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史上最大の週間4,416円安の後で——決算・関税・CPIが密集する4営業日の観戦ガイド【7/21-24】

Takashi Suzuki Takashi Suzuki
2026年7月21日
マーケット
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週間観戦ガイド ・ 2026年7月21日〜24日
史上最大の週間4,416円安の後で——決算・関税・CPIが密集する4営業日をどう見るか
日経平均(7/17終値)
64,141円 週間−4,416円は過去最大
米SOX指数
週間−9%超 弱気相場入り
ドル円
162円台半ば 約40年ぶり安値圏
今週の営業日
4日だけ イベントは平常週の2倍

3連休をまたいで、東京市場は「史上最大の週間下げ幅」の直後という異常な位置から再開した。先週の日経平均は週間4,416円安(−6.4%)、17日金曜だけで−2,694円(−4.03%・下げ幅歴代5位)。キオクシアは2日連続の急落で6月高値の半値以下となり、米フィラデルフィア半導体指数(SOX)は週間9%超下げて弱気相場入りした。休場中の米市場(20日)は小動きに落ち着き(S&P500 −0.19%)、半導体には押し目買いが入った——ブロードコム+2%、マイクロン+1.9%、インテル+2.1%。これを受けて21日朝の東京は日経平均が一時800円高の64,900円台と自律反発で始まり、売り込まれたキオクシアにも買いが先行している(基準日2026年7月21日午前)。

問題はここからだ。この反発が「需給の整理が終わった合図」なのか「戻り売りの起点」なのかは、今週残り4営業日に密集するイベントが決める。水曜のテスラ・アルファベット、木曜のインテル・ディスコ、金曜の全国CPIと米関税失効——本稿は各日を「反発を支える条件」と「続落に傾ける条件」に振り分けた観戦ガイドである。

4営業日のイベント・カレンダー

米決算の結果が判明するのは日本時間の木・金早朝。東京の半導体株は「一晩遅れ」で審判を受け取る。

7/21 火 骨太方針を閣議決定 自律反発の初日・USTR関税判断待ち 7/22 水 テスラ・アルファベット決算 ティアフォー上場・TXN・IBM・貿易統計 7/23 木 インテル決算・ECB理事会 ディスコ決算=装置需要の実地検証 7/24 金 全国CPI(コア+1.6%予想) 米122条関税が失効・日米欧PMI速報

出所:各社IR・JPX・総務省統計局の公表日程(2026年7月21日時点)。

まず、先週なにが壊れたのか

壊れたのは業績ではなく「業績の先の期待」だ。TSMCが満点の決算を出しても売られたことが象徴する通り、AI・半導体は「良い数字」がすでに株価に入り切った状態で7月を迎えていた。そこに①TSMCのcapex増額が装置コスト・将来の供給増と読み替えられ②中国CXMTの記録的IPO(7/27上場)が「国家資本の増産」リスクを持ち込み③中国発の低コストAIモデルや米イラン戦闘の再燃が重なった。3月安値から6月高値まで約4割上げた「第二次AI相場」の踊り場に、信用買いの投げ(追証)が加速装置として乗った——それが週間4,416円安の解剖図である。重要なのは、この間DRAM・NANDの現物市況は崩れていないこと(TrendForceは7-9月期の契約価格をなお上昇と予測)。売られたのは18カ月先の期待であって、今日の需要ではない。

日別ガイド:その日に見るもの、反発条件と続落条件

日イベント反発を支える条件続落に傾ける条件
7/21(火)骨太方針2026を閣議決定(日銀の自主性尊重を明記・PB黒字化目標は事実上棚上げ)。USTRの対日12.5%関税(301条)は判断期限を超過し発表待ち自律反発が後場まで持続し、長期金利が2.7%台前半で落ち着く財政拡張を嫌気した金利上昇の再燃。USTR発表で自動車除外が不明確な場合
7/22(水)米決算ピーク:テスラ・アルファベット・TI・IBM(結果は木曜早朝)。ティアフォー(593A)東証グロース上場・6月貿易統計アルファベットのcapexガイダンスが「増額なし+クラウド好調」の組み合わせテスラの納車・粗利率悪化(オプション市場は±7.6%の変動を織り込む)。ティアフォーの公開価格割れ
7/23(木)インテル決算(±15%の変動織り込み)・ECB理事会(2.25%据え置きが約88%)・ディスコ4-6月期決算ディスコの出荷・受注が堅調なら「装置需要は無傷」の実地証明になり半導体の反発を支えるディスコの慎重ガイダンス。ECBのタカ派サプライズ(追加利上げ示唆)
7/24(金)6月全国CPI 8:30(コア+1.6%予想・5月+1.4%から加速)・日米欧PMI速報・米122条関税が失効CPIが予想並みで「日銀は10月」の織り込み安定。301条未発動なら一時的な「関税の空白」は輸出株に追い風CPIの上振れで翌週の日銀会合前に利上げ前倒し観測が再燃
米決算の詳細な注目点:アルファベットはEPS予想2.89ドル・年率約1,900億ドルに達したAI投資の回収説明、テスラは納車約48万台のコンセンサス、インテルはEPS予想0.21ドル。ディスコは先週の暴落後に出る国内半導体設備投資の最初の実地データとなる。

構図を一言でいえば、今週は「AI相場の審判週」ではなく「証拠集めの週」だ。審判そのもの——FRBと日銀——は来週に控える。だからこそ今週の決算とCPIは、来週の判定に提出される証拠として読むのが正しい。金曜に失効する米国の一律10%関税と後継の対日12.5%(301条)は、日本の一般輸出品の実効税率を決める今週最大のワイルドカードである——月曜が期限だったUSTRの判断は、本稿執筆時点でまだ発表されていない。

来週への布石:本当の審判は7月末に並ぶ

  • 7/27(月):中国CXMTが上海上場。キオクシア半値の引き金になった「中国メモリー」の初値は、東京の半導体株の翌日の材料になる。
  • 7/28(火):PayPal決算(買収攻防の只中)、米ハイパースケーラー決算週の開幕。
  • 7/28-29:FOMC。据え置き+タカ派ガイダンスが本線。FRBは18日からブラックアウト入りしており、今週の発言は出ない。
  • 7/30-31:日銀会合(展望レポート)。据え置きコンセンサス。金曜のCPIはこの会合の直前最後の物価データ。
  • 7/31:米・医薬品232条関税(100%)が発効。日本勢は2025年合意の15%上限で概ね遮蔽だが、個別の適用条件に注意。

押し目買いを考える人のチェックリスト

  • 需給の整理を確認してから。追証発生を伴う下げの後は、反発初日に全力を出さない。13週線(約65,300円)の回復が最初の目安。
  • 「AI一律」をやめ、証拠の出る順に。木曜のディスコ→来週のハイパースケーラーcapexガイダンス→CXMT初値、と実需の証拠は順番に出る。証拠の前に買うのは投機、後に買うのは投資だ。
  • 金曜のCPIは「翌週とセット」で。上振れなら日銀会合(7/30-31)への思惑で銀行株・円、下振れならグロースの反発と、資金の行き先が真逆になる。
  • 関税ヘッドラインは初動を追わない。301条の発表があっても対日実効税率の本線は15%止まり——6月CPI後の乱高下と同様、見出しの往復に付き合わないこと。
主な参照(データ基準日:2026年7月21日午前)
  • 先週の相場:株探(週末市況)、Bloomberg、Yahoo Finance(米市場)
  • 21日朝の反発:日本経済新聞(寄り付き)
  • 今週の日程:財経新聞(週間展望)、JPX(休業日)、各社IR(Tesla・Alphabet・Intel・GM)
  • 決算プレビュー:CNBC(週間見通し)

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を勧誘・推奨するものではない。日程・予想値は2026年7月21日午前時点の公表情報・市場コンセンサスであり変更され得る。「反発条件/続落条件」は編集部の整理である。投資判断はご自身の責任で行われたい。

先週の日経平均はなぜ史上最大の週間下げ幅になったのか?

AI・半導体の「良い数字が織り込み切った」状態に、TSMCのcapex増額(供給増・コスト増の読み替え)、中国CXMTの記録的IPO、米イラン戦闘の再燃が重なったためだ。週間4,416円安のうち17日だけで2,694円安(歴代5位)。信用買いの投げが下げを加速したが、DRAM・NANDの現物市況自体は崩れていない。

今週の最重要イベントはどれか?

国内は7月23日(木)のディスコ決算と7月24日(金)の全国CPI、海外は22日(水)のテスラ・アルファベット決算だ。ディスコは暴落後に出る国内半導体設備投資の最初の実地データで、CPI(コア+1.6%予想)は翌週の日銀会合直前の最後の物価指標になる。

米国の関税はどうなるのか?

3段構えで動く。USTRの対日12.5%関税(301条)は7月20日が判断期限だったが本稿時点で発表待ち。7月24日(金)には現行の一律10%関税(122条)が法定上限で自動失効する。301条が間に合わなければ一時的な「関税の空白」が生じ、機械・電機など一般輸出品には追い風になる。自動車の15%(232条)はどのシナリオでも変わらない。

いまは押し目買いのタイミングか?

反発初日に全力を出す場面ではない。追証を伴う下げの後は需給整理に時間がかかるためだ。13週線(約65,300円)の回復を確認し、木曜のディスコ決算→来週のハイパースケーラー決算→CXMT初値と、実需の証拠が出る順に段階的に判断するのが定石だ。

来週は何が控えているか?

本当の審判が並ぶ。7月27日に中国CXMTの上海上場、28-29日にFOMC(据え置き+タカ派が本線)、30-31日に日銀会合(展望レポート)、31日に米医薬品232条関税の発効。今週の決算とCPIは、この来週の判定に提出される証拠として読みたい。

Tags: 半導体株日本株株価予想米国株
Takashi Suzuki

Takashi Suzuki

大手マーケットメイカーのFXトレーディングデスクで8年以上にわたりキャリアを積み、うち3年は為替フォワードデスク、その後2年は金利(レート)デスクを担当した。さらにシンガポールではアジア・トレーディングデスクのヘッドとして4年間チームを率い、地域全体のフローとリスク管理を統括してきた。 現在もFX・金利・株式など幅広い市場で実際にトレードを行っており、機関投資家の最前線で培った実取引経験は豊富。FX・株式・暗号資産において自己のポジションを保有している。 こうした実務とマーケットでの経験をもとに、金融市場・暗号資産・FX・経済指標について、信頼性・正確性・迅速性の高い情報を届けることを目的としている。記事の内容は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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