10月27日、東京市場の番付を発表する。東の横綱はアドバンテスト、1銘柄で日経平均を601円93銭押し上げた。この日の上げ幅1,078円72銭の56%にあたる。西の横綱はソフトバンクグループで170円71銭。そして西の序二段に落ちたのは第一三共、8.16%安で日経平均を23円31銭押し下げた。下げ幅の寄与ではリクルートホールディングスが33円37銭で最大だったが、値幅の大きさではこの日の負け頭は第一三共である。
日経平均は4営業日ぶりに反発し、終値は6万3,268円37銭。TOPIXは24.39ポイント高の3,997.37で、上昇率は0.61%と日経平均の1.73%の3分の1ほどにとどまった。日経平均を構成する225銘柄では、値上がり124に対して値下がり100、変わらず1(株探、15時45分時点の集計)。勝ち越しではあるが、圧勝ではない。上位4銘柄だけで1,009円15銭、上げ幅の94%を稼いだ一番だった。
日経平均への寄与度(10月27日大引け、円)
読み方:上位4銘柄の寄与は合計1,009円15銭で、日経平均の上げ幅1,078円72銭の94%にあたる。下げ側の寄与は最大でも33円37銭にとどまった。出所:株探(15時45分時点)。
番付表——寄与度で見た勝敗
| 番付 | 銘柄 | 終値 | 前日比 | 日経平均への寄与 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東の横綱 | アドバンテスト(6857) | 33,860円 | +8.98% | +601.93円 | ◎ |
| 西の横綱 | ソフトバンクグループ(9984) | 4,474円 | +4.95% | +170.71円 | ○ |
| 東の大関 | 東京エレクトロン(8035) | 9,390円 | +3.07% | +141.58円 | ○ |
| 西の大関 | イビデン(4062) | 8,952円 | +8.54% | +94.93円 | ◎ |
| 東の関脇 | TDK(6762) | 2,657.5円 | +2.78% | +36.41円 | △ |
| — | (以下、負け側) | ||||
| 西の幕下 | リクルートHD(6098) | 18,725円 | −1.73% | −33.37円 | × |
| 西の序二段 | 第一三共(4568) | 2,594.5円 | −8.16% | −23.31円 | × |
| 東の三段目 | 中外製薬(4519) | 6,688円 | −3.03% | −21.14円 | × |
| 西の三段目 | ファーストリテイリング(9983) | 73,760円 | −0.30% | −17.80円 | △ |
| 東の幕下 | ソニーグループ(6758) | 4,070円 | −1.57% | −10.96円 | × |
東の横綱・アドバンテスト——◎(ただし明日が本番)
8.98%高の3万3,860円。4営業日ぶりの急反発である。材料は海の向こうから来た。米AI開発のアンソロピックが26日、米証券取引委員会に新規株式公開(IPO)の書類を公表し、AI向け設備投資が続くとの期待から、前日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.82%上げた。東京ではその流れが値がさの半導体株に集中した。
取組の中身も見ておく。株探によると、同社株は前週後半から週明けまでの3営業日で3,300円以上下げており、リバウンド狙いの買いが入りやすい土俵だった(株探)。そして28日には4〜9月期の決算発表を控える。つまりこの日の上げには、決算の先回りが含まれている。判定は◎だが、星が確定するのは明日だ。同社の決算と株価の過去の関係は前日の記事で検証した。
西の大関・イビデン——◎
8.54%高の8,952円。上昇率でも寄与度でも上位に入った。AIサーバー向けのICパッケージ基板を手がける同社は、10月上旬に1万2,000円台にあった株価が23日に8,000円を割り込む場面があった(株探)。そこからの切り返しで、アンソロピックの書類公表に加え、26日に米インテル株がアナリストの目標株価引き上げを受けて一時6%近く上げたことも追い風になったと株探は伝えている。下げ幅が大きかった分、戻りも鋭い。判定は◎。
西の序二段・第一三共——×
8.16%安の2,594円50銭。医薬品株の下げを主導した。理由は欧州臨床腫瘍学会(ESMO)である。フィスコによれば、アストラゼネカが先週末に開いたESMOの説明会で、共同開発の抗がん剤エンハーツが早期のHER2低発現乳がんに対する術前補助療法で、期待されたほどの有効性を示せなかったとされた。もう一つの開発品アバンザールも、臨床データが判明する時期が2027年1〜3月にずれ込む見込みとなった(財経新聞(フィスコ))。
競合の動きも重なった。米ブリストル・マイヤーズ・スクイブと米システィミューンは26日、抗がん剤「イザロンタマブ ブレンギテカン」の臨床試験で良好な結果が得られたと発表した。株探は、これが第一三共の「ダトロウェイ」の競合になるとの見方から売りが出たと伝えている(株探)。一日で8%という下げは、医薬品の大型株としては珍しい大きさだ。判定は×。
技能賞・ファーストリテイリング——△
終値は0.30%安の7万3,760円。目立たないが、この日の展開を最もよく映した一番だった。前引けの時点では値下がり寄与の首位で、1銘柄で日経平均を約51円押し下げていた(財経新聞(フィスコ))。それが大引けでは17円80銭まで縮んでいる。後場に下げ幅をほぼ3分の1まで戻した計算だ。半導体株を買った資金の裏で、内需の値がさ株は売られた。その売りが後場に一服した。判定は△、痛み分けである。
取組の流れ——前場で決まり、後場は少し返した
時間帯別に見ると、この日の性格がはっきりする。日経平均は379円43銭高の6万2,569円08銭で寄り付き、上げ幅は一時1,400円を超えた。前引けは1,191円64銭高の6万3,381円29銭。後場はそこから112円92銭を返して引けている。前引けで値上がり112、値下がり111だった構成銘柄の騰落は、大引けでは124対100に広がった。後場は指数こそ上げ幅を縮めたが、裾野はむしろ広がったことになる。
前場の展開は前引けの番付にまとめた。前場の時点でアドバンテストの寄与は約649円だったが、大引けでは601円93銭。横綱自身も後場は少し星を落としている。
来場所の注目取組——28日から30日
今週の残りは大一番が続く。日付順に並べておく。
| 日付(日本時間) | 取組 | 見どころ |
|---|---|---|
| 28日(水)引け後 | アドバンテストの4〜9月期決算 | 27日の9%高で先回りした分を、数字が正当化できるか |
| 29日(木)未明 | 米FOMCの結果 | 米長期金利が動けば、値がさの半導体株に直結する |
| 30日(金) | 日銀会合の結果と展望レポート | 据え置きが大勢。物価見通しと総裁会見の言葉 |
| 30日(金) | キオクシアHD、東京エレクトロンなどの決算 | 30日は決算発表が集中する(株探の集計) |
番付編成会議の見立てを一言で言えば、この日の勝ち越しは「横綱の先回り」で作られた。28日のアドバンテストの決算が期待を下回れば、指数は今日の上げ幅の半分以上をそのまま失いうる構造にある。日銀会合の読み方はこちらの記事で整理した。
主な参照
- 日経平均の寄与度ランキング(10月27日15時45分時点)/株探
- 話題株ピックアップ【夕刊】(1)(アドバンテスト、イビデン)/株探
- 第一三共が急落、米ブリストル・マイヤーズとシスティミューンによる治験結果を嫌気/株探
- 第一三共 大幅反落、アストラゼネカのESMOイベントを受けて/財経新聞(フィスコ)
- 日経平均は大幅に4日ぶり反発(前引けの寄与度と騰落数)/財経新聞(フィスコ)
- 日経平均・TOPIXの終値と各銘柄の前日終値/Googleファイナンス
- 金融政策決定会合の開催日程/日本銀行
データ基準日:2026年10月27日(東京市場の大引け)。日経平均とTOPIX、各銘柄の価格は終値である。寄与度は株探が15時45分時点で表示した値で、日本経済新聞社の公式な寄与度とはわずかに異なる場合がある。SOX指数の上昇率は26日の米国市場の終値。第一三共の下落理由は報道に基づくもので、会社は株価の理由について発表していない。判定は本誌の判断である。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。












