日経平均株価は9月11日、1,259円61銭安の6万4,011円34銭で引けた。1カ月ぶりの安値である。下げの42.2%は、アドバンテスト1銘柄が生んだ。以下、この1日を5点に絞って整理する。
- 1銘柄で531円:アドバンテストは6.49%安の3万1,720円。日経平均を530円99銭押し下げ、下げ幅の42.2%を占めた。
- 上位5銘柄で83.7%:押し下げ上位5銘柄の合計は1,054円33銭。5銘柄とも半導体・AI関連である。
- 押し上げ1位の24倍:最も押し上げた京セラの寄与は21円99銭。アドバンテストの押し下げはその24倍だった。
- 原因は前夜の米国:米フィラデルフィア半導体株指数が前日に2.66%下落。原油高と米長期金利の上昇が重なった。
- ソフトバンクGの反転:9月7日から9日まで唯一の押し上げ役だった同社が、押し下げ2位に回った。
要点1 アドバンテスト1銘柄で531円
結論:この日の日経平均の下げは、4割以上が1銘柄で説明できる。
9月11日、日経平均1,259.61円安の内訳(寄与度・円)
読み方:アドバンテスト1銘柄で下げの42.2%を占める。押し上げ1位の京セラは21.99円で、アドバンテストの押し下げの24分の1にすぎない。上位5銘柄はすべて半導体・AI関連である。
根拠:アドバンテストは前日比2,200円安の3万1,720円で引けた。下落率は6.49%。寄与度はマイナス530円99銭で、日経平均の下げ幅1,259円61銭の42.2%に当たる。株価の高い銘柄ほど指数への影響が大きいという、価格加重の仕組みがそのまま出た形である。
次:同社の寄与度を株価の変動幅で割ると、1円の値動きが指数を約0.24円動かす計算になる。9月7日の値上がり時とまったく同じ係数である。上げでも下げでも、この1銘柄の重さは変わらない。
要点2 上位5銘柄はすべて半導体・AI関連
結論:下げは、特定の業種に集中していた。
根拠:押し下げ2位はソフトバンクグループで217円22銭、3位は東京エレクトロンで135円76銭、4位はキオクシアホールディングスで95円27銭、5位はイビデンで75円09銭。上位5銘柄の合計は1,054円33銭で、下げ幅の83.7%に達する。キオクシアは6.99%安、イビデンは5.42%安と、下落率ではアドバンテストに並ぶ銘柄もあった。
次:日経平均の構成銘柄では値上がり95、値下がり128、変わらず2だった。下げた銘柄のほうが多いが、指数の下げ幅の大半は5銘柄で決まっている。
要点3 押し上げ1位の24倍
結論:上げた銘柄の力は、下げた1銘柄にまったく及ばなかった。
根拠:押し上げ1位は京セラで、2.36%高の3,551円、寄与は21円99銭だった。2位のコナミグループが12円74銭、3位のバンダイナムコホールディングスと豊田通商がともに12円37銭。アドバンテスト1銘柄の押し下げは、押し上げ1位の約24倍に当たる。
次:押し上げ上位には、ゲームや商社など半導体と関係の薄い銘柄が並んだ。資金は半導体から離れたが、値がさ株ではない銘柄に移っても指数はほとんど支えられない。
要点4 原因は前夜の米国市場
結論:アドバンテスト固有の悪材料は確認できない。前夜の米国市場の流れを引き継いだ。
根拠:米国時間9月10日、フィラデルフィア半導体株指数は2.66%下落した。マイクロン・テクノロジーは約5%安、SKハイニックスの米国預託証券は5.2%安。原油は1バレル108ドル台まで上昇し、米10年国債利回りは4.95%を超えて2023年10月以来の高水準を付けた。同日の米8月生産者物価指数は前月比0.4%上昇で、ダウ・ジョーンズ集計の予想と同じだった(上振れとする報道もある)。金利上昇の主因は、物価指数よりも原油高とみられる。
次:9月11日の米国市場では、同指数は取引開始後に1.50%上昇して始まった。前夜の下げが一時的だったかどうかは、週明け14日の東京市場で確かめることになる。
要点5 ソフトバンクGが押し下げ2位に
結論:3営業日続けて指数を支えた銘柄が、この日は逆に重荷となった。
根拠:ソフトバンクグループは9月7日から9日まで3営業日連続で押し上げ寄与1位だった。3日間の寄与は合計959円81銭。9月11日は3.96%安の6,540円で、寄与はマイナス217円22銭となった。3営業日の寄与を分解した記事で、本誌は「この釣り合いは片方が崩れた日に一気に外れる」と書いた。
次:9月7日の上昇時にも、上位4銘柄が上昇分の87.9%を占めていた。4銘柄で押し上げられる指数は、同じ4銘柄で押し下げられる。この日はその裏側が出た。
30秒まとめ。9月11日の日経平均1,259円61銭安のうち、42.2%はアドバンテスト1銘柄、83.7%は半導体・AI関連の5銘柄で説明できる。押し上げ1位の京セラは21円99銭で、アドバンテストの押し下げの24分の1にとどまった。原因は前夜の米半導体株安と原油高、長期金利の上昇であり、同社固有の悪材料は確認できない。
主な参照
- 日経平均の寄与度ランキングと騰落数(2026年9月11日大引け)/株式ちゃんねる
- 東京市場の概況と下落要因/日本経済新聞、財経新聞
- 米半導体株指数の下落、原油と長期金利の動き(2026年9月10日)/Seoul Economic Daily、Charles Schwab
- 個別銘柄の終値(2026年9月11日)/CNBC Markets
データ基準日:2026年9月11日の東京市場終値。寄与度と騰落数は出典の公表値、残り219銘柄の差し引きは本誌試算である。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。













