米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月27日、2日間の定例会合を始めた。結果の公表は28日14時(米東部時間)、日本時間29日午前3時である。予測市場の価格は27日6時42分(米東部時間)時点で据え置き93%、0.25%の利上げ7%を示し、焦点は12月8〜9日会合の利上げに移っている。
政策金利の誘導目標は現在3.75〜4.00%。9月16日の会合で0.25%引き上げられた。FRBが同日公表した経済見通しでは、2026年末の政策金利の中央値が4.1%で、年内あと1回の利上げを示している。今回の10月会合は経済見通しを伴わない回であり、声明文とウォーシュ議長の会見が材料のすべてになる。
主要数値
| 項目 | 数値 | 基準時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 政策金利の誘導目標 | 3.75〜4.00% | 9月16日決定 | FRB声明 |
| 9月会合の採決 | 12対0 | 9月16日 | FRB声明 |
| 2026年末の政策金利(中央値) | 4.1%(6月時点3.8%) | 9月16日 | FRB経済見通し |
| 10月会合の利上げ確率 | 約7% | 10月27日6時42分(米東部) | Kalshi・Polymarket平均 |
| 12月会合の利上げ確率 | 約75% | 同上 | 同上 |
| 年内にもう1回利上げ | 約78% | 同上 | 同上 |
| 9月消費者物価(前年比) | 3.7%(コア2.6%) | 10月14日公表 | 米労働統計局 |
| 9月非農業部門雇用者数 | 2万9,000人増 | 10月2日公表 | 米労働統計局 |
| 失業率(9月) | 4.2% | 10月2日公表 | 米労働統計局 |
| 米2年債利回り | 4.68% | 10月26日終値 | 米財務省 |
| 米10年債利回り | 5.00% | 10月26日終値 | 米財務省 |
9月の利上げと、その後の物価・雇用
9月の声明は「インフレ率は高止まりしている」と記し、利上げは「2%目標へのより速やかな回帰を支える」と説明した。採決は12対0で、反対票はなかった。
その後に出た物価統計は、エネルギー主導の上昇を示した。米労働統計局が10月14日に公表した9月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.6%上昇、前年比3.7%上昇だった。エネルギーは前年比20.4%、ガソリンは34.2%上がった。一方、食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.3%、前年比2.6%にとどまる。総合とコアの差は1.1ポイントある。
雇用は減速した。10月2日公表の9月雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比2万9,000人増だった。7月分は2万1,000人増から1万人減へ、8月分は16万2,000人増から13万3,000人増へ、それぞれ下方修正された。2カ月分の修正幅は合計6万人である。失業率は4.2%、平均時給は前年比3.0%増だった。
FRB自身の見通し:18人中16人が年内の追加利上げ
9月の経済見通しで、参加者18人が示した2026年末の政策金利の分布は次のとおりだった。4.375%が4人、4.125%が12人、3.875%が2人。現在の誘導目標の中央値は3.875%である。つまり16人が年内にあと1回以上の利上げを見込み、うち4人は2回を見込んでいた。据え置きで年を越すとみたのは2人だけだった。
2026年末の政策金利見通し(参加者18人の分布、人)
読み方:現在の誘導目標3.75〜4.00%の中央値は3.875%。18人中16人が年内にあと1回以上の利上げを見込んでいた。出所:FRB「経済見通しの概要」(2026年9月16日公表)。
| 中央値(%) | 2026年9月見通し | 2026年6月見通し | 変化 |
|---|---|---|---|
| 政策金利 2026年末 | 4.1 | 3.8 | +0.3 |
| 政策金利 2027年末 | 4.1 | 3.6 | +0.5 |
| 政策金利 2028年末 | 3.9 | 3.4 | +0.5 |
| 政策金利 長期 | 3.2 | 3.1 | +0.1 |
| PCE物価 2026年 | 3.7 | 3.6 | +0.1 |
| コアPCE物価 2026年 | 3.4 | 3.3 | +0.1 |
| 失業率 2026年 | 4.1 | 4.3 | −0.2 |
| 実質GDP 2026年 | 2.3 | 2.2 | +0.1 |
9月時点の失業率見通しは2026年4.1%だった。実際の9月の失業率は4.2%で、見通しを0.1ポイント上回っている。雇用者数の伸びも鈍った。物価は見通しの前提どおり高い。12月会合の判断は、この2つの綱引きになる。
市場の織り込みと債券市場
予測市場の価格は、10月の据え置きと12月の利上げをほぼ前提にしている。10月27日6時42分(米東部時間)時点のKalshiとPolymarketの平均で、10月会合の利上げは約7%、据え置きは約93%、利下げは約2%。12月会合の利上げは約75%、年内にもう1回の利上げは約78%だった。
10月初めはもっと高かった。CME FedWatchをもとにした報道では、9月29日時点で10月利上げの確率は74.6%あった。翌30日に49.4%、9月雇用統計が出た10月2日には約23%へ低下したと報じられている。弱い雇用統計が、利上げの時期を10月から12月へ押し出した形だ。
債券市場も同じ方向に動いた。米財務省のデータで、2年債利回りは10月5日の4.84%から26日には4.68%へ0.16ポイント低下した。10年債は5.31%から5.00%へ0.31ポイント低下している。10月の2年債の最低は22日の4.65%だった。3カ月物は4.22%で、政策金利の上限4.00%を上回る。短期金融市場が年内の追加利上げを残していることと整合する。
会合で確認される点
| 確認点 | 9月時点の状態 | 変化した場合の意味 |
|---|---|---|
| 声明の物価判断 | 「インフレ率は高止まり」 | 表現の強化は12月利上げの確度上昇。弱めれば利上げの先送り |
| 雇用の判断 | 9月声明の時点では雇用統計は8月分まで | 減速の明記は12月利上げ確率の低下につながる |
| 採決 | 12対0 | 反対票の出現は、どちら向きかで次回の分かれ目を示す |
| 議長会見 | — | 12月の判断を「データ次第」とするか、利上げに言及するか |
10月会合の翌日、29日8時30分(米東部時間)には米商務省経済分析局が7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値と9月の個人所得・個人消費支出(PCE)を公表する。FRBが物価目標の基準に使うPCE物価指数は、会合の後に出る。9月CPIでガソリンが前月比9.1%上昇していたため、PCEの総合指数にも同じ方向の力がかかる。
円と日本市場への経路
欧州中央銀行(ECB)の参照レートで、10月26日のドル円は157.45円だった。日本銀行は29〜30日に金融政策決定会合を開き、FOMCの結果を受けた直後に判断を出す。米2年債利回りが4.68%、政策金利の上限が4.00%という米国側の水準に対し、日銀の会合の論点は利上げの到達点に置かれている。日米の会合が2日続けて並ぶ週のドル円の水準はこちらの記事で扱った。
9月の利上げ再開の局面は、原油100ドル超の環境で2022年3月と比べた9月の記事がある。今回の10月会合は、その次の一手が12月に来るかどうかを測る回になる。
今後の日程
- 10月28日14時(米東部時間、日本時間29日3時):FOMC声明。14時30分から議長会見
- 10月29日8時30分(米東部時間、日本時間21時30分):7〜9月期GDP速報値、9月PCE物価指数
- 10月29〜30日:日銀金融政策決定会合
- 12月8〜9日:次回FOMC(経済見通しの公表を伴う)
主な参照
- FOMC声明(2026年9月16日)/FRB
- 経済見通しの概要(2026年9月16日)/FRB
- FOMCの会合日程/FRB
- 9月消費者物価指数(10月14日公表)/米労働統計局
- 9月雇用統計(10月2日公表)/米労働統計局
- 米国債利回り(2026年10月)/米財務省
- 公表日程(GDP、個人所得・支出)/米商務省経済分析局
- FOMCの予測市場価格(10月27日6時42分、米東部時間)/DeFi Rate
- 10月初めのFedWatch確率の推移/Admirals
- ドル円参照レート(10月26日)/ECB参照レート(Frankfurter経由)
データ基準日:2026年10月27日。利上げ確率は予測市場の価格で、FRBの決定を保証するものではない。10月初めのFedWatch確率は報道ベースの数値である。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を勧めるものではない。














