10月23日の米国市場で、ダウ工業株30種平均は寄り付きから1時間後の米東部時間10時30分時点で前日比741.67ドル安(1.40%安)の52,126.31ドルだった。S&P500種株価指数は0.61%安、ナスダック総合指数は0.31%安で、前日に5%超下げた半導体株指数は0.32%高と小幅に反発した。業種別では、宇宙企業スペースXが携帯電話事業に参入するとの報道を受け、通信大手3社が3〜5%下げ、通信塔を保有する不動産投資信託(REIT)3社が6〜13%上げた。
主要指数と個別株(米東部時間10時30分前後)
| 指数・銘柄 | 水準 | 前日比 | 材料 |
|---|---|---|---|
| ダウ平均 | 52,126.31 | −741.67(−1.40%) | ― |
| S&P500 | 7,616.87 | −46.56(−0.61%) | ― |
| ナスダック総合 | 25,928.95 | −79.91(−0.31%) | 前日は2.60%安 |
| ナスダック100 | 28,936.58 | −22.11(−0.08%) | ― |
| フィラデルフィア半導体株指数(SOX) | 10,765.81 | +33.83(+0.32%) | 前日は6.72%安 |
| ラッセル2000 | 2,754.72 | −29.30(−1.05%) | 小型株 |
| クラウン・キャッスル(CCI) | 88.69ドル | +12.51% | スペースXとの交渉報道 |
| SBAコミュニケーションズ(SBAC) | 193.37ドル | +8.40% | 通信塔REIT |
| アメリカン・タワー(AMT) | 193.99ドル | +6.84% | 通信塔REIT |
| AT&T(T) | 21.575ドル | −5.12% | 競争激化懸念 |
| Tモバイル(TMUS) | 152.45ドル | −3.99% | 競争激化懸念 |
| ベライゾン(VZ) | 43.91ドル | −2.85% | 競争激化懸念 |
| スペースX(SPCX) | 148.32ドル | +2.47% | 携帯事業への参入報道 |
| アメリカン・エキスプレス(AXP) | 314.415ドル | −3.31% | 7〜9月期決算、通期予想を上方修正 |
| ニューモント(NEM) | 108.06ドル | −5.30% | 決算、2027年の単位コスト上昇見通し |
| SLB | 51.425ドル | +3.78% | 決算が市場予想を上回る |
| ブルーム・エナジー(BE) | 193.88ドル | −10.97% | 通期予想を引き上げ |
| メタ(META) | 643.82ドル | −0.78% | 前日は8%近い下落 |
背景:スペースXの通信塔交渉と、前日のAI株安
ブルームバーグ通信は22日、スペースXが米国内で少なくとも8万カ所の基地局用地の確保に向け、通信インフラ大手と交渉していると報じた。交渉相手にはクラウン・キャッスルが含まれる。インベスティング・ドットコムによると、合意が実現すれば、スペースXが全米4番目の携帯電話事業者になる道を支える。同社は全国規模の低周波数帯の取得も進めている。米ワイヤレス・インフラ協会の集計では、昨年時点で米国内で稼働する通信専用の鉄塔は15万8,500基で、8万カ所はその約半分にあたる。
前日の22日、ナスダック総合指数は2.60%安の26,008.86で引けた。ロイターによると、メタは10年超ぶりに現金が流出したと決算で示し、株価が8%近く下げた。人工知能(AI)関連の支出への懸念が半導体株にも広がり、フィラデルフィア半導体株指数は6.72%安の10,731.98で引けた。23日の寄り付き後は、マイクロン・テクノロジーが2.91%高、AMDが1.97%高、インテルが1.68%高と半導体の一部が戻した。エヌビディアは0.32%高、ブロードコムは0.13%高だった(米東部時間10時30分)。前日の動きは22日の寄り付き1時間の記事にある。
主な値動き(米東部時間10時30分、前日比)
読み方:上位3つは通信塔REIT、下落側には通信大手3社が並ぶ。スペースXの携帯事業参入の報道が、鉄塔の貸し手と携帯会社で逆の評価になった。出所:ナスダック社の気配値(取引時間中)。
市場反応:指数間で1.3ポイントの差
米東部時間10時30分前後の下落率は、ダウ平均が1.40%、ラッセル2000が1.05%、S&P500が0.61%、ナスダック総合が0.31%、ナスダック100が0.08%だった。前日と異なり、ハイテク比率の高い指数ほど下げ幅が小さい。ダウ平均とナスダック100の差は1.32ポイントである。VIX指数は前日比1.07ポイント高の20.10で、20を上回った。
来週に決算を控える大型ハイテク株は小動きだった。マイクロソフトが0.26%高、アップルが0.30%安、アルファベット(クラスA)が0.39%安、アマゾンが0.89%安、テスラが1.06%安。AI向けクラウドのコアウィーブは1.55%安だった。記憶媒体株はサンディスクが2.03%高、ウエスタンデジタルが1.03%高。前日に急落した半導体製造装置のラムリサーチは0.32%安と、半導体株のなかで戻りが鈍かった(いずれも米東部時間10時30分、ナスダック社の気配値)。
決算を発表した銘柄では、方向が分かれた。ロイターによると、アメリカン・エキスプレスは7〜9月期の好決算を受けて2026年の利益予想を引き上げたが、株価は3.31%安。燃料電池のブルーム・エナジーも2026年度の予想を引き上げたものの10.97%安だった。石油サービスのSLBは7〜9月期の利益が市場予想を上回り3.78%高。金鉱大手のニューモントは2027年の単位コストが上昇するとの見通しを示し、5.30%安となった。金先物は1.28%安の4,008.4ドルである。
関係者の発言
クラウン・キャッスルのクリスチャン・ヒラブラントCEOは21日、スペースXやアマゾンとの賃貸契約について問われ、「すべての当事者と話していると考えてもらってよい」と述べた。個別の顧客については言及を避けた(インベスティング・ドットコム)。
トゥルイスト証券のマシュー・ニクナム氏は、報道は「まだ人気の薄い通信塔セクターにとって新たな好材料」としたうえで、交渉は「実際の基本賃貸契約の締結にはほど遠い」と指摘した(同)。
ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト最高投資責任者は、AI関連株の下落について「短期的に売りが行き過ぎている局面で、根本的な理由はないと思う」と述べた(ロイター)。
債券・為替・商品
| 指標 | 水準 | 前日比 |
|---|---|---|
| 米10年債利回り | 4.99% | +0.029ポイント |
| 米2年債利回り | 4.68% | +0.032ポイント |
| VIX指数 | 20.10 | +1.07 |
| ドル円 | 156.87円 | +0.09円 |
| WTI原油(12月物) | 102.57ドル | +3.12% |
| 北海ブレント原油(12月物) | 116.21ドル | +2.69% |
| 金先物(期近) | 4,008.4ドル | −1.28% |
| ビットコイン | 81,317ドル | ほぼ横ばい |
原油高を受けてエネルギー株が上げ、エクソンモービルは1.96%高、シェブロンは1.92%高だった。原油の材料はWTI原油100ドル回復の記事にまとめた。ロイターによると、FRBの来週の会合では据え置きが見込まれている(CMEフェドウォッチ)。
個別では、自動車部品のオートリブが6.53%安、クラウド電話のリングセントラルが7.27%高だった。前日に17.57%下げたモデルナは1.96%安で、詳細はモデルナの記事にある。
今後の日程(米東部時間)
- 10月27日(火):ビザ(引け後)、コカ・コーラ、ボーイング、UPS、ペイパル(いずれも寄り付き前)の決算
- 10月28日(水):アルファベット、マイクロソフト(いずれも引け後)の決算。FOMCの結果発表は14時(日本時間29日3時)
- 10月29日(木):アマゾン、インテル(いずれも引け後)、イーライリリー、メルク、キャタピラー(いずれも寄り付き前)の決算
- 10月30日(金):エクソンモービル、シェブロン(いずれも寄り付き前)の決算
- 11月3日(火):米中間選挙
決算日程はナスダック社の決算カレンダー、FOMCの日程はFRBによる。ロイターによると、LSEGの集計でS&P500採用企業の7〜9月期の増益率予想は32.3%で、従来の30.7%から上方修正された。
主な参照
- 寄り付き前の市況、メタの下落理由、決算銘柄、ストラテジストの発言、LSEGの増益率予想(2026年10月23日8時8分=米中部時間)/ロイター(ヤフー・ファイナンス転載)
- スペースXの基地局用地交渉、通信塔の基数、アナリストとCEOの発言(10月23日)/インベスティング・ドットコム
- ブルームバーグの元記事(10月22日)/ブルームバーグ
- 株価・指数・決算日程/ナスダック
- S&P500、ダウ平均、債券利回り、為替、商品/TradingView
- FOMCの日程/FRB
データ基準日:2026年10月23日(米東部時間10時30分、日本時間23時30分)。すべて取引時間中の値であり、終値ではない。同日の取引終了は日本時間24日5時で、その後の変動は反映していない。スペースXの交渉は関係者の話にもとづく報道で、同社とクラウン・キャッスルは交渉の事実を公表していない。ダウ平均の下落について、構成銘柄ごとの寄与度は算出していない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断は各自の責任において行われたい。
















