9月30日、2026年7〜9月期の最終売買日が終わった。日経平均の終値は6万6,753円72銭で、6月末から4.72%下げた。同じ3カ月でTOPIXは2.85%上げている。2つの代表指数が四半期で逆を向いた理由と、10月に何を見るかを5つに絞って整理する。
- 逆向き:日経平均は四半期で3,308円60銭安、TOPIXは113.89ポイント高だった。
- NT倍率:6月末の17.54倍から9月末は16.25倍へ下がった。
- 下げの中心:東京エレクトロンは23.4%安、ファーストリテイリングは14.4%安だった。
- 上げの中心:三菱UFJ FGは15.4%高、ソニーGは14.6%高だった。
- 次:10月1日8時50分の日銀短観と、10年債利回り3%台の定着が焦点になる。
要点1:2つの指数が四半期で逆を向いた
結論:7〜9月期は、日経平均だけを見ると負けの四半期だった。TOPIXで見ると勝ちの四半期だった。
根拠:日経平均は6月30日の7万62円32銭から9月30日の6万6,753円72銭へ下げた。TOPIXは3,994.76から4,108.65へ上げた。年初来高値の日付もずれている。日経平均は6月22日の7万2,831円73銭、TOPIXは8月14日の4,220.31である。
| 指数 | 3月31日 | 6月30日 | 9月30日 | 7〜9月期 | 4〜9月(上期) |
|---|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 51,063.72円 | 70,062.32円 | 66,753.72円 | −4.72% | +30.73% |
| TOPIX | 3,497.86 | 3,994.76 | 4,108.65 | +2.85% | +17.46% |
| NT倍率 | 14.60倍 | 17.54倍 | 16.25倍 | −1.29 | +1.65 |
4〜9月の上期で見ると、日経平均は30.73%高、TOPIXは17.46%高だ。上期の稼ぎ頭は日経平均だった。その上げの大半は4〜6月に集中し、7〜9月に一部を返した。前の四半期の中身は4〜6月期の日経平均の分析で整理している。
次:日経平均連動の投資信託と、TOPIX連動の投資信託の成績差を確かめたい。同じ「日本株インデックス」でも、指数の騰落率ではこの3カ月で7ポイント以上の差が出ている。
要点2:NT倍率は17.54倍から16.25倍へ
結論:日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は、この四半期に1.29ポイント下がった。
根拠:6月末は17.54倍、9月末は16.25倍である。6月末の17.54倍は、株探の月足データでさかのぼれる2019年4月以降の月末値で最も高い。3月末は14.60倍だったので、4〜6月の3カ月で約3ポイント上がった計算になる。
意味:NT倍率が上がる局面では、日経平均に占める比重が大きい値がさ株が相場を引っ張っている。下がる局面では、時価総額の大きい銘柄を広く含むTOPIXの方が強い。7〜9月は後者だった。ただし16.25倍は3月末の14.60倍より高く、上期全体では値がさ株優位がまだ残っている。
次:月末で16倍を割るかどうかを見る。7月末は16.08倍、8月末は15.96倍だった。9月末は8月末から小さく戻しており、巻き戻しが止まったかはまだ判断できない。
要点3:下げたのは値がさの半導体と小売の雄
結論:日経平均の比重が大きい値がさ株の一部が、四半期で14〜23%下げた。
主な大型株の7〜9月期の騰落率(6月30日→9月30日の終値)
読み方:上の4銘柄は日経平均で比重の大きい値がさ株で、四半期で14〜23%下げた。下の銀行、商社、トヨタ、ソニーはTOPIXで比重の大きい大型株である。出所:株探(6月30日の調整後終値)、Yahoo!ファイナンス(9月30日の終値)。騰落率は本誌計算。
根拠:東京エレクトロンは23.4%安、TDKは16.5%安、信越化学工業は15.2%安だった。ファーストリテイリングも14.4%下げた。いずれも株式分割を反映した調整後の株価で、6月30日と9月30日の終値を比べている。
但し書き:半導体株が一色に売られたわけではない。アドバンテストは5.9%高、ソフトバンクGは7.8%高で四半期を終えた。ソフトバンクGの9月29日の下げはOpenAI新モデル見送りの記事で取り上げた。一部の銘柄の上げだけで指数が動く構図は、7〜9月も続いていた。
次:日経平均の構成銘柄は原則として4月と10月の第1営業日に定期入れ替えがある。10月の入れ替えで比重がどう変わるかも確認したい。
要点4:上げたのは銀行と商社、トヨタとソニー
結論:TOPIXで比重の大きい大型株が、日経平均の値がさ株の下げを補った。
根拠:三菱UFJ FGは15.4%高、三井住友FGは9.4%高だった。三菱商事は9.7%高、トヨタ自動車は7.2%高、ソニーGは14.6%高である。同じ期間に、新発10年国債利回りの財務省公表値は6月30日の2.690%から9月29日には3.082%へ上がった。2年債は1.382%から1.976%へ上がった。
意味:金利の上昇は、一般に銀行の利ざや改善の期待につながりやすい。銀行株高の理由をこの一つに決めることはできない。ただ、本稿で比べた大型株の中では、金利が上がる3カ月に銀行株が上位に並んだ。短い年限の金利の動きは9月の金利番付で詳しく扱った。
次:円の水準も見ておきたい。欧州中央銀行の参照レートでは、ドル円は6月30日の162.44円から9月29日の157.12円へ円高方向に動いた。輸出株には向かい風だったが、トヨタ株は上げている。
要点5:10月最初の材料は日銀短観
結論:下期の最初の材料は、10月1日8時50分に公表される日銀短観だ。
根拠:短観では企業の想定為替レートと設備投資計画が見られる。想定レートと実勢の差は、下期の業績の上振れ余地を測る材料になる。短観の読みどころは短観の予習ノートにまとめた。
意味:金利が上がる中で銀行や商社が買われ、値がさの半導体が売られた。短観で企業の強気が確かめられれば、TOPIX型の相場が続きやすい。逆に設備投資計画が弱ければ、金利上昇だけが残る形になる。
次:10年債利回りが3%台で定着するかを見る。9月30日の日経平均は1,272円45銭高と大きく戻した。1日の反発で四半期の流れが変わったとは言えない。
30秒まとめ
7〜9月期は日経平均が4.72%安、TOPIXが2.85%高で、NT倍率は17.54倍から16.25倍へ下がった。値がさの半導体株などが売られ、銀行や商社などの大型株が買われた。10月1日の短観と10年債利回り3%台の定着が、この流れが続くかを決める。
主な参照
- 日経平均とTOPIXの月末終値、NT倍率の計算元(2019年4月以降の月足)/株探(日経平均)、株探(TOPIX)
- 9月30日のTOPIX終値と個別株の終値(15時30分)/Yahoo!ファイナンス
- 9月30日の日経平均終値(1,272円45銭高の6万6,753円72銭)/日本経済新聞、株探
- 国債金利(新発2年・10年の各日の値)/財務省
- ドル円の参照レート(6月30日・9月29日)/欧州中央銀行(Frankfurter経由で取得、ユーロ建てレートからの換算)
- 日経平均の定期入れ替えの時期/株探の指数概要
- 日銀短観の公表日程/日本銀行
データ基準日:2026年9月30日の東京市場の終値。四半期と上期の騰落率は、6月30日と3月31日の終値との比較で本誌が計算した。個別株の騰落率は株式分割を反映した調整後の株価による。国債利回りは財務省公表の9月29日の値で、9月30日の値は反映していない。ドル円は欧州中央銀行の参照レートで、東京市場の実勢や終値とは異なる。NT倍率は各月末の終値から本誌が計算した。銀行株高の理由について、単一の原因を示す一次情報はない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。













