16日の東京市場で、日経平均株価は7営業日ぶりに反発した。終値は898円34銭高の6万5,324円29銭である。ただし6日続落で失った6,258円のうち、取り戻したのは14%にとどまる。欧州株は高く始まり、夜間の日経平均先物は現物終値を上回って推移している。
- 結果:日経平均は1.39%高、TOPIXは1.67%高の4,066.00で4,000台を回復した。プライムの8割強が上昇した。
- 主役:東京エレクトロン1銘柄で約134円を押し上げた。上位5銘柄で約374円、上げ幅の4割強を占める。
- 逆回転:下げ相場で買われたファーストリテイリングが約66円の押し下げ役に回った。小売や食料品も下位である。
- アジア・欧州:KOSPIは8日ぶりに2.05%反発した。欧州はDAXが日本時間17時16分時点で0.83%高である。
- 今夜:大阪の夜間先物は6万5,600円で始まった。分岐点は16日の高値6万5,712円と安値6万4,800円だ。
※東証の株価は埋め込みでは表示できないため、アドバンテストとソフトバンクグループは米国ADR(ドル建て)を表示している。円建て株価と一致しない場合がある。
要点1 7日ぶり反発、TOPIXは4,000台に戻る
結論:反発の幅は広かったが、戻りの深さは浅い。
根拠:日経平均は6万4,925円29銭で始まり、上げ幅は一時1,200円を超えた。高値は6万5,712円30銭で、引けまでに388円を吐き出した。TOPIXは66.66ポイント高の4,066.00で、前日の3,999.34から4,000台を回復した。東証プライムの値上がりは1,292銘柄、値下がりは228銘柄だった。
33業種のうち32業種が上昇し、下落は電気・ガスだけである。上昇率の上位はその他製品、機械、保険、輸送用機器、電気機器だった。プライムの売買代金は概算で7兆6,686億円である。
一方、日経平均は6日の終値7万683円98銭から15日の6万4,425円95銭まで、6営業日で6,258円下げていた。16日の上げはその14.4%にすぎない。値ごろ感の買いで戻した日であって、下げの理由が消えた日ではない。
次:TOPIXの上昇率が日経平均を上回った点は前向きに読める。値がさ株だけでなく、市場全体に買いが入ったからだ。
要点2 東京エレクトロンが134円、アドバンテストは戻り鈍く
結論:半導体株は戻ったが、戻り方には大きな差があった。
日経平均への寄与度(10月16日終値、円)
読み方:上位5銘柄の押し上げは合計約374円で、上げ幅898円の4割強にあたる。アドバンテストは前日に約1,303円押し下げたが、この日の押し上げは約41円だった。出所:株探・フィスコ「日経平均寄与度ランキング(大引け)」(10月16日16時48分)、騰落率は株探の時系列株価から本誌計算。
根拠:寄与度の首位は東京エレクトロン(8035)で、2.56%高の1万630円だった。2位はソフトバンクグループ(9984)の約74円、3位はイビデンの約74円である。上位5銘柄の合計は約374円で、上げ幅898円の4割強にあたる。日経平均の構成銘柄では194銘柄が上がり、29銘柄が下がった。
目立ったのはアドバンテスト(6857)の鈍さである。15日に6,040円安(14.96%安)と急落したのに、16日の戻りは190円(0.55%高)だけだった。15日に指数を約1,303円押し下げた銘柄が、16日の押し上げは約41円にとどまった。
前日の米国では、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が一時4.4%安まで売られた。それでも終値は0.88%安まで戻している。AIクラウドのコアウィーブも、日中安値59.51ドルから終値69.69ドルまで切り返した。東京の買い戻しはこの米国の「引けにかけての戻り」を映したものだ。
次:15日の急落の経緯はTSMC決算の日の番付で整理した。アドバンテストが戻らない限り、指数の戻りにも上限がある。
要点3 下げ相場の避難先が売られた
結論:16日は、AI株から逃げていた資金が一部戻った日でもある。
根拠:押し下げ首位はファーストリテイリング(9983)で、820円安の7万5,580円だった。1銘柄で約66円の押し下げである。同社は13日から15日まで3日続伸し、9日終値の7万1,780円から7万6,400円まで6.4%上げていた。
業種別の下位も、小売業、パルプ・紙、海運業、食料品、非鉄金属だった。半導体株が売られた局面で選ばれた内需株やディフェンシブ株から、資金が抜けた形である。押し下げ上位5銘柄の合計は約88円で、うち66円がファーストリテイリング1銘柄によるものだ。
個別ではストップ高が21銘柄、ストップ安が5銘柄だった。ベイカレントとSHIFTのストップ高は別の記事で扱った。プライムの上昇率首位は、業績と配当予想を引き上げた大末建設である。
次:ファーストリテイリングが下げ、半導体が上げる組み合わせが続けば、AI株への資金回帰が本物になる。逆の組み合わせに戻れば、16日は一日限りの買い戻しだったことになる。
要点4 韓国は8日ぶり反発、欧州はドイツ主導で高い
結論:アジアは韓国が戻し、インドネシアだけが崩れた。欧州はドイツが強く、英国が重い。
| 市場 | 指数 | 水準 | 前日比 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 日経平均 | 65,324.29 | +1.39% | 終値 |
| 日本 | TOPIX | 4,066.00 | +1.67% | 終値 |
| 韓国 | KOSPI | 5,668.05 | +2.05% | 終値 |
| 香港 | ハンセン指数 | 24,186.83 | +0.52% | 終値 |
| 中国 | 上海総合 | 3,716.28 | +0.24% | 終値 |
| 台湾 | 加権指数 | 47,111.26 | +0.30% | 終値 |
| インドネシア | ジャカルタ総合 | 5,198前後 | 約−11% | 日本時間17時20分ごろ |
| ドイツ | DAX | 25,594.07 | +0.83% | 日本時間17時16分 |
| ユーロ圏 | ユーロ・ストックス50 | 6,201.52 | +0.54% | 日本時間17時16分 |
| 英国 | FTSE100 | 10,827.79 | −0.12% | 日本時間17時16分 |
根拠:KOSPIは15日に7.57%安となり、2日の7,003.74から7営業日で約21%下げていた。16日の2.05%高は8営業日ぶりの反発である。ジャカルタはMSCIの指数見直し案を受けて急落した。経緯はMSCIとインドネシアの記事にまとめた。
欧州は日本時間16時に取引が始まった。16時18分時点でDAXは0.64%高、FTSE100は0.26%安だった。英国では財務相が銀行税の引き上げに言及し、銀行株が指数の重荷になったとMINKABU PRESSは伝えている。17時16分時点でDAXは2万5,594.07と上げ幅を広げた。
次:欧州の上げは、米金利の低下を手がかりにした面が大きい。米10年債利回りは15日に5.09%となり、前日の5.19%から約10bp下がった。
要点5 今夜の分岐点は6万5,712円と6万4,800円
結論:本線はもみ合いである。16日の高値と安値の間で週を終える確率を5割とみる。
根拠:大阪の日経225先物12月限は、17時の夜間取引を6万5,600円で始めた。日中の清算値より80円高く、現物終値より約276円高い。米シカゴの円建て先物は17時20分の表示で6万5,675円だった。同じ時刻の米株価指数先物は、S&P500が0.20%高、ナスダック100が0.08%高、ダウが0.25%高である。
今夜の米国の材料は、日本時間22時15分の9月鉱工業生産だ。ウォーシュFRB議長は16日の講演で、10月27〜28日の会合の判断を示唆しなかったとCNBCは伝えた。ドル円は17時30分時点で157円94銭前後で推移している。
- 戻り継続(30%):夜間先物が6万5,712円を上回って引ける。次の目安は6日間の下げの半値戻し、6万7,555円だ。
- もみ合い(本線、50%):6万4,800〜6万5,712円の間にとどまる。週明けも同じ値幅での推移を想定する。
- 二番底(20%):夜間先物が6万4,800円を割り込む。次の目安は15日の安値、6万4,092円である。
確率と目安は本誌の見立てである。半値戻しは6日終値と15日終値の中間値を本誌が計算した。夜間取引の終了は翌朝6時。
次:本線を捨てる条件は二つある。夜間先物が6万4,800円を割り込むこと、そしてSOXが15日の日中安値1万1,171を下回ることだ。両方がそろえば、16日の反発は買い戻しだけだったと判断する。
今夜の注目銘柄
東京エレクトロン(8035):16日は2.56%高の1万630円で、寄与度は首位だった。9日の終値1万2,445円から15日まで3日で16.7%下げている。今夜のSOXが15日の終値1万1,581を保てるかが、週明けの戻りの続きを決める。
キオクシアHD(285A):16日は3.84%高の1万3,375円だった。9日の終値1万7,505円から15日まで3日で26.4%下げた後の反発である。今夜は米サンディスクの値動きを見る。同社は15日に日中1,276ドルまで売られ、終値は1,394.83ドルだった。背景はサンディスクとコヒレントの記事で解説した。
30秒まとめ
日経平均は898円高で7日ぶりに反発したが、6日間の下げの14%を戻したにすぎない。買いは市場全体に広がった一方、アドバンテストの戻りは鈍かった。今夜は夜間先物が6万5,712円と6万4,800円のどちらに抜けるかを見る。
主な参照(データ基準日:2026年10月16日)
株探「日経平均 大引け 7日ぶり反発」(16日)、株探・フィスコ「日経平均寄与度ランキング(大引け)」(16日16時48分)、株探「日経225先物 夜間取引寄り付き」(16日17時02分)、MINKABU PRESS「欧州株 全般的に買い先行で始まる」(16日16時33分)、各銘柄の株探の時系列株価、Yahoo!ファイナンス(DAXなど海外指数・先物)、FRB 鉱工業生産の公表日程、FRB FOMC日程、CNBC(ウォーシュ議長の講演)。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではない。欧州株、ジャカルタ、先物の数値は日本時間17時30分ごろまでの取引時間中の値で、その後に変わりうる。シナリオの確率は本誌の見立てである。投資の判断はご自身の責任で行ってほしい。
















