アップルは11月2日(米東部時間)の取引終了後に2026年7〜9月期(2026会計年度第4四半期)の決算を発表する。オプション市場が織り込む決算翌日の株価変動は約3.6%。過去12回の決算では、翌営業日の終値が下落したのは8回、変動が3.6%を超えたのは3回だった。
日本時間では11月3日(文化の日)の朝7時に電話会見が始まる。東京市場が反応するのは4日になる。9月1日に就任したジョン・ターナス最高経営責任者(CEO)にとって、初めての決算会見である。
主要数値
| 項目 | 数値 | 時点・出所 |
|---|---|---|
| 発表日時 | 11月2日の取引終了後、電話会見は米東部時間17時(日本時間3日7時) | アップルの告知(MacDailyNews経由) |
| 会社の売上高見通し | 前年同期比9〜11%増 | 7月30日の決算会見 |
| 前年同期の売上高 | 1,025億ドル | 2025年10月のアップル発表 |
| 見通しから逆算した売上高 | 1,117億〜1,138億ドル | 本誌の計算 |
| 市場予想の売上高 | 約1,134億ドル(前年同期比10.7%増) | ペッパーストーン、10月27日 |
| 市場予想の1株利益 | 1.99ドル | マーケットビート集計、10月18日時点 |
| 会社の売上総利益率見通し | 47〜48%(関税還付の約1ポイントを含む) | 7月30日の決算会見 |
| 前四半期の売上総利益率 | 50.1%(関税還付の一時的な押し上げ約2ポイントを含む) | ペッパーストーン |
| オプションの想定変動 | 3.6%(ブルームバーグ集計)、3.47%(ペッパーストーン) | 10月26〜27日時点 |
| 株価(終値) | 343.83ドル | 10月28日 |
過去12回の決算翌日の値動き
アップル株、決算翌営業日の終値の変化(%)
読み方:決算発表日の終値から翌営業日の終値までの変化。過去12回で下落8回、3.6%(今回の想定変動)を超えたのは3回。出所:Yahoo Financeの日足から本誌が計算。
| 決算発表日 | 発表日の終値 | 翌営業日の終値 | 終値ベースの変化 | 翌営業日の始値の変化 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年11月2日 | 177.57ドル | 176.65ドル | −0.52% | −1.88% |
| 2024年2月1日 | 186.86ドル | 185.85ドル | −0.54% | −3.75% |
| 2024年5月2日 | 173.03ドル | 183.38ドル | +5.98% | +7.87% |
| 2024年8月1日 | 218.36ドル | 219.86ドル | +0.69% | +0.36% |
| 2024年10月31日 | 225.91ドル | 222.91ドル | −1.33% | −2.19% |
| 2025年1月30日 | 237.59ドル | 236.00ドル | −0.67% | +4.04% |
| 2025年5月1日 | 213.32ドル | 205.35ドル | −3.74% | −3.39% |
| 2025年7月31日 | 207.57ドル | 202.38ドル | −2.50% | +1.59% |
| 2025年10月30日 | 271.40ドル | 270.37ドル | −0.38% | +2.06% |
| 2026年1月29日 | 258.28ドル | 259.48ドル | +0.46% | −1.20% |
| 2026年4月30日 | 271.35ドル | 280.14ドル | +3.24% | +2.77% |
| 2026年7月30日 | 333.43ドル | 308.91ドル | −7.35% | −8.58% |
12回の終値ベースの変化を集計した。下落8回、上昇4回。変化の絶対値の平均は2.28%、中央値は1.01%。3.6%を超えたのは2024年5月(+5.98%)、2025年5月(−3.74%)、2026年7月(−7.35%)の3回で、頻度は25%だった。
始値ベースでは数字が変わる。翌営業日の始値の変化が3.6%を超えたのは4回あった。2025年1月は始値で4.04%上げたが、終値では0.67%安で引けた。寄り付きの反応と引けの反応が逆になった回は12回中4回ある。
ブルームバーグの集計では、直近8回のうち6回で実際の値動きがオプションの想定変動を上回った。同集計の値動きは本稿の終値ベースより大きく、2026年1月は4.8%高、2025年10月は4.6%高とされる。値動きの測り方が異なるためで、終値どうしの比較では両回とも1%未満の変化にとどまる。
確率の目安
| 翌営業日(11月3日)の終値の変化 | 過去12回の頻度 | 本誌の確率の目安 |
|---|---|---|
| 3.6%を超える下落 | 2回(17%) | 20% |
| 0〜3.6%の下落 | 6回(50%) | 40% |
| 0〜3.6%の上昇 | 3回(25%) | 28% |
| 3.6%を超える上昇 | 1回(8%) | 12% |
目安では、下落の確率を60%、3.6%を超える変動の確率を32%とした。過去12回の頻度(下落67%、3.6%超25%)より下落を小さく、大きな変動を大きく見積もった。根拠は次の3点。
第1に、前回7月の決算翌日の7.35%安で、期待の水準はすでに一度切り下がっている。第2に、株価は10月28日終値で343.83ドルと、7月31日の308.91ドルから11.3%戻しており、会社見通しの上限に近い数字はある程度織り込まれている。第3に、売上総利益率の見通し47〜48%には関税還付の約1ポイントが含まれ、還付を除くと46〜47%となる。メモリーの調達費の上昇が続けば、この下限を割る可能性が残る。
背景
7月30日発表の4〜6月期は、売上高が前年同期比16%増の1,094億ドル、純利益が27%増の298億ドルだった。1株利益は2.02ドルで、市場予想の1.89ドルを上回った。それでも株価は翌営業日に始値で8.58%下げた。7〜9月期の売上高見通しが9〜11%増と、4〜6月期の16%増から伸びが鈍る内容だったためである。サービス部門の売上高も市場予想に届かなかった。
同じ会見で、ケヴァン・パレックCFOは7〜9月期に供給不足の影響が「大幅に増える」と述べた。MacRumorsによると、アップルは4〜6月期のメモリーの調達費が1〜3月期を上回り、7〜9月期はさらに上がるとの見方を示した。一部のMacとiPadは値上げした。
製品面では、iPhone 18 ProとPro Maxの開始価格が前モデルから引き上げられた。ペッパーストーンは、アップルが一部の部品メーカーにiPhone 18 Proシリーズの部品発注の削減を求めたとの報道、中国でiPhone 18 Proの納期が短くなり一部の通販サイトで値引きが出ていることを挙げている。
発表で見る数字
| 項目 | 基準 | 比較の対象 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,134億ドル(市場予想) | 会社見通しの上限1,138億ドル |
| 売上総利益率 | 47〜48%(会社見通し) | 関税還付を除いた実力値 |
| iPhoneの売上高 | 前年同期比10%台半ばの増加(会社見通し) | iPhone 18 Proの需要 |
| サービスの売上高 | 前四半期は市場予想を下回った | 2四半期連続の未達かどうか |
| 10〜12月期の見通し | 電話会見で公表 | メモリー費と供給不足の影響 |
同じ週のメガテック決算は、アルファベットとマイクロソフトが28日に発表済みで、アマゾンは29日の取引終了後に発表する。アマゾンの想定変動と過去の値動きは アマゾン決算、想定変動7.4%|過去12回で5回超え、アルファベットの決算後の値動きは 注目株:アルファベット10%安、マイクロソフト2.8%高 にまとめた。4社を並べた事前の比較は メガテック4社の決算プレビュー にある。
今後の日程
- 10月29日(米東部時間)取引終了後:アマゾンの7〜9月期決算
- 11月1日(日):米国の夏時間が終了。以降、米東部時間と日本時間の差は14時間
- 11月2日(米東部時間)取引終了後:アップルの7〜9月期決算。電話会見は17時(日本時間3日7時)
- 11月3日:米中間選挙の投票日。日本は文化の日で東京市場は休場
- 11月4日:東京市場がアップル決算に反応する最初の営業日
主な参照
- 決算発表日と電話会見の時刻/MacDailyNews(アップルの告知を引用)、MacTrast
- オプションの想定変動3.6%と過去8回の比較/インベスティング・ドットコム(ブルームバーグのデータ)、10月26日
- 市場予想の売上高、売上総利益率、iPhone 18の動向、想定変動3.47%/ペッパーストーン、10月27日
- 会社見通し、メモリー費、ターナスCEOの就任、市場予想の1株利益/ifyouspent(MacRumors、マーケットビートを引用)、10月25日
- 4〜6月期の実績と翌日の値動き、供給不足についてのCFO発言/9to5Mac、インベスティング・ドットコム
- 株価の日足/Yahoo Finance
データ基準日:2026年10月29日(日本時間)。株価はYahoo Financeの日足の終値と始値で、10月28日(米東部時間)の終値が最新。オプションの想定変動は10月26〜27日時点の値で、発表までに変わる。市場予想は集計会社と時点で異なる。過去の値動きの集計と確率の目安は本誌の計算と見積もりで、ブルームバーグの集計とは値動きの測り方が異なる。決算発表日は2023〜2025年分を本誌が過去の発表から特定し、2026年分はブルームバーグの集計と照合した。iPhone 18 Proの部品発注の削減は報道にもとづくもので、アップルの発表ではない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。














