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ビットコイン企業番付|ストラテジー購入ゼロ

バヒティヨル マダジモフ バヒティヨル マダジモフ
2026年10月27日
オピニオン, マーケット, 仮想通貨
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今週のビットコイン企業番付を発表する。東の横綱は米ストライブ(ASST)。10月17〜23日の1週間に6,182BTCを買い増し、保有量を4万3,000BTCに積み上げた。西の前頭筆頭に下がったのは、保有量で世界最大の米ストラテジー(MSTR)である。10月19〜25日の購入はゼロで、その資金を自社の優先株の買い戻しに回した。そして日本のメタプラネット(3350)は、9月末を最後に購入の開示がなく、平均取得単価をビットコイン価格が19%下回る土俵際にいる。

ビットコインはGoogleファイナンスの日本時間27日7時51分時点の気配で7万9,880ドル。8万ドルを挟んだ攻防が続く。これまで相場を下支えしてきた「企業の買い」が、上位2社で止まった。番付の入れ替わりは、その変化を映している。

今週の番付表

番付企業直近1週間の購入保有量平均取得単価との差判定
東の横綱ストライブ(ASST)+6,182BTC43,000BTC—◎
西の前頭筆頭ストラテジー(MSTR)0BTC848,517BTC+5.9%△
東の前頭メタプラネット(3350)開示なし(9月30日以降)44,000BTC−19.1%×
出所:ストライブとストラテジーは米証券取引委員会(SEC)への提出書類(2026年10月26日)、メタプラネットは適時開示(10月5日、保有量は9月30日時点)。ストライブは10月17〜23日、ストラテジーは10月19〜25日の集計。平均取得単価との差は、ビットコイン7万9,880ドル、ドル円157.47円(いずれも27日7時51分前後の気配)で本誌計算。ストライブの平均取得単価は書類から確認していない。

番付の要点は一つだ。3社のうち、買っているのは1社だけになった。保有量はストラテジーが他の2社の合計の約10倍あるが、今週の土俵で動いたのはストライブだけである。

東の横綱・ストライブ——◎

26日にSECへ提出した書類によると、ストライブは10月17〜23日に6,182BTCを購入した。書類の金額から計算すると、平均約8万2,732ドル、総額約5億1,140万ドルの買いになる。保有量は16日時点の3万6,818BTCから4万3,000BTCに増えた。

メタプラネットの保有量4万4,000BTCまで、残りは1,000BTCである。今週のペースなら1週間で届く。ストライブは同日、年15%の配当を払う優先株「SATS」を市場で随時売り出す枠(ATM)として10億ドルを新たに設定した。買いの資金源はこの優先株である。

判定は◎。ただし株価は別の話だ。ASSTの26日の終値は26.32ドルで、前日比9.15%安だった。高い配当の優先株で資金を集めてビットコインを買う手法は、株主にとって割に合うのか。市場はまだ答えを出していない。番付は買いの量で付けたが、株主の勝ち越しを意味しない。

西の前頭筆頭・ストラテジー——△

26日朝(米東部時間8時49分)に提出された書類で、ストラテジーは10月19〜25日にビットコインを1枚も買わなかったと開示した。普通株のATMによる売り出しもゼロだった。代わりに、配当率年12%の優先株「STRC」を206万8,459株、2億490万ドル分買い戻した。支払いは手元のドル現金からである。

ストラテジーの週次ビットコイン購入量(BTC)

9月14〜20日950BTC9月21〜27日1,665BTC9月28日〜10月4日334BTC10月5〜11日250BTC10月12〜18日267BTC10月19〜25日購入なし0BTC

読み方:9月下旬の大口の買いのあと、10月は250〜334BTCに細り、10月19〜25日はゼロになった。9月28日〜10月4日は9月28〜30日のゼロと10月1〜4日の334BTCの合計。出所:ストラテジーのSEC提出書類(各週の8-K)。

メディアには「4週連続の買いが途切れた」との表現もあるが、書類を順に見ると、購入は9月14〜20日から10月12〜18日まで5回の週次報告に連続して載っている。ただ、9月下旬の950BTC、1,665BTCに比べ、10月は250〜334BTCと小口だった。買いは止まる前から細っていた。

優先株の買い戻しは3週連続である。10月5〜11日が1億9,240万ドル、12〜18日が1億9,310万ドル、19〜25日が2億490万ドルで、合計5億9,040万ドルになる。その間に「USDキャッシュ」は11日時点の6億4,050万ドルから25日時点の2億4,240万ドルへ減った。配当支払いに備えた「USDリザーブ」48億3,000万ドルは別枠で残っている。

保有量は84万8,517BTC、取得総額は640億2,000万ドル、平均取得単価は7万5,446ドルである。現在値はその5.9%上にある。判定を△にしたのは、含み益を保ったまま買いを止め、資本政策の手当てを優先したからだ。負けではないが、勝ち越してもいない。

東の前頭・メタプラネット——×

日本の投資家にとって最も身近な力士が、最も苦しい位置にいる。メタプラネットが10月5日に開示した資料では、9月30日時点の保有量は4万4,000BTC、平均取得単価は1BTCあたり1,555万5,717円、取得総額は6,845億円(速報値・監査前)だった。ビットコインの現在値を円に直すと約1,258万円で、平均取得単価を19.1%下回る。ドルに直すと同社の平均取得単価は約9万8,800ドルで、今年1月の高値9万7,964ドル(コインベース)よりも高い。

同社は7〜9月期に1万BTCを売却し、1万1,000BTCを買い戻している。資料は目的を「流動性を示すため」と説明しており、差し引きの増加は1,000BTCにとどまる。10月13〜14日に条件を決めた520億円のユーロ円建て転換社債(2031年満期、転換価格339円)では、手取り金の使い道をビットコイン担保の借入金の返済236億円と、最大283億円の自社株買いとし、ビットコインの購入には充てないと明記した。14日には193億円の自社株買いも実施している。

判定は×。買い増しではなく、借入金の返済と自社株買いで財務を固める側に回ったからである。26日の終値は263円、前日比0.75%安だった。ストライブが今週のペースで買いを続ければ、保有量で同社を抜くことになる。

殊勲賞・7万5,446ドル——相場の下に引かれた線

今週いちばん意味を持った数字は、ストラテジーの平均取得単価7万5,446ドルである。最大の保有者が含み損に転じる水準であり、相場の参加者が意識しやすい。現在値からは5.5%下にある。24日(協定世界時)に付けた直近の安値は7万9,107ドルで、まだそこまでは距離がある。

ビットコインの現在値と、3社の取得単価(ドル)

72,000101,00075,446ストラテジー平均取得単価79,880現在値27日7時51分82,732ストライブ今週の平均購入価格98,786メタプラネット平均取得単価(ドル換算)

読み方:現在値はストラテジーの平均取得単価の5.9%上、メタプラネットの平均取得単価の19.1%下にある。メタプラネットの値は1,555万5,717円をドル円157.47円で換算した。出所:各社の開示資料、Googleファイナンス、本誌計算。

上を見ると、ストライブの今週の平均購入価格約8万2,732ドルが最初の節目になる。買い手が直近で積んだ値段であり、ここを回復できるかが戻りの強さを測る物差しだ。メタプラネットの平均取得単価約9万8,800ドルは、今年の高値とほぼ重なる。同社が含み損を解消するには、年初来高値の更新が必要になる計算だ。ビットコインは今年の高値から18.5%、2025年10月6日の史上最高値12万6,080ドル(コインゲッコー)からは36.6%下にある。

本誌の見立て——企業の買いは主役から降りた

本誌の見立てを示す。上位2社の買いが止まり、ストライブ1社の優先株頼みでは、企業の買いを相場の支えとして数えることは難しくなった。今週の値動きを決めるのは、FOMCの結果と、ストラテジーの決算で示される資本政策の方針である。8万ドルを明確に回復できなければ、ストラテジーの平均取得単価7万5,446ドルを試す展開を本線とみる。逆に、ストライブの購入価格約8万2,732ドルを終値で上回れば、この見立ては撤回する。

前日の8万ドル割れを検証した記事では崩落説を退けた。その判断は変えていない。番付が示しているのは急落の合図ではなく、下値の買い手が1社減ったという事実である。週末時点の見通しはこちらにまとめた。

来場所の注目取組

日時(日本時間)取組見るところ
10月28日 23:00ストラテジーの臨時株主総会優先株の配当を日次で払う案の採決。STRCの配当率は年12%で据え置き
10月29日 3:00FOMCの声明発表(記者会見は3時30分)今回は経済見通しの公表がない会合
10月30日 6:00ストラテジーの7〜9月期決算説明(米国29日の取引終了後に発表)買いを再開するか、優先株の買い戻しを続けるか
毎週月曜ストラテジーとストライブの週次の開示ストライブがメタプラネットの保有量を抜くか
出所:ストラテジーのSEC提出書類(9月30日)と決算日程の発表(ビジネスワイヤ、10月8日)、米連邦準備制度理事会の会合日程。

主な参照

  • ストラテジーの週次開示(10月19〜25日の購入ゼロ、保有量、平均取得単価、STRCの買い戻し、USDキャッシュ)/米証券取引委員会
  • ストラテジーの前週までの開示(10月12〜18日)/米証券取引委員会
  • ストラテジーの臨時株主総会の招集/米証券取引委員会
  • ストラテジーの決算発表日程/ビジネスワイヤ
  • ストライブの購入と保有量/米証券取引委員会、SATSのATM設定/米証券取引委員会
  • メタプラネットの保有量と平均取得単価(9月30日時点)/TDnet
  • メタプラネットのユーロ円建て転換社債の資金使途/TDnet、自社株買い/TDnet
  • ビットコインの日足(年初来高値・安値)/コインベース、史上最高値/コインゲッコー
  • FOMCの日程/米連邦準備制度理事会

データ基準日:ビットコインとドル円は2026年10月27日7時51分前後(日本時間)の気配で、取引時間中の値であり終値ではない。MSTR・ASSTは26日の米国市場の終値、メタプラネットは26日の東京市場の終値。メタプラネットの保有量と平均取得単価は9月30日時点の速報値で、監査前の数値である。平均取得単価との差、ストライブの平均購入価格、優先株の買い戻し合計、円換算・ドル換算は本誌が計算した。現物ビットコインETFの26日の資金流出入は一次データで確認できなかったため扱っていない。番付と判定、見立ては本誌の整理であり、将来の価格を保証しない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産や銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。

Tags: FOMCビットコイン暗号資産
バヒティヨル マダジモフ

バヒティヨル マダジモフ

投資銀行で5年、リテール証券会社で3年の実務経験を積んだのち、現在もFX・株式・オプションなど幅広い市場で実際にトレードを行っている。FX取引歴は10年以上、株式投資・トレード歴は4年以上におよび、オプションをはじめとする複雑な金融商品の実取引経験も豊富。株式・株式オプション・FX・暗号資産において自己のポジションを保有している。 こうした実務とマーケットでの経験をもとに、金融市場・暗号資産・FX・経済指標について、信頼性・正確性・迅速性の高い情報を届けることを目的としている。記事の内容は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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