ビットコインが7万6,000ドル台に下げた。米コインベースの価格は日本時間3日午前7時45分時点で7万6,685ドルである。バイナンスの出金再開で落ち着いたかに見えた相場に、ブラジル最大の暗号資産取引所での流出が重なった。米中間選挙を控えた朝に押さえるべき要点を5つにまとめる。
- 価格:7万6,685ドル。11月2日(世界標準時)の始値から2.0%安で、日中安値は7万6,553ドル。
- 新たな流出:ブラジルのメルカド・ビットコインが出金を停止。流出額は4,000万ドル超と分析会社が指摘。
- バイナンス:出金再開の初日に差し引き36億4,000万ドルが流出。会社は盗まれた資産の約95%を補填済み。
- 資金の流れ:米国の現物ビットコインETFは10月30日に6億4,300万ドルの流出。6月以来の大きさ。
- 次の材料:3日の米中間選挙、6日の米雇用統計。選択肢市場では5万8,000ドルの売る権利が最も取引されている。
1. 価格:7万6,000ドル台、2週間で約6%安
結論:下げは緩やかだが、戻りは弱い。コインベースの日足では、11月2日(世界標準時)の始値は7万8,232ドルだった。高値は7万8,762ドルまで伸びたが、そこから押し戻された。
根拠:10月22日の終値は8万1,307ドルで、現在の価格はそこから5.7%低い。円に直すと約1,211万円である。欧州中央銀行(ECB)の11月2日の参照レート157.90円で換算した本誌の試算だ。
次:10月30日の安値7万6,141ドルを割るかどうかを見る。割れれば、10月下旬からの下値の切り上がりが崩れる。
ビットコインの価格帯(ドル、コインベース)
読み方:いまの価格は10月30日の安値のわずか上にある。上は11月2日の高値7万8,762ドル、8万ドルが回復の目安になる。出所:コインベースの日足と現在値(世界標準時の日付)。8万ドルは本誌が置いた目安。
2. 新たな流出:メルカド・ビットコインが出金停止
結論:規模はバイナンスの100分の1以下だが、1週間で2件目の大手取引所の流出である。コインデスクによると、ブラジル最大の取引所が11月2日に入出金を止めた。
根拠:セキュリティー会社のハイパーネイティブは、少なくとも10のブロックチェーンで4,000万ドルを超える不審な送金を検知した。取引所はこの数字を認めていない。プロトスは被害額を4,600万ドルと報じた。
送金はプログラムの欠陥を突いたものではなく、通常の送金だった。秘密鍵などの署名権限がどう奪われたかは分かっていない。取引所は顧客に損失は出ていないとし、ブルームバーグによると損失を全額負担すると表明した。テザーは関連する450万USDT超を凍結した。
次:出金の再開時期と、侵入経路の説明である。現時点で犯行主体は特定されておらず、バイナンスの事件との関連を示す公開情報もない。
3. バイナンス:出金再開で36億ドル流出
結論:取り付けは起きなかったが、資金は確実に外へ出ている。コインデスクによると、出金を段階的に再開した初日の流出は46億5,000万ドル、入金は10億1,000万ドルだった。
根拠:差し引き36億4,000万ドルの純流出である。流出したのは63億ドルで、米連邦捜査局(FBI)は北朝鮮のハッカー集団「トレーダートレイター」の犯行と断定した。バイナンスは約95%を自己資金で補填したとしている。
次:流出が2日目以降に細るかどうかである。経緯は出金再開の記事と流出直後の記事にまとめた。
4. 資金の流れ:ETFは6月以来の流出
結論:機関投資家の買いも細っている。ファーサイド・インベスターズの集計を引用したコインデスクによると、米国の現物ビットコインETFは10月30日に6億4,300万ドルの流出となった。
根拠:1日の流出としては6月以来の大きさで、それまで4日続いた流入を帳消しにした。先物の出来高は24時間で56%増えたが、建玉はほぼ横ばいだった。売買は膨らんでも、新しい持ち高は積み上がっていない。
次:11月2日分のETFの資金流出入である。流出が続けば、7万6,000ドル台を支える買い手が薄くなる。
5. 次の材料:中間選挙と雇用統計
結論:今週は暗号資産の外から材料が来る。3日は米中間選挙で、暗号資産関連法案の行方に影響しうる。6日には10月の米雇用統計が出る。
根拠:選択肢取引所デリビットでは、最も取引されたビットコインの選択肢は3本とも売る権利だった。首位は11月27日期限の5万8,000ドルである。下落への備えを買う動きが続いている。
決算では、3日の引け後にブロック、4日の寄り付き前にサークルとライオット・プラットフォームズが発表する。B2BINPAYのアレックス・リズキン氏は、出金が滑らかに進めば7万6,000〜8万ドルで落ち着きうると述べた。
次:本誌の見立てでは、今週7万6,000〜8万ドルの範囲にとどまる確率を55%、7万6,000ドルを割り込む確率を30%、8万ドルを回復する確率を15%と置く。選挙の夜は値が飛びやすい。中間選挙と相場の関係はこちらで扱った。
30秒まとめ:ビットコインは7万6,000ドル台で、10月30日の安値7万6,141ドルが目前の下値である。取引所の流出は2件目となったが、価格はまだ崩れていない。8万ドル回復には、ETFの資金流入の再開が必要だ。
主な参照
- ビットコインの現在値と日足(11月2日22時45分=世界標準時)/コインベース
- メルカド・ビットコインの出金停止(11月2日)/コインデスク
- 被害額4,600万ドルの報道/プロトス
- 損失の全額負担の表明(ブルームバーグ引用)/ビットコイン・マガジン
- バイナンスの純流出、ETF流出、先物・選択肢のデータ(11月2日)/コインデスク
- 今週の日程とリズキン氏の発言/コインデスク
- 北朝鮮の関与に関するFBIの発表/コインデスク
- ユーロ参照レート(ドル円157.90円、11月2日)/欧州中央銀行
データ基準日:ビットコインの価格は2026年11月2日22時45分(世界標準時、日本時間3日午前7時45分)時点のコインベースの取引価格。取引時間中の値であり、終値ではない。日足は世界標準時の0時区切りで、11月2日分は確定前の値である。円換算はECBの参照レートを使った本誌の試算。メルカド・ビットコインの被害額は分析会社と報道による推計で、取引所は確認していない。今週の価格帯の確率は本誌の判断で、将来の価格を保証しない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。














