28日の日経平均は685円82銭高の6万3,954円19銭で続伸した。だがTOPIXは0.14%安の3,991.71で、4,000を割り込んで終えている。東証プライムで値下がりした銘柄は1,092と、全体の7割に達した。指数の上げは何銘柄が作ったのか、引け後の決算は何を変えたのか、要点を5つにまとめる。
- 指数のねじれ:日経平均は1.08%高、TOPIXは0.14%安。値がさ株だけが上げた。
- 寄与度:上位5銘柄で827円67銭。上げ幅685円82銭の121%にあたる。
- 騰落:値上がり431、値下がり1,092。33業種のうち上げたのは10業種だった。
- 引け後:アドバンテストが通期の最終利益予想を12.3%上方修正した。
- 次:今夜のFOMC、あすのイビデンと東京電力HD、30日の日銀会合が続く。
要点1:日経平均とTOPIXが逆を向いた
結論:指数の上げは市場全体の上げではない。日経平均は2日続伸し、前日比1.08%高で引けた。同じ日、TOPIXは5.66ポイント安の3,991.71だった。
根拠:日経平均は株価の高い銘柄ほど影響が大きい。TOPIXは時価総額で決まる。半導体の値がさ株が買われ、それ以外の大型株が売られると、2つの指数はこの日のように割れる。前日27日も日経平均は1,078円高だったが、上げの94%は上位4銘柄だった。
次:TOPIXが4,000を回復できるかが目安になる。回復しないまま日経平均だけが上げ続けるなら、上げの土台は細いままである。
要点2:上位5銘柄が上げ幅を超えた
日経平均への寄与度(10月28日大引け、円)
読み方:上位5銘柄の押し上げは合計827円67銭で、上げ幅685円82銭を141円85銭上回る。残る220銘柄は差し引きでマイナスだった。出所:株探ニュース(10月28日15時32分配信)。
結論:5銘柄を除けば、日経平均はマイナスだった。株探の集計では、寄与度の首位はアドバンテストで230円85銭。東京エレクトロンが209円85銭、ソフトバンクグループが168円28銭で続いた。
根拠:4位のキオクシアホールディングスは122円82銭、5位のイビデンは95円87銭だった。5銘柄の合計は827円67銭で、上げ幅を141円85銭上回る。残る220銘柄は差し引きで指数を押し下げた計算になる。押し下げの首位はコナミグループで52円59銭、日東電工が35円73銭で続いた。
次:キオクシアは13.76%高の1万4,340円と、きょう一番の上げ方だった。韓国SKハイニックスの決算を受けた動きで、背景はこちらの記事にまとめた。
要点3:プライムの7割が値下がり
結論:朝より後場のほうが、売られた銘柄は増えた。10時の時点では値上がり718、値下がり778で、ほぼ拮抗していた。大引けでは値上がり431、値下がり1,092、変わらず25である。
| 業種 | 前日比 | 主な動き |
|---|---|---|
| ガラス・土石(首位) | +2.42% | MARUWAがストップ高 |
| 非鉄金属 | +1.88% | 2位 |
| 電気機器 | +1.80% | 半導体株が中心 |
| 石油・石炭製品 | −2.26% | 下から3番目 |
| 食料品 | −2.67% | 下から2番目 |
| 保険(最下位) | −2.83% | 33業種で最大の下げ |
根拠:上げたのは33業種のうち10業種にとどまる。下落の上位は保険、食料品、石油・石炭製品で、内需と資源の両方が売られた。輸送用機器も1.12%安で、トヨタ自動車は1.64%安の3,051円だった。
次:値上がり銘柄が値下がりを上回る日が来るか。それが上げが半導体の外へ広がった最初のサインになる。
要点4:引け後に上方修正が相次いだ
結論:寄与度首位のアドバンテストが、引け後に予想を引き上げた。15時30分の発表で、通期の最終利益予想を6,600億円から7,415億円へ12.3%上方修正している。4〜9月期の最終利益は前年同期の2.2倍の3,680億円だった。
根拠:7〜9月期の売上高営業利益率は55.9%で、前年同期の41.3%から大きく上がった。株価は発表前に3.16%高の3万4,930円で引けている。日立製作所も通期の最終利益予想を2%上方修正し、中間配当を4円増やした。日立の終値は0.09%高の5,620円だった。
次:あすの寄り付きで、上方修正がどこまで買われるかを見る。過去の修正後の値動きは26日の記事で検証した。場中には、さくらインターネットが16.95%高でストップ高を付けた。経常利益予想を70%上方修正したことが材料である。
要点5:今夜から3日間の予定
結論:材料は今夜から3日続く。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は日本時間29日午前3時に出て、ウォーシュ議長が会見する。据え置きの見方が大勢であることは、27日の記事で整理した。
根拠:29日は国内で130社が決算を発表する予定だ。株探によると、取引時間中にコマツ、富士通、デンソー、ルネサスエレクトロニクスが並ぶ。引け後は武田薬品工業、オリエンタルランド、東京電力HD、JTが続く。イビデンは発表時刻が未確認で、前回は15時40分だった。
次:日銀は29〜30日に金融政策決定会合を開き、30日に結果を公表する。きょうの新発10年国債利回りは2.818%、ドル円は15時42分時点で157円87銭前後だった。会合の論点はこちらの記事にある。
30秒まとめ。日経平均は685円高だが、上位5銘柄を除けばマイナスで、プライムの7割が下げた。引け後にアドバンテストが通期予想を12.3%引き上げ、あすの値がさ株の材料ができた。今夜のFOMCと30日の日銀会合までは、指数より値上がり銘柄の数を見たい。
なお、本誌はけさの寄り付き1時間の記事で、確率45%の本線を「6万3,900〜6万4,300円で上げ幅を保って引ける」と置いた。終値はこの範囲に入った。一方、条件に挙げた騰落の広がりは起きず、値下がりは朝の778から1,092に増えている。
主な参照
- 日経平均の終値・騰落銘柄数・寄与度(10月28日15時32分)/株探ニュース
- TOPIXの終値(10月28日15時43分)/株探(フィスコ)
- 東証33業種の騰落率(10月28日15時41分)/株探(フィスコ)
- アドバンテストの決算と業績予想の修正(10月28日15時30分)/株探ニュース
- ストップ高・ストップ安の銘柄(10月28日15時40分)/株探ニュース
- 29日の決算発表予定(10月28日15時41分)/株探ニュース
- 国債利回り(10月28日15時36分)/株探(フィスコ)
- 金融政策決定会合の日程/日本銀行
- 個別株とドル円の終値・気配値(10月28日15時42分)/ヤフーファイナンス
データ基準日:2026年10月28日(日本時間15時45分)。株価と指数は東京市場の終値、ドル円は15時42分時点の気配値で、終値ではない。寄与度と騰落銘柄数は株探ニュースの集計による。アドバンテストと日立製作所の決算は引け後の発表で、28日の株価には反映していない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。















