きょう28日の東京市場で注目する銘柄は2つある。決算発表を15時30分に控えるアドバンテスト(6857)と、半導体株の買い戻しに乗り遅れたキオクシアホールディングス(285A)だ。前者は2日で過熱気味、後者は売られ過ぎの位置にいる。同じ半導体でも、置かれた立場は正反対である。
要点は次の5つ。
- 米半導体株高:27日のフィラデルフィア半導体株指数は3.60%高。シカゴの日経平均先物は6万4,455円だった。
- アドバンテスト:27日は8.98%高の3万3,860円。きょう15時30分に7〜9月期の決算を発表する。
- キオクシア:27日は0.44%高の1万2,605円にとどまった。6月の高値からは65%安い。
- メモリー株の逆風:米シーゲイトは好決算でも時間外で5.8%安。好業績が株価に効きにくい。
- SKハイニックス:きょう決算と株主還元策を公表する予定。キオクシア株の売却益の使い道が焦点だ。
要点1:米国の半導体株が先に走った
結論:東京の半導体株には、寄り付きから買いが入りやすい地合いだ。
根拠:27日の米国市場で、フィラデルフィア半導体株指数は3.60%高の1万1,482.51だった。ブロードコムは4.00%高、AMDは5.45%高、マイクロンは2.77%高。ブロードコムについては、アンソロピック向けの630億ドルの資金調達を同社が取りまとめたとウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。シカゴの日経平均先物(円建て)は日本時間28日7時32分に6万4,455円で、27日の日経平均の終値6万3,268円37銭を1,187円上回る。
次:寄り付きの上げ幅が先物の示す1,000円台に届くかを見る。前日も上げの大半は値がさの半導体株だった。
要点2:アドバンテストは決算当日、2日で過熱
結論:決算前に買われ過ぎた分、発表後は振れが大きくなりやすい。
根拠:27日の終値は3万3,860円で、前日の3万1,070円から8.98%上げた(ヤフーファイナンス)。それでも10月6日の終値の最高値4万1,850円より19%低い。本誌の集計では、過去12回の決算翌日に5%超動いたのは8回ある。期中に上方修正した8回のうち7回は翌日に上げた。
次:きょうの前場で前日の上げを守れるか。決算前の利益確定売りで3万3,000円を割れば、期待の先食いが一巡した形になる。翌日の値動きの確率は決算プレビューに書いた。
高値からの距離と27日の騰落率(%)
読み方:27日の上げはアドバンテストに集中し、キオクシアはほぼ動かなかった。高値からの距離はキオクシアが3倍以上深い。高値はアドバンテストが10月6日、キオクシアが6月22日の終値(分割調整後)。出所:ヤフーファイナンスの日足から本誌計算。
要点3:キオクシアは買い戻しに乗れなかった
結論:売られ過ぎの位置にあるが、反発のきっかけはまだ見えない。
根拠:27日の終値は1万2,605円で、前日比0.44%高にとどまった。同じ日にアドバンテストは8.98%、ソフトバンクグループは4.95%上げている。6月22日の終値3万6,233円(分割調整後)からは65.2%安い。会社のIRカレンダーによれば、7〜9月期の決算は30日18時45分に発表する予定だ。
次:前日の安値圏を割らずに推移できるか。半導体全体の買い戻しに遅れて追いつく動きが出るかを見る。2018年の米マイクロンとの比較はこちらにまとめた。
要点4:好決算でも売られるメモリー株
結論:キオクシアの重さは、世界のメモリー・記憶装置株に共通する。
根拠:27日の引け後に決算を発表した米シーゲイト・テクノロジーは、通常取引の終値667.85ドルに対し、時間外で628.91ドルと5.8%安かった(ヤフーファイナンス、日本時間28日8時前)。インベスターズ・ビジネス・デイリーは、市場予想を上回る決算でも株価が下げたと伝えた。ウエスタンデジタルは時間外で1.6%安、キオクシアと合弁を組む米サンディスクは1.0%安だった。
次:時間外の下げは薄商いで振れやすい。米国の通常取引が始まる28日夜に、下げが続くかを確かめる。
要点5:SKハイニックスの株主還元策
結論:キオクシア株の需給に関わる材料が、きょう韓国から出る。
根拠:SKハイニックスは28日に7〜9月期の決算と株主還元策を発表すると、ロイターが伝えている。ブルームバーグは、同社がキオクシア株の売却益の8割を約1.9兆円の特別配当に充てると報じた。一方で同社は、金額は確定していないと説明したと報じられている。27日の同社株は5.2%高の134万1,000ウォンだった。
次:還元の規模に加え、メモリーの価格見通しへの言及を見る。強気なら、キオクシアにも追い風になる。決算の前の整理はSKハイニックスの決算プレビューにある。
30秒まとめ
アドバンテストは決算当日で、2日の急騰の後だけに発表後の振れに注意したい。キオクシアは売られ過ぎだが、メモリー株全体の逆風が続く。夜にはFOMC、金曜日には日銀会合とキオクシアの決算が控え、きょうは持ち高を傾けにくい1日になる。
主な参照
- 株価・指数・先物・時間外の値動き/ヤフーファイナンス
- 決算発表予定日(アドバンテスト10月28日)/株探
- IRカレンダー(第2四半期決算は10月30日18時45分)/キオクシアホールディングス
- シーゲイトの決算と株価/インベスターズ・ビジネス・デイリー
- SKハイニックスの株主還元策の発表予定と特別配当の報道/ブルームバーグ、ロイター
データ基準日:2026年10月28日(日本時間8時)。東京の株価は27日の終値、米国株は27日の終値と時間外の気配値、日経平均先物は日本時間28日7時32分の気配値である。時間外の値動きは取引が薄く、通常取引で大きく変わることがある。キオクシアの高値は2026年9月の株式分割を調整した値。SKハイニックスの特別配当は報道によるもので、同社は金額を確定していないと説明したと伝えられている。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。















