10月19日、米国株の寄り付き1時間の番付を発表する。東の横綱は鉄鋼のクリーブランド・クリフス、好決算で12.38%高。西の横綱はクラウド監視のデータドッグで6.64%高だった。西の序二段に落ちたのは、決算を2日後に控えたメタで1.72%安である。数字はすべてニューヨーク時間10時30分(日本時間23時30分)の取引時間中の値で、終値ではない。
指数の取組は、16日(金)と正反対になった。16日の同じ時間はダウ工業株30種平均が上げ、ナスダック総合指数が下げていた。19日はナスダックが1.40%高の2万6,505、S&P500が0.67%高の7,710、ダウは0.02%高の5万2,013ドルとほぼ横ばいである。ただし勝ち越しの中身は薄い。S&P500の11業種のうち、上げたのは情報技術と一般消費財の2業種だけだった。
番付表:寄り付き1時間の勝ち組と負け組
| 番付 | 銘柄 | 10時30分の株価 | 前週末比 | 主な材料 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東の横綱 | クリーブランド・クリフス(CLF) | 13.62ドル | +12.38% | 7〜9月期は3年ぶりの好業績 | ◎ |
| 西の横綱 | データドッグ(DDOG) | 263.52ドル | +6.64% | バーンスタインの格上げと報じられる | ○ |
| 東の大関 | インテル(INTC) | 94.28ドル | +4.93% | JPモルガンが格上げ | ○ |
| 西の大関 | マイクロン(MU) | 915.91ドル | +4.22% | 半導体株の買い戻し | ○ |
| 関脇 | アマゾン(AMZN) | 259.91ドル | +3.96% | 個別の材料は確認できず | △ |
| 小結 | テスラ(TSLA) | 366.10ドル | +3.21% | 21日の決算を前に反発 | △ |
| — | (以下、負け側) | ||||
| 東の序二段 | ネットフリックス(NFLX) | 69.55ドル | −1.39% | 20日の決算を前に売り | × |
| 西の序二段 | メタ(META) | 697.14ドル | −1.72% | ハイテク高の中で逆行 | × |
番付の上位6銘柄のうち、上昇の理由を一次資料でたどれるのは横綱のクリフスだけだった。ほかは格上げ、業種全体の買い戻し、決算前の思惑である。指数を押し上げたのは、先週売られた銘柄の買い戻しだったと言ってよい。
東の横綱・クリーブランド・クリフス——◎
この日、取組の中身で勝ったのはこの1銘柄である。19日朝に発表した7〜9月期は、売上高56億ドル、純利益1億6,500万ドル(1株0.26ドル)、調整後の1株利益0.28ドルだった。4〜6月期は調整後で1株0.20ドルの赤字だったから、一気に黒字へ戻した形だ。調整後のEBITDA(利払い・税金・償却前の利益)は6億1,200万ドルで、会社が3カ月前に示した5億7,500万ドルを上回った。
ローレンソ・ゴンサルベスCEOは「3年で最も強い四半期だった」と述べ、「輸入は歴史的な水準を大きく下回り、納期は長くなっている」と語った。輸入が細った米国内の鋼材市況が、そのまま利益になった。会社は10〜12月期の調整後EBITDAを約7億1,500万ドル、2027年は40億ドル超と見込む。鋼材1トン当たりの平均販売価格は1,177ドルで、前の四半期の1,124ドルから上がった。株価は寄り付きで14.20ドルを付けたあと、10時30分には13.62ドルまで上げ幅を縮めている。判定は◎。ただし高値からの押し戻しには注意がいる。
西の横綱・データドッグと、大関の半導体2銘柄——○
データドッグは6.64%高の263.52ドル。米調査会社バーンスタインが投資判断を「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価を350ドルとしたと複数の投資情報サイトが報じている。AIの利用が広がるほど、システムを監視するソフトの需要が増えるという見立てだ。本誌はリポートの原文を確認できていないため、判定は○にとどめる。
大関の2銘柄は、先週の大負けからの反発である。インテルは4.93%高。JPモルガンが投資判断を「ニュートラル」に引き上げたが、目標株価の85ドルは株価より低い。この格上げの中身はインテル株とJPモルガンの格上げの記事で詳しく扱った。マイクロンは4.22%高の915.91ドルだった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.65%高の1万1,432で、10月7日から16日まで続いた8営業日の連敗を止めにいっている。前週の下落率は11.4%だったから、取り戻したのはまだ4分の1に届かない。
S&P500の業種別ETFの騰落率(10月19日10時30分、米東部時間)
読み方:11業種のうち上げたのは情報技術と一般消費財の2業種だけで、公益と不動産が最も弱い。取引時間中の値で、前週末16日の終値との比較。出所:stockanalysis.com(SPDRセレクト・セクターETF)。
負け越し:決算前のメタと、守りの業種
西の序二段はメタである。ハイテク株が買われる中で1.72%安の697.14ドル。21日(米国時間)の取引終了後に決算を控え、設備投資の見通しが最大の焦点になっている。東の序二段のネットフリックスも1.39%安で、20日の取引終了後に決算を発表する。オプション市場が織り込む決算後の値幅は、本サイトの米決算の織り込み値幅番付によると、ネットフリックスが9.5%、メタが7.3%である。決算前に持ち高を落とす動きと読める。
業種別では、守りの業種が負け越した。公益が1.45%安で最下位、不動産が1.02%安でそれに続く。10月に強かったエネルギーと生活必需品も、それぞれ0.29%安、0.45%安と下げた。Yahoo Financeは、10月に値上がり率の上位にいたS&P500の銘柄のうち、寄り付き前に値が付いたものの約9割が下げていたと伝えている。先週の勝者が売られ、先週の敗者が買われる。典型的な巻き戻しの朝だった。
殊勲賞・敢闘賞
殊勲賞はVIX(恐怖指数)である。10.39%低下の17.91と、前週末の19.99から大きく下がった。株価の上げ幅に比べて、不安の後退ははっきりしている。ただし16日の寄り付き1時間後は16.09だったから、先週前半の落ち着きにはまだ戻っていない。
敢闘賞は原油安である。北海ブレントの期近物は1.64%安の108.06ドル、WTIは1.58%安の97.46ドルだった。対ロシア制裁の一部緩和の報道を受けた下げで、この背景はブレント原油の記事にまとめた。原油が下がればインフレ懸念が和らぎ、金利とハイテク株に追い風になる。ただ、この日は米10年債利回りが5.11%と高止まりしたままで、金利の低下にはつながっていない。
| 指標 | 10時30分の値 | 前週末比 |
|---|---|---|
| 米10年債利回り | 5.11% | ほぼ横ばい |
| ドル円 | 158円44銭 | 約46銭の円安 |
| ユーロドル | 1.1217ドル | −0.24% |
| 金(先物) | 4,168.80ドル | −0.29% |
| ビットコイン | 8万2,002ドル | +1.25% |
| ラッセル2000 | 2,729 | +0.29% |
来場所の注目取組
今週は決算の取組が続く。ネットフリックスは20日(米国時間)の取引終了後で、日本時間では21日の早朝にあたる。テスラとメタは21日の取引終了後、日本時間22日の早朝に発表する。半導体株が8連敗のあとの買い戻しを続けられるかは、この2日間で決まりやすい。
その先には、さらに大きな取組がある。米連邦準備理事会(FRB)は27〜28日に会合を開き、声明は日本時間29日午前3時に出る。市場が織り込む10月の利上げ確率は15%前後だが、バンク・オブ・アメリカは利上げ予想を維持している。その読み方はFRBの10月利上げ確率の記事で解説した。インテルの決算は29日、日銀の決定会合は29〜30日である。ドル円の水準ごとの見方はドル円見通しを参照してほしい。
30秒まとめ:寄り付き1時間でナスダックは1.40%高、ダウは横ばい。上げたのは11業種中2業種だけで、先週売られた半導体とハイテクの買い戻しが中心だった。番付の横綱は好決算のクリーブランド・クリフス。決算を控えたメタとネットフリックスは負け越した。
主な参照
- 個別銘柄とセクター別ETFの株価/stockanalysis.com
- 株価指数、VIX、金利、為替、原油、金、ビットコイン/Yahoo Finance、指数の照合/Google Finance
- 寄り付きの概況、半導体株の反発、10月の上位銘柄の下落/Yahoo Finance(ライブ記事)
- クリーブランド・クリフスの7〜9月期決算(2026年10月19日)/米証券取引委員会(8-K添付資料)
- JPモルガンのインテル格上げ/Investing.com(Yahoo Finance掲載)
データ基準日:2026年10月19日10時30分(米東部時間)、日本時間23時30分。株価、指数、セクター別ETF、金利、為替、原油、金、ビットコインはすべて取引時間中の値で、終値ではない。前週末比は10月16日の終値(為替とビットコインは情報ベンダーの前日の値)との比較。業種の騰落はS&P500の業種別ETF(SPDRセレクト・セクター)で代用した。SOXの8営業日続落と前週の下落率はYahoo Financeの日足終値から本誌が計算した。データドッグの格上げは報じられている段階で、本誌はリポートの原文を確認していない。アマゾンの上昇について、本稿の執筆時点で理由を特定できる一次情報は確認できていない。番付と判定は本誌の整理であり、将来の株価を保証しない。アイキャッチ写真はニューヨーク証券取引所(撮影:TomasEE、ウィキメディア・コモンズ、CC BY)。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。
















