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S&P500、2023年以来最大の週間上昇率を記録 ― 米イラン和平期待でダウは最高値更新、リスクオン継続

Kentaro Takagi Kentaro Takagi
2026年7月1日
株式
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世界経済
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📌 ポイント: 米国とイランの和平合意期待がリスク選好を強め、S&P500は2023年以来最長の週間上昇を達成、ダウは2営業日連続で史上最高値を更新しました。3連休前にもポジションを積み増す動きは、投資家が「平和の配当」相場を逃したくないという強気姿勢を示しています。

米国株式市場、和平期待で主要3指数そろって上昇

金曜日の米国株式市場は、米国とイランの和平合意への期待感がリスク資産への資金流入を後押しし、主要指数がそろって上昇しました。S&P500は0.4%上昇し、2023年以来となる最長の週間連続上昇記録を更新。ダウ工業株30種平均は0.6%上昇して50,586.18ポイントとなり、2営業日連続で史上最高値を塗り替えました。

ハイテク株中心のナスダック総合指数は0.2%、ナスダック100指数は24,016.02ポイントで取引を終えました。小型株指数のラッセル2000も0.8%上昇し、3営業日連続でプラス圏となっています。半導体関連ではヴァンエック半導体ETF(SMH)が1.4%上昇、iシェアーズ半導体ETF(SOXX)は金曜日に過去最高値を記録するなど、ハイテク・半導体セクターの強さが目立ちました。

主要ETFの動きを見ると、SPDR S&P500 ETF(SPY)は0.4%高、インベスコQQQトラスト(QQQ)も約0.4%高、SPDRダウ工業株平均ETF(DIA)は0.7%高で取引を終えています。Stocktwits上の個人投資家センチメントは、SPY・QQQ・DIAいずれも「極めて強気(extremely bullish)」ゾーンにあり、メッセージ投稿量も「極めて高い」水準にあります。

米イラン交渉の進展と残された火種

相場上昇の最大の材料となったのは、米国とイランの間で進む和平交渉です。カタールの交渉団が米国と連携してテヘランに飛び、紛争終結に向けた合意取り付けを支援していると報じられました。イラン側も「米国の最新提案により両国はより合意に近づいた」と表明し、提示された条件を精査中であることを明らかにしています。

ただし、リスク要因も残されています。ルビオ国務長官は、イランがホルムズ海峡を恒久的に支配し通行料を課そうとするのであれば、いかなる合意も成立し得ないと警告しました。「世界の誰も通行料制度を支持していない。受け入れられないものであり、もしそれを追求し続けるなら外交合意は不可能になる」と強い口調で釘を刺しています。

中東情勢の落ち着きは原油価格の下落を通じて世界的なインフレ圧力を緩和し、企業収益や消費者の購買力にプラスに働くとみられています。一方で交渉決裂となれば、原油急騰とリスクオフ反転のシナリオも否定できません。

個別材料:IPO観測、決算好調、量子コンピューターへの2,000億ドル投資

今週はマクロ要因に加え、個別材料も豊富でした。Anthropic、OpenAI、SpaceXといったAI・宇宙関連の有力非公開企業のIPO報道が相次ぎ、市場のセンチメントを押し上げました。また、米企業の決算は総じて堅調で、業績相場の継続を裏付けています。

さらにトランプ政権は量子コンピューター分野に20億ドル規模の支援を打ち出し、最大の受益者と目されるIBM株は2002年10月以来となる週間最大の上昇を記録しました。注目銘柄としては以下が挙げられます。

  • UBER(ウーバー):配車・デリバリー需要の継続的拡大
  • GILD(ギリアド・サイエンシズ):バイオ医薬品セクターの注目株
  • RDDT(レディット):SNS・AIデータ関連で物色
  • AMD:半導体ETFの最高値更新と連動
  • FJET:中東情勢改善のテーマ関連

日本の投資家への示唆 ― 「平和の配当」を逃さないポジショニング

インタラクティブ・ブローカーズのスティーブ・ソズニック氏はブルームバーグに対し、「3連休を前に株価が上昇していること自体が、トレーダーのリスク姿勢を雄弁に物語っている」と指摘。「よりリスク回避的な環境であれば、ポジションを圧縮して手仕舞うのが普通だ。しかし投資家は積極的にロングを積み増しており、『平和の配当』相場を取り逃すリスクを取りたくないという心理が透けて見える」と分析しています。

日本の個人投資家にとっても、この相場の流れはいくつかの示唆を持ちます。第一に、米国株式の上値追いはハイテク・半導体主導で続いており、SOXやSMHに連動する日本上場ETFや、東京エレクトロン、アドバンテストといった国内半導体関連株への波及効果が期待されます。第二に、ホルムズ海峡を巡る不透明感が残るため、原油・エネルギー関連のヘッジを完全に外すのは時期尚早といえます。第三に、ケビン・ウォーシュ氏の新FRB議長就任という政策面の節目も控えており、金融政策スタンスの変化を注視する必要があります。

ボトムライン

米イラン和平期待と好決算が重なる「リスクオン局面」では、ハイテク・半導体を中心に押し目買いスタンスを維持しつつ、中東情勢の急変に備えてエネルギー関連のヘッジも一部残すバランス型運用が有効でしょう。

💡 まとめ: 米イラン和平期待が続く限り強気相場は継続する公算が大きく、ハイテク・半導体主導のリスクオンに乗りつつ、ホルムズ海峡を巡る交渉決裂リスクへのヘッジも忘れずに。
Tags: イラントランプマルコ・ルビオ米国
Kentaro Takagi

Kentaro Takagi

健太郎高木は投資銀行のFXプライムブローカレッジ部門で15年以上にわたりキャリアを積み、機関投資家向けの為替取引やプライムブローカレッジ業務に携わってきた。その後、暗号資産トレーディングファームで5年以上の実務経験を重ね、デジタルアセット市場の最前線で取引と分析に取り組んできた。 為替(FX)と暗号資産の双方において、市場構造・流動性・リスク管理に関する深い知見を持つ。現在は自身でも暗号資産のポジションを保有するほか、株式については長期保有を前提としたパッシブな運用を続けている。 また、AI(人工知能)に強い関心を持ち、機械学習やデータ分析といったテクノロジーが金融市場・トレーディングにもたらす変化を継続的に追っている。 こうした実務経験とマーケットでの知見をもとに、金融市場・暗号資産・FX・経済指標について、信頼性・正確性・迅速性の高い情報を届けることを目的としている。記事の内容は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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