗号資産の中でも資金が回ってこない。
- 今週の日程が重い。日本時間29日午前3時のFOMCで、市場は12月の利上げを75%織り込んでいる。利上げ観測が強まれば、値動きの大きい資産から先に売られやすい。
目安は2,100ドルとする。2,300ドルから約9%下で、10月の下げのペース(3週で14.6%)から逆算すると、2週間ほどで届く値幅である。
逆になったら:撤退線は2,520ドル
日足の終値で2,520ドルを回復したら、筆者はこの見立てを撤回する。21日の戻り高値2,514ドルを超えれば、切り下げの連鎖が初めて途切れるからだ。そうなれば、2,300ドルでの2度の底打ちは「二番底」として買いの根拠に変わり、次の上値は10月2日の2,754ドルになる。
反対側の材料も書いておく。FOMCが利上げに慎重な姿勢を見せれば、ドル金利の低下とともに暗号資産に買い戻しが入る展開はありうる。もう一つは、27日の米取引終了後に決算を出すロビンフッドだ。暗号資産の取引が多い証券会社で、8月の暗号資産の取引額は175億ドルだった。決算の場で10月の取引の強さが示されれば、個人の買いの戻りを示す材料になる。決算の見どころはこちらの記事にまとめた。
明日の監視リスト
| 時刻(日本時間) | 対象 | 見る点 |
|---|---|---|
| 28日6時 | ロビンフッドの決算会見 | 暗号資産の取引額と10月の動向 |
| 29日3時 | FOMCの結果 | 12月利上げへの言及の有無 |
| 随時 | ETH/BTC比率 | 0.0280を割るか(年間最低0.0258への接近) |
| 随時 | ETHの日足終値 | 2,300ドル割れ、または2,520ドル回復 |
FOMCの論点はFOMCの記事で整理した。10月20日に書いたイーサリアムの記事の時点では2,400ドル台だった。そこから1週間で、もう一段下に降りてきたことになる。
主な参照
- イーサリアムの価格・1時間足・日次データ/CoinGecko
- ビットコインの価格・日次データ/CoinGecko
- FOMCの予測市場価格(10月27日6時42分、米東部時間)/DeFi Rate
- FOMCの会合日程/FRB
- ロビンフッド8月の月次データ/ロビンフッド
データ基準日:2026年10月27日19時58分(日本時間)。価格はCoinGeckoの集計値で、取引所によって差がある。確率・目安・撤退線は筆者の見立てである。暗号資産は価格変動が大きく、元本を失うおそれがある。本記事は情報提供を目的としており、売買を勧めるものではない。














