金相場が28日、下げ足を強めている。現物価格は日本時間15時27分時点で一時2.7%安の1トロイオンス4,171.85ドルまで下落した。原油高が引き金だ。トランプ大統領が27日、イランのホルムズ海峡再開案を退けたと伝わった。
- 下落幅:金は日本時間15時27分時点で一時2.7%安の4,171.85ドル。9月1日以来の下げ幅である。
- 引き金:トランプ大統領がイランのホルムズ海峡再開案を27日に拒否したと伝わり、原油相場が上昇した。
- 利上げ観測:CMEのFedWatchツールが示す10月利上げ確率は、同日中に66%から69%へ上昇した。
- 9月23日との違い:前回はインフレ指標そのものが引き金。今回は原油高が経由地になっている。
- 次に見るもの:銀は4.3%安、プラチナは2.8%安。貴金属全体が同じ方向に動いている。
金は一時2.7%安の4,171ドル台
現物の金相場は28日、下げ幅を広げた。ロイターが伝えた値は日本時間10時17分時点で1.5%安の4,223.95ドル。同12時57分には2.1%安の4,198.10ドル。15時27分には2.7%安の4,171.85ドルまで下げた。
9月1日以来の下げ幅である。本誌が15時43分に確認した気配値は4,176.40ドルで、安値からはやや戻した。金だけの調整ではない。
銀は4.3%安の61.51ドル、プラチナは2.8%安の1,728.43ドル。パラジウムも3.1%安の1,227.67ドルまで下げた。
主要貴金属の変化率(28日、日本時間15時27分時点)
読み方:28日は貴金属4品種がそろって下げた。原油高によるインフレ懸念と、CMEのFedWatchツールが示す10月利上げ確率69%への上昇が背景にある。出所:Business Recorder(ロイター配信)、FXストリート。
原油高を呼んだホルムズ海峡拒否
トランプ大統領は27日、イランが示した「ホルムズ海峡を7日で再開する」提案を退けたと伝えられた。この報道を受けて原油相場が上昇し、ブレント原油は27日に2.7%高となった。原油高は輸送・生産コストを通じて物価を押し上げる経路になる。
KCMトレードのチーフ・マーケット・アナリスト、ティム・ウォーターラー氏はこう指摘する。「高い債券利回りと高い原油価格の組み合わせが、金相場の重荷になり続けている」。「原油相場は供給を巡る相反する情報で上昇しており、投資家にインフレを意識させ続けている」とも述べた。
FedWatchが示す10月69%
FRBは9月16日の会合で、政策金利の誘導目標を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%とした。3年以上ぶりの利上げで、投票は12対0の全会一致だった。声明は「インフレは高止まりしている」とし、利上げは「2%目標へのより早期の回帰を支える」と説明している。
原油高によるインフレ懸念は、この利上げ路線の継続観測を強めている。CMEのFedWatchツールが示す10月会合での追加利上げ確率は上昇が続く。日本時間10時17分時点の66%から、15時27分時点には69%まで切り上がった。
9月23日との違いは「経由地」
金は9月23日にも大きく下げている。その際は強いインフレ指標そのものが直接の引き金だった。今回は指標の発表があったわけではない。
原油高というもう一段階を経てインフレ懸念が強まり、金利観測を通じて金が売られている。経路が一つ増えた分、原油とホルムズ海峡情勢の推移が金相場に直接響く局面に入った。
次に見る3つの材料
次:ホルムズ海峡を巡る交渉の続報である。イラン側が新たな提案を示すか、米側がさらに強い姿勢を取るかで、原油相場の方向が変わる。次:10月のFOMC会合の日程と、そこまでに発表される米雇用統計や消費者物価指数である。
指標がインフレ再加速を示せば、69%の利上げ確率はさらに切り上がる。次:銀・プラチナ・パラジウムなど他の貴金属の値動きである。金だけでなく貴金属全体が同じ方向に動くかどうかがカギになる。金利観測による下げか、より広い商品市場の調整かを見分ける手がかりになる。
30秒まとめ:結論:金は28日、原油高とインフレ懸念、10月利上げ観測69%で一時2.7%安の4,171.85ドルとなった。根拠:トランプ大統領のホルムズ海峡再開案拒否が原油高を招き、FedWatchの利上げ確率を66%から69%へ押し上げた。次:ホルムズ海峡交渉の続報、10月FOMCまでの経済指標、銀・プラチナなど他の貴金属の値動きを追う。
主な参照
- 金相場の下落と利上げ観測(66%、ティム・ウォーターラー氏コメント)/Business Recorder(ロイター配信、2026年9月28日)
- 同日午後の値(2.7%安、69%)/FXストリート(2026年9月28日)
- FOMC声明(政策金利3.75〜4.00%、投票12対0)/米連邦準備制度理事会(2026年9月16日)
- 金相場の気配値(2026年9月28日15時43分取得)/Gold-API.com
データ基準日:2026年9月28日、日本時間の各時刻に確認した値。金・銀・プラチナ・パラジウムの価格と変化率はBusiness Recorder(ロイター配信)およびFXストリートが伝えた値を用いた。15時43分の気配値はGold-API.comによる参考値で、両報道機関の値と発表元・算出方法が異なる場合がある。CMEのFedWatchツールが示す利上げ確率は市場参加者の先物ポジションから算出された織り込み度合いであり、実際の利上げを保証するものではない。KCMトレードのティム・ウォーターラー氏のコメントはBusiness Recorder(ロイター配信)からの引用である。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・商品の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。













