26日の東京市場は、日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)が逆を向いた。日経平均は前引けで前週末比478円50銭安の6万2,214円66銭と3日続落した一方、TOPIXは13.53ポイント高の3,979.34で午前を終えた。寄り付きから1時間は上下に800円幅で振れ、その後は半導体の値がさ株に売りが集中した。下げの中身と、午後に向けて見るべき点を5つにまとめる。
- 指数の分裂:日経平均は0.76%安、TOPIXは0.34%高。プライム市場は値上がり898、値下がり601だった。
- 2銘柄で9割:アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄で日経平均を420円押し下げた。下げ幅の88%にあたる。
- 最初の1時間:9時3分に598円安、9時32分に209円高、10時は23円安。上下808円の往復だった。
- 原油高で資源株:業種別の上昇首位は鉱業。INPEXは5.34%高の4,066円。
- 円はやや強含み:ドル円は朝方の157円22銭から156円73銭まで反落した。
1. 日経平均は安く、TOPIXは高い
結論:下げたのは「日経平均」であって、「東京市場全体」ではない。前引けのTOPIXは3,979.34ポイントで、前週末終値3,965.81ポイントを上回った。東証33業種のうち22業種が上昇した。
根拠:時事通信は、AI(人工知能)の収益化への懸念からAI・半導体株が売られる一方、押し目買いと銀行株の買い戻しがTOPIXを支えたと伝えた。値下がりの上位業種は非鉄金属、電気機器、機械で、ハイテクに偏る。
次:後場もこの分裂が続くかどうか。TOPIXがプラスを保てば、売りは「半導体の持ち高調整」にとどまる。前週の23日の大引け番付でも、主役は半導体株だった。
2. 下げ幅の88%はアドバンテストと東京エレクトロン
日経平均への寄与度(前引け、円)
読み方:赤が押し下げ、緑が押し上げ。上位2銘柄の押し下げ420円は、日経平均の下げ幅478円50銭の88%にあたる。押し上げ側は商社株が中心。出所:株探ニュース(2026年10月26日11時30分の前引け時点の集計)。
結論:2銘柄の寄与度を足すと420円44銭の押し下げで、478円50銭の下げ幅の87.9%にあたる。アドバンテスト(ADR:ATEYY)は前引けで3.18%安の3万1,310円、東京エレクトロンは4.14%安の9,066円だった。
根拠:株探の集計で、押し下げはアドバンテストが222円22銭、東京エレクトロンが198円22銭。3位以下はファーストリテイリング(76円05銭)とソフトバンクグループ(66円34銭)だ。押し上げ側では豊田通商(24円78銭)と三菱商事(22円25銭)が上位で、商社株が並ぶ。
次:アドバンテストは28日(水)、東京エレクトロンは30日(金)に決算を発表する予定だ。決算前の持ち高調整が続くかを見たい。
3. 寄り付きから1時間――808円の往復
| 時刻 | 日経平均 | 前週末比 |
|---|---|---|
| 9:00 寄り付き | 62,449.96 | −243.20 |
| 9:03 安値 | 62,094.34 | −598.82 |
| 9:19 上げ転換 | 約62,734 | +40.84 |
| 9:32 高値 | 62,902.95 | +209.79 |
| 10:00 | 62,669.70 | −23.46 |
| 11:30 前引け | 62,214.66 | −478.50 |
結論:寄り付き直後の売りは3分で一巡し、30分後には200円超の上昇に転じた。日本経済新聞は、上げ転換の理由を原油高を受けた石油関連株への買いと伝えた。10時時点では23円安までほぼ戻していた。
根拠:シカゴの日経平均先物は前週末、大阪の清算値比270円安の6万2,640円で終えており、安寄りは想定どおりだった。10時の時点でも、押し下げ首位は東京エレクトロン(120円85銭)とアドバンテスト(99円24銭)だった。指数の戻りは、半導体以外の買いによるものだったことになる。
次:10時以降は半導体株が再び下げ幅を広げ、東京エレクトロンは11時28分に日中安値を付けた。後場は寄り付き直後の安値(6万2,094円)を守れるかが分かれ目になる。
4. 原油高で資源株――INPEXは過熱気味
結論:業種別の上昇首位は鉱業で、卸売、石油・石炭が続いた。INPEX(1605)は5.34%高の4,066円で、9時42分に4,078円の高値を付けた。前引けまでの売買代金は152億円にのぼる。
根拠:米WTI原油先物(12月限)は23日、3.80ドル高の1バレル103.27ドルで取引を終えた。サウジアラビアへの攻撃で中東情勢への警戒が強まったためだと伝えられている。ただし時事通信によると、26日午前のアジア時間には中東産ドバイ原油が下げに転じ、WTIも軟化した。
次:原油が時間外で値を消せば、INPEXの5%高は行き過ぎになりやすい。本誌は今日の注目銘柄の「過熱側」にINPEXを挙げる。一方の「売られすぎ側」は東京エレクトロンだ。株価は10月6日の終値1万2,805円から29.2%下げている(同社は9月29日に1株を5株に分割済みで、比較は分割後の株価)。
5. ドル円は157円台から反落、今週は日米の中銀
結論:ドル円は朝方に157円22銭を付けた後、156円73銭まで約50銭下げた。11時ごろは156円80銭前後で推移した。円高は、輸出株の重荷になるほどの幅ではない。
根拠:フィスコは、中東情勢とAI投資への警戒が円買いにつながったと伝えた。政府関係者による為替の発言は、本誌が確認した範囲では出ていない。ゴールドマン・サックスが「円はAIショックへのヘッジとして機能を高めている」とする顧客向けリポートを出したと、ブルームバーグが報じている。
次:FOMCの声明は29日(木)午前3時、日銀の結果は30日(金)に出る。詳しくはドル円の今週の見通しを参照したい。
30秒まとめ
日経平均の478円安は、半導体2銘柄の下げでほぼ説明できる。TOPIXと値上がり銘柄数はプラスで、市場全体の売りではない。後場は9時3分の安値と、今週の半導体決算に向けた持ち高調整の行方が焦点になる。
主な参照
- 前引けの指数と騰落銘柄数/時事通信(Yahoo!ファイナンス配信)、株探ニュース(同)
- 日経平均の日中推移/Yahoo!ファイナンス、TOPIX/Yahoo!ファイナンス
- 10時と11時の寄与度/株探ニュース
- 東京エレクトロンの株価推移と分割/Yahoo!ファイナンス
- ドル円の朝方の値動き/財経新聞(フィスコ配信)
- 前週末の大引けとシカゴ先物/日経CNBC
- ゴールドマン・サックスの円に関するリポート/ブルームバーグ
データ基準日:2026年10月26日11時30分(日本時間、前場の引け)。表中の数値はすべて取引時間中の値で、終値ではない。9時19分の上げ転換時の値は株探の速報による概数。寄与度は株探の集計による。ドル円は取引時間中の値。WTIは23日のニューヨーク市場の清算値。サウジアラビアへの攻撃の詳細と原油への影響は報道ベースで、本誌は確認していない。過熱・売られすぎの区分は本誌の判断である。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。
















