ブレント原油先物は10月19日のアジア時間に1.7%安の1バレル107.95ドルとなった。ロイターが日本時間19日11時半ごろに伝えた。米国産原油(WTI)先物も0.8%安の100.62ドルだった。トランプ米大統領がロシアへの制裁の一部を免除する判断をしたと伝わったことが、売りのきっかけになった。
前週末16日、ブレント12月限は3.94ドル高の109.86ドルで清算した。5月19日以来の高値で、取引時間中には5月以来となる110ドルに達した。WTI11月限は3.44ドル高の101.41ドルで、9月17日以来の高値だった。週間ではブレントが4.9%高、WTIが10.4%高。
サウジアラビアでは10月8日以降、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による首都リヤドの空港などへの攻撃が続いた。リヤドのキング・ハリド国際空港は18日に再開したが、多くの航空会社が運航停止を続けている。
| 銘柄 | 10月16日 清算値 | 前日比 | 週間騰落率 | 10月19日 アジア時間(取引中) |
|---|---|---|---|---|
| ブレント(12月限) | 109.86ドル | +3.94ドル(+3.7%) | +4.9% | 107.95ドル(−1.7%) |
| WTI(11月限) | 101.41ドル | +3.44ドル(+3.5%) | +10.4% | 100.62ドル(−0.8%) |
原油先物の騰落率
19日の値は日本時間19日11時半ごろの取引中の値で、清算値ではない。出所:ロイター。
16日の上昇要因
ロイターは16日の上昇要因として以下を挙げた。サウジ主導の連合軍は、紅海沿岸の港湾都市ヤンブーに向けて発射された弾道ミサイルを迎撃、破壊したと発表した。ヤンブーは、サウジがホルムズ海峡を経由せずに原油を輸出するための拠点である。ラピダン・エナジー・グループは、初期報告では被害はないとした。
ホルムズ海峡周辺では過去10日間に攻撃が増えた。イランは、米国による自国港湾の封鎖と新たな制裁への対抗として攻撃を強めていると表明している。ウクライナはロシアの製油所を攻撃し、ロシアのリャザン製油所は原油蒸留装置1基の稼働を止めた。一方、国際エネルギー機関(IEA)は2,000万バレル超の燃料の追加放出で合意した。米国は戦略石油備蓄(SPR)から最大1,700万バレルの原油を交換方式で放出する提案募集を出した。
サウジへの攻撃の経過
| 日付 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|
| 10月8日 | リヤド、キング・ハリド国際空港 | フーシ派が弾道ミサイル攻撃を表明。サウジ民間航空庁によると、サウディア航空の機長を含むサウジ国民3人が死亡 |
| 10月10日 | 同空港の旅客ターミナル | サウジ民間航空庁によると12人が死亡、309人が負傷 |
| 10月14日 | 東部ダーラン、サウジアラムコ本社 | 本社が攻撃を受けたとブルームバーグが報道 |
| 10月16日 | ヤンブー港 | 連合軍が弾道ミサイルを迎撃。初期報告で被害なし |
| 10月18日 | キング・ハリド国際空港 | 運用を再開。エティハド航空は19日まで、オマーン航空は22日まで、ルフトハンザは11月18日までリヤド便を停止 |
週末の動き
ロイターによると、トランプ大統領はロシアへの制裁の一部免除を決めたと伝えられた後、最終判断はしていないと述べた。ルビオ国務長官は17日、大統領が経済への影響を見極めるのに最大60日をかけると説明した。19日の原油安は、この報道を受けたものだった。
イラン革命防衛隊は、ホルムズ海峡で16日、17日、18日にタンカーが機雷に触れたと主張した。17日の船は200万バレル超を積んだ大型タンカーで、追跡装置を切り「許可のない航路」を通ったと革命防衛隊は説明している。第三者による確認はない。イランのアラグチ外相は18日、米国がイラン側の停戦条件を受け入れれば、海峡は「数日以内」に再開しうると述べた。
中国国家統計局は19日、7〜9月期の国内総生産(GDP)が前年同期比4.5%増だったと発表した。市場予想は4.4%増、4〜6月期は4.3%増だった。9月の小売売上高は前年同月比1.1%増、鉱工業生産は5.5%増。
日本市場の反応
19日の東京市場では、前場に原油関連株が上昇した。株探によると、INPEXは11時30分時点で3.2%高の3,787円。東証33業種のうち鉱業が2.92%高、石油・石炭製品が1.56%高で、業種別の上昇率でそれぞれ1位と3位だった。ENEOSホールディングスは1.84%高。東京市場全体の動きは前場の番付にまとめた。
前週の原油高の背景は17日の記事、IEAの備蓄放出の経緯は16日の記事、国内のガソリン価格への波及はこちらで扱った。
今後の日程
- 10月20日(火):WTI11月限の最終取引日。米石油協会(API)の週間在庫統計(米東部時間16時30分)
- 10月21日(水):米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計(米東部時間10時30分)
- 10月26〜29日:未来投資イニシアチブ(FII)、リヤド
- 10月27〜28日:米連邦公開市場委員会(FOMC)
- 11月1日:OPECプラスの会合
主な参照
- 16日の清算値と上昇要因/ロイター(Yahoo Finance掲載)
- 19日のアジア時間の原油相場、対ロ制裁とルビオ国務長官の発言/ロイター(Investing.com掲載)
- 10月8日の空港攻撃/アルジャジーラ
- 10月10日の空港攻撃/カリージ・タイムズ
- アラムコ本社への攻撃/ブルームバーグ
- 空港の再開と航空各社の運航停止/ザ・ナショナル
- 革命防衛隊の機雷の主張/FXStreet
- アラグチ外相の発言/CBSニュース
- FIIの日程/サウジ・ガゼット
- 中国のGDP/FXStreet
- 原油関連株の値動き/株探
- OPECプラスの次回会合/エネルデータ
データ基準日:2026年10月19日11時半ごろ(日本時間)。16日の値は清算値、19日の値はアジア時間の取引中の値であり、混在させて比較していない。ブレントの清算値は12月限、WTIは11月限で、限月が異なるため両者の差は価格差の指標として使っていない。トランプ大統領の対ロ制裁をめぐる判断とルビオ国務長官の発言はロイターの報道による。イラン革命防衛隊の機雷の主張は第三者による確認がない。アラムコ本社への攻撃は報道によるもので、被害の程度は確認できていない。日本株の値は19日前場(11時30分時点)の値で、終値ではない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や商品の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。
















