ビットコインは11月4日19時44分(日本時間)、7万8,423ドルで取引された。同日12〜13時台に付けた7万5,607ドルから3.7%高い水準だ。米中間選挙で民主党が上下両院の過半数を確保したと伝わる中、下げと戻しが半日で起きた。
相場は選挙結果を消化した。一方、暗号資産の市場構造法案「CLARITY法」は9月15日に上院の討論終結動議が49対50で否決されたままだ。現議会の任期は2027年1月3日に終わる。残る会期で成立しなければ、法案は民主党主導の新議会で出し直しになる。
主要数値
| 銘柄 | 価格(11/4 19:44) | 24時間 | 11/2 9時比 | 最高値からの距離 |
|---|---|---|---|---|
| ビットコイン | 7万8,423ドル | +1.95% | +0.5% | −37.8%(約12.6万ドル、2025年10月6日) |
| イーサリアム | 2,324.6ドル | +2.56% | +2.4% | −53%(4,946ドル、2025年8月24日) |
| ソラナ | 93.31ドル | +1.14% | −0.7% | — |
値動き
ビットコインは3日夜まで7万7,800ドル前後で推移した。開票が進むにつれ下落し、4日12〜13時台に7万5,607ドルを付けた。コインテレグラフはビットスタンプでの安値を7万5,618ドルと伝え、9月16日以来7週間ぶりの安値としている。その後の約3時間で7万8,000ドル台に戻した。
コインテレグラフによると、タロスのケリー・イェ氏は「投票締め切り後の値動きは約1.7%で、オプション市場が織り込んでいた約1.8%とほぼ同じだった」と述べた。同氏は選挙結果を「おおむね織り込み済み」としている。
同じ日の朝には、バイナンスからの約63億ドルの流出をめぐる続報が出ていた。詳細はバイナンス流出の検証記事にある。株式市場への選挙の影響は中間選挙とAI株の記事で扱った。
ETFの資金流出入
| 取引日(米国) | 米ビットコイン現物ETF合計 | うちIBIT |
|---|---|---|
| 10月30日(金) | −6億4,330万ドル | — |
| 11月2日(月) | −3億9,860万ドル | −4億530万ドル |
| 11月3日(火) | −1億1,560万ドル | −9,500万ドル |
流出は3営業日連続。11月に入ってからの2営業日の合計は約5億1,400万ドルの流出だった。11月2日のIBITの流出は6月26日以来の大きさと報じられている。イーサリアムETFの流出については3日の記事で扱った。
議会と法案の状況
AP通信は、上院の多数派を3日深夜(米東部時間)、下院を4日未明に民主党と判定した。両院の最終的な議席数は集計中で、本稿では確定値を示さない。
| 法律・法案 | 状況 | 日付 |
|---|---|---|
| CLARITY法(H.R.3633、市場構造) | 下院可決(294対134) | 2025年7月17日 |
| 同上 | 上院銀行委員会が修正案を可決、本会議日程へ | 2026年5月14日、6月1日 |
| 同上 | 上院の討論終結動議を否決(49対50、可決には60票) | 2026年9月15日 |
| 同上 | 現議会の任期満了(成立しなければ廃案) | 2027年1月3日 |
| GENIUS法(S.1582、ステーブルコイン) | 署名・成立(公法119-27) | 2025年7月18日 |
| 同上 | 通貨監督庁(OCC)が施行規則の最終版を公表 | 2026年10月21日 |
| 同上 | 施行 | 2027年1月18日 |
9月15日の採決後、ティリス上院議員が再審議の動議を出しており、法案は手続き上は残っている。CNBCは否決を「暗号資産業界にとっての規制面の後退」と報じた。ポリティコは関係者の「法案は死んだ」との発言を見出しに取った。
GENIUS法はすでに成立した法律で、議会の構成が変わっても施行日程は変わらない。OCCの最終規則は、ステーブルコインの保有者への利息支払いの禁止を維持した。
議会を通らない規制当局の動き
| 当局 | 内容 | 日付 |
|---|---|---|
| 米商品先物取引委員会(CFTC) | 暗号資産取引の規則案について事前通知を公表、意見募集。既存の商品取引所法の権限で新たな取引所の区分を設ける内容 | 2026年10月5日 |
| CFTC | セリグ委員長が、CFTCとSECの両方に登録した取引所で米個別株の無期限先物の取引を始められるとの声明 | 2026年11月3日 |
| CFTC | 24時間365日取引に関する円卓会議 | 2026年12月15日(予定) |
| 米証券取引委員会(SEC) | 暗号資産規則案を提案(意見募集は10月20日に終了) | 2026年8月18日 |
これらは議会の立法を必要としない。新しい議会は公聴会や人事の承認を通じて関与できる。
選挙と業界資金
オハイオ州の上院選では、民主党のシェロッド・ブラウン氏が共和党のジョン・ハステッド氏に勝った。ブラウン氏はかつて上院銀行委員長を務めた。ザ・ブロックはこの結果を、業界系の政治資金団体フェアシェイクにとっての打撃と報じた。業界の今回の選挙での支出は総額1億7,600万ドルと報じられている。各委員会の新しい委員長の人選は決まっていない。
今後の日程
- 11月10日(火):米10月消費者物価指数
- 2026年11月〜12月:現議会の会期末審議(CLARITY法の再採決の機会)
- 12月8〜9日:米連邦公開市場委員会(FOMC)
- 12月15日:CFTCの24時間取引に関する円卓会議
- 2027年1月3日:新議会の招集、現議会の法案は廃案
- 2027年1月18日:GENIUS法の施行
主な参照
- 価格・時間足/ヤフーファイナンス、コインゲッコー
- 4日の安値とタロスのコメント/コインテレグラフ
- CLARITY法の審議記録/米議会
- 9月15日の上院採決/CNBC、ポリティコ
- GENIUS法の最終規則/米通貨監督庁
- CFTCの発表/規則案の事前通知、無期限先物に関する声明
- ETFの資金流出入/ビットコイン・ドットコム
- オハイオ州上院選/ザ・ブロック
- 両院の判定/フォーブス(AP通信の判定を引用)
- FOMCの日程/米連邦準備制度理事会
データ基準日:2026年11月4日19時44分(日本時間)。暗号資産の価格は24時間取引の途中の値で、終値ではない。11月3日のETF資金流出入は報道による集計で、改定される場合がある。11月中の合計5億1,400万ドルは報道の数値。業界の選挙支出1億7,600万ドルは報じられている数値で、本誌は一次資料を確認できていない。SECの規則案は同委員会のサイトを確認できず、法律事務所の解説と報道によった。米10月消費者物価の発表日は報道による。選挙の議席数は集計中のため記載していない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。















