アドウェイズ(2489)の株価は11月4日夜のPTS(私設取引システム)で394.5円となり、東証の終値317円を24.4%上回った。同社は同日、伊藤忠商事との資本業務提携と、同社を割当先とする第三者割当を発表した。この日の大引け後には、ARE ホールディングス(5857)、タダノ(6395)、アステラス製薬(4503)なども業績予想の修正を開示した。
4日の日経平均株価は前営業日比893円23銭安の6万2,188円63銭で引けた。米シカゴの日経平均先物(円建て)は日本時間22時45分時点で6万3,010円で、4日の日経平均の終値を821円上回った。米国では株価指数先物が上昇しており、5日の東京市場はこの先物の水準と、大引け後に開示した銘柄の値動きが焦点になる。
大引け後に開示した主な銘柄とPTSの値
| 銘柄 | 開示の内容 | 4日終値 | PTSの値(時刻) | 終値比 |
|---|---|---|---|---|
| アドウェイズ(2489) | 伊藤忠と資本業務提携、第三者割当 | 317円 | 394.5円(22時34分) | +24.4% |
| ARE HD(5857) | 通期の純利益予想を24.1%上方修正、増配、自社株買い | 3,070円 | 3,430円(22時25分) | +11.7% |
| タダノ(6395) | 通期の純利益予想を42.9%上方修正(売上高は下方修正) | 1,258円 | 1,303円(22時10分) | +3.6% |
| アステラス製薬(4503) | 通期の純利益予想を3,000億円から3,500億円に修正 | 2,500.5円 | 2,535円(21時52分) | +1.4% |
| 東京精密(7729) | 通期の純利益予想を3.9%上方修正、期末配当を6円増額 | 14,920円 | 15,050円(21時52分) | +0.9% |
| ケーズHD(8282) | 上期予想を上方修正、通期の利益予想は据え置き | 1,768.5円 | 1,768円(21時14分) | 0.0% |
4日夜のPTSの値:東証の終値比(%)
PTSの値は日本時間21時14分〜22時34分の各時点。ケーズHDは1,768円で終値1,768.5円とほぼ同じ。出所:株探、本誌計算。
アドウェイズ:伊藤忠が議決権の20.44%を握る筆頭株主に
アドウェイズは4日の取締役会で、伊藤忠商事との資本業務提携契約の締結と、伊藤忠を割当先とする新株式発行と自己株式処分による第三者割当を決議したと発表した。払込金額は1株352円。取締役会決議日の直前営業日の終値310円に対し13.55%のプレミアムとなる。払込金額の総額は10億9,957万6,000円、払込期日は11月20日である。
伊藤忠は第三者割当で312万3,800株を取得する。同日付で、筆頭株主の岡村陽久氏と取締役の山田翔氏から計150万株を市場外の相対取引で譲り受ける契約も結んだ。譲渡も11月20日付の予定である。伊藤忠はすでに400万600株を持っており、取引後の保有は862万4,400株となる。発行済株式総数に対する所有割合は20.43%、議決権所有割合は20.44%。伊藤忠は主要株主である筆頭株主と、その他の関係会社に該当する見込みとなる。
第三者割当による既存株主の持分の希薄化は、2026年6月30日時点の総議決権数390,718個に対して8.00%に相当する。岡村氏の持株比率は20.85%から17.53%に下がる見込みである。会社は、第三者割当が2026年12月期の業績に与える影響は軽微としている。
ARE HD・タダノ・アステラス・東京精密の修正幅
| 銘柄(決算期) | 項目 | 前回予想 | 修正後 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| ARE HD(2027年3月期) | 営業利益 | 410億円 | 520億円 | +26.8% |
| ARE HD(2027年3月期) | 純利益 | 290億円 | 360億円 | +24.1% |
| タダノ(2026年12月期) | 売上高 | 4,000億円 | 3,800億円 | −5.0% |
| タダノ(2026年12月期) | 純利益 | 140億円 | 200億円 | +42.9% |
| アステラス製薬(2027年3月期) | 売上収益 | 2兆2,200億円 | 2兆3,300億円 | +5.0% |
| アステラス製薬(2027年3月期) | 営業利益 | 3,950億円 | 4,600億円 | +16.5% |
| アステラス製薬(2027年3月期) | 当期利益 | 3,000億円 | 3,500億円 | +16.7% |
| 東京精密(2027年3月期) | 営業利益 | 440億円 | 450億円 | +2.3% |
| 東京精密(2027年3月期) | 純利益 | 308億円 | 320億円 | +3.9% |
ARE HDは、4〜9月期の売上収益が3,651億円で、5月に公表した予想を約352億円上回ったと発表した。会社は理由として、貴金属価格が想定を下回るなかでAIデータセンター関連の需要を背景に電子分野の売上収益が伸びたこと、北米の精錬事業での裁定取引の増加などを挙げた。中間配当は1株75円とし、5月時点の予想65円から増やした。同日、上限75億円、発行済株式総数(自己株式を除く)の2.55%を上限とする自社株買いと、東証の立会外取引(ToSTNeT-3)による買い付けも発表した。
タダノは2026年12月期の売上高予想を4,000億円から3,800億円に下げた一方、営業利益を250億円から320億円、純利益を140億円から200億円に引き上げた。アステラス製薬は2027年3月期の4〜9月期の売上収益が1兆2,709億円で前年同期比23.4%増、営業利益は3,166億円で58.8%増だった。ロイターは、修正後の通期純利益予想が市場予想を下回ったと報じた。東京精密は半導体製造装置部門の売上高予想を引き上げたとし、中間配当を1株158円、期末配当予想を158円(前回予想152円)とした。
ケーズHDは4〜9月期の純利益予想を131億円から180億円に引き上げた。会社は、2027年4月の省エネ基準の引き上げに伴う値上がりを見越したエアコンの需要、いわゆる「エアコン2027年問題」が全体をけん引したと説明した。通期の利益予想は、店舗の修繕などで販売費が増えるとして据え置いた。同社の決算発表は11月5日の予定である。
4日の東京市場と夜間の指標
| 指標 | 値 | 時点 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 6万2,188円63銭(前営業日比893円23銭安) | 4日の終値 |
| 日経平均先物(シカゴ、円建て) | 6万3,010円 | 日本時間22時45分の気配 |
| 日経平均先物(シカゴ、ドル建て) | 6万3,040 | 日本時間22時45分の気配 |
| ドル円 | 158.36円 | 日本時間22時42分の気配 |
| 米S&P500先物 | 7,665(前日比+0.9%) | 日本時間22時32分の気配 |
4日の東京市場では、米中間選挙で民主党が上下両院の主導権を握ったとの報道を受けて、日経平均が一時3,000円超下げた。その後は下げ幅を縮めた。この日の値動きの詳細は米中間選挙とAI株の記事に、日中に動いた銘柄は4日の注目株に、5日の決算予定は今週の決算番付にある。
今後の日程
- 11月5日 0時:米10月ISM非製造業景況指数
- 11月5日 朝:米クアルコム、アーム、アップラビンの決算(米4日の取引終了後)
- 11月5日 13時55分:トヨタ自動車の4〜9月期決算
- 11月5日:ソニーグループ、任天堂、ケーズHDの決算発表予定
- 11月6日 22時30分:米10月雇用統計
- 11月20日:アドウェイズの第三者割当の払込期日、伊藤忠への株式譲渡
主な参照
- アドウェイズ「伊藤忠商事株式会社との資本業務提携、第三者割当による新株式発行及び自己株式処分」/東証TDnet
- ARE HD「業績予想値と実績値との差異、通期業績予想の修正、剰余金の配当」「自己株式取得に係る事項の決定」/東証TDnet、同
- タダノ「通期連結業績予想の修正」/東証TDnet
- アステラス製薬 決算短信・決算補足資料/東証TDnet、同、市場予想との比較はロイター
- 東京精密「業績予想の修正並びに剰余金の配当及び期末配当予想の修正」/東証TDnet
- ケーズHD「業績予想の上方修正」/東証TDnet
- 終値とPTSの値、日経平均の終値/株探
- シカゴの日経平均先物、ドル円、米株価指数先物の気配値/ヤフーファイナンス
データ基準日:2026年11月4日の東京市場の終値と、同日の日本時間22時45分時点の気配値。PTSの値は表に記載した時刻時点のもので、終値ではない。PTSは取引量が東証より少なく、翌日の東証の始値と一致するとは限らない。シカゴの日経平均先物は大阪取引所の先物とは別の取引で、値に差が出る。アステラス製薬の修正後の予想が市場予想を下回ったとの点はロイターの報道にもとづき、市場予想の具体的な数値は本稿では確認していない。各社の業績予想は会社の見通しであり、実際の業績は異なる可能性がある。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。













