米UBSは11月2日、電気自動車のリビアン・オートモーティブ(RIVN)の投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。目標株価は17ドルで、10月30日の終値12.16ドルを約40%上回る。同じ日、ドイツ銀行はサイバーセキュリティのクラウドストライク(CRWD)を「保有」から「買い」に上げ、目標株価を240ドルから300ドルに引き上げた。取引開始前の気配(米東部時間8時29分)は、リビアンが前営業日比3.54%高の12.59ドル、クラウドストライクが2.68%高の257.14ドルだった。
2銘柄の位置は対照的だ。リビアンは6カ月の終値ベースの高値から約4割下げた売られた側、クラウドストライクは3カ月で約3割上げた買われた側にある。
主要数値
| 項目 | リビアン(RIVN) | クラウドストライク(CRWD) |
|---|---|---|
| 判断の変更 | UBS:中立→買い | ドイツ銀行:保有→買い |
| 目標株価 | 17ドル | 300ドル(従来240ドル) |
| 10月30日の終値 | 12.16ドル | 250.43ドル |
| 目標株価までの上昇余地 | +39.8% | +19.8% |
| 11月2日 取引開始前の気配 | 12.59ドル(+3.54%) | 257.14ドル(+2.68%) |
| 3カ月の騰落率(7月31日→10月30日、終値) | −20.1% | +31.2% |
| 6カ月の終値ベースの高値 | 20.14ドル(7月6日) | 278.86ドル(10月6日) |
| 高値からの下落率 | −39.6% | −10.2% |
| 50日移動平均 | 14.53ドル | 240.25ドル |
| RSI(14日) | 37.4 | 49.9 |
リビアンの株価は50日移動平均を16%下回る。10月26日の終値11.43ドルは、過去6カ月の終値で最も安い水準だった。RSIは37.4で、売られすぎの目安とされる30には届いていない。クラウドストライクは50日移動平均を4%上回り、RSIは49.9と中立圏にある。
2銘柄の位置(10月30日終値ベース、%)
出所:ヤフー・ファイナンスの日足終値から本誌計算。3カ月は7月31日→10月30日、6カ月高値は終値ベース(RIVN 7月6日20.14ドル、CRWD 10月6日278.86ドル)。
背景:リビアン
UBSのジョセフ・スパック氏は、直近の下げを中型SUV「R2」の量産の立ち上がりと粗利益率の改善を前にした買い場と位置づけた。同氏は年末までに自動車事業の粗利益率がプラスに転じるとみている。利益率の高いソフトウェア・サービス事業も成長資金を支えるとした。CNBCによれば、リビアン株は過去3カ月で約20%下げている。
判断の引き上げはこれで2社目となる。前の週には米ジェフリーズが「保有」から「買い」に上げた。金融情報会社LSEGの集計では、同社を担当するアナリスト28人のうち16人が「買い」または「強い買い」、7人が「保有」の判断を付けている。一方、ロイター通信によると、世界の電気自動車の需要は9月に前年同月比2%減り、北米と中国で落ち込んだ。
背景:クラウドストライク
ドイツ銀行のブラッド・ゼルニック氏は、AIがサイバーセキュリティの市場をどこまで広げるかを、市場がまだ十分に織り込んでいないと指摘した。同社が示す2034年の対象市場5,650億ドルという見積もりについても、控えめな可能性が高いとした。
株価は4月30日の終値111.44ドルから10月6日の278.86ドルまで、半年足らずで2.5倍になった。その後は10月30日にかけて10.2%下げ、50日移動平均の上で推移している。同業のパロアルトネットワークス(PANW)も、2日の取引開始前の気配で前営業日比1.18%高の370.19ドルだった。
発言
- UBSのスパック氏:「直近の売りは、R2の量産と粗利益率の転換点を前にした買いの好機とみる」「R2の初期の需要は堅調にみえる。今後、仕様の選択肢が増えるときに良い兆しだ」
- ドイツ銀行のゼルニック氏:「AIがサイバーセキュリティの市場をどこまで広げるかを、市場はまだ十分に評価していない」
発言はCNBCが報じた英文を本誌が翻訳した。
市場の反応
| 銘柄・指標 | 取引開始前の気配 | 前営業日比 |
|---|---|---|
| リビアン(RIVN) | 12.59ドル | +3.54% |
| クラウドストライク(CRWD) | 257.14ドル | +2.68% |
| パロアルトネットワークス(PANW) | 370.19ドル | +1.18% |
| S&P500先物(12月物) | 7,651.5 | +0.49% |
| ナスダック100先物(12月物) | 28,762.0 | +0.80% |
前営業日の10月30日、S&P500は1.82%安、ナスダック総合指数は2.86%安で引けた。インテルが28.58%安となり、フィラデルフィア半導体株指数は7.20%下げた。2日は原油安を受けて株価指数先物が上昇している。前週末の経緯は10月30日の寄り付き1時間の記事とAI株急落の記事にある。
今後の日程
- 11月3日(米国時間):米中間選挙の投票
- 11月3日 日本時間0時:米10月ISM製造業景気指数
- 11月4日:東京市場が文化の日の休場明け
- 11月6日 日本時間22時30分:米10月雇用統計
主な参照
- UBSによるリビアンの判断引き上げ、目標株価17ドル、スパック氏の発言、LSEGの集計、9月の電気自動車需要/CNBC
- 取引開始前の主な値動き(クラウドストライク、リビアンほか)/CNBC
- ドイツ銀行によるクラウドストライクの判断引き上げ、目標株価300ドル/ティップランクス(ザ・フライ)
- 株価の終値、取引開始前の気配、株価指数先物/ヤフー・ファイナンス
データ基準日:2026年11月2日。10月30日以前の株価は終値。11月2日の個別株は米東部時間8時29分、先物は同9時の取引時間中の気配値であり、終値ではない。上昇余地、騰落率、移動平均、RSIは本誌がヤフー・ファイナンスの日足終値から計算した。アナリストの判断と目標株価は各社の見解であり、将来の株価を保証しない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。












