ドル円は6日の海外市場で158.39円前後まで上昇し、日米協調介入後の値幅の上端に迫っている。8月3日の安値155円24銭から約36%の戻しで、介入の効果は4営業日で大半が巻き戻された計算になる。市場の関心は、日米双方が「躊躇しない」と予告した第2弾の発動ラインと、7日発表のCFTC建玉、そして週末の米雇用統計に集まっている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ドル円 | 158.39円(+0.41%)。日中高値158.46円 |
| 介入後の帯 | 155.24円(8/3安値)〜158円台後半。上端158.60円接近中 |
| 戻し率 | 163.99円→155.24円の下落幅の約36%を回復 |
| 介入規模の推計 | 報道により2日合計約13.8兆円(8.45兆+5.33兆円)から約5.8兆円まで幅。確定は財務省の月次公表待ち |
| 当局の予告 | 片山財務相・ベッセント米財務長官がともに「さらなる協調介入を躊躇しない」と言明 |
| 次の材料 | 8月7日(米国時間)CFTC建玉、8日早朝(日本時間)米雇用統計 |
※ 相場データは米東部時間8月6日11:47時点。
4営業日の経路
図:じわり、上端へ——協調介入から4営業日のドル円
下落幅の約36%を既に戻した。155〜158円台後半の帯(青)の上端158.60円は、当サイトが「第2弾介入の試金石」と位置付けてきた水準である。
米国が介入に加わった理由
今回新たに報じられた背景がある。Wolf Streetによれば、米側が協調に踏み切った動機のひとつは、日本が単独介入の原資として米国債の売り手に回ることへの警戒だった。日本は米国債の最大の海外保有国であり、大規模な円買い介入はドル建て資産の取り崩しを伴う。米長期金利が5%台で推移する局面での「日本の強制売り」は、米債市場の急変を招きかねない。協調介入は円のためであると同時に、米国債市場のためでもあった——この構図は、介入の持続力を測るうえで無視できない。米国側には「日本に米国債を売らせない」動機が残り続けるからだ。
158円台後半で試されるもの
材料を整理する。円安方向に働くのは金利差だ。日米の政策金利差250〜275bpは介入後も1bpも縮んでおらず、キャリー取引の動機は毎日再生産される。9月のFed利上げ観測は7割強(5割強が25bp、2割が50bp)で、differential はむしろ拡大方向にある。円高方向に働くのは当局の予告と持ち高だ。前稿の尋問で示した通り、19年ぶり規模だった投機筋の円ショートがどれだけ解消されたかは、7日のCFTC建玉(8月4日時点)で初めて確認できる。ショートが大きく残っていれば、第2弾の介入は再び踏み上げを誘発できる。解消が進んでいれば、燃料は乏しい。
この記事の前提が崩れる条件:①ドル円が158円台後半を明確に上抜けても当局が動かない場合、「躊躇しない」の信認は毀損し、160円方向への再挑戦が本線になる。②逆に第2弾の協調介入が実行されれば、155円24銭割れから150円方向のレンジ切り下げを試す。③CFTC建玉で円ショートが半減以下まで解消されていれば、介入の「踏み上げ効果」は次回から大きく低下する。
今後の日程
- 8月7日(米国時間金曜):CFTC建玉統計(8月4日時点)。介入直後のショートの残量が判明
- 8月8日早朝(日本時間土曜):米7月雇用統計。9月の25bp/50bp観測を直接動かす
- 8月12日(火)21:30:米7月CPI。コア再加速なら金利差拡大=円安圧力
- 8月末まで:財務省「外国為替平衡操作の実施状況」で介入額が確定
主な参照(データ基準日:米東部時間2026年8月6日11:47)
Wolf Street(米国債の強制売り懸念)/CNBC(米国が介入に加わった背景)/NHK(片山財務相「躊躇なく」)/Kraken(9月FedWatch織り込み)。介入規模はいずれも推計であり、当局の確定値ではない。相場水準は執筆時点の値。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の取引を推奨するものではない。為替取引には預託額を上回る損失が生じるリスクがある。投資判断は自己の責任で行っていただきたい。














