ビットコインは11月5日、一時7万5,400ドル台まで下落した。9月16日以来、約7週間ぶりの安値である。日本時間6日7時43分(協定世界時5日22時43分)時点では7万5,757ドルで、4日の終値8万405ドルから5.78%安い。
同じ日、米ナスダック総合指数とフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が急落した。暗号資産の先物市場では24時間で10億8,000万ドルの強制決済が発生し、その88.2%が買い持ち(ロング)だった。中間選挙後の上昇分は1日で消えた。
前日4日の上昇局面は8万ドル回復の記事で扱った。本稿はその後の下落を数字で整理する。
主要数値
| 項目 | 数値 | 時点・補足 |
|---|---|---|
| ビットコイン 現在値 | 75,757ドル | 11月5日22時43分(協定世界時)、取引中の値 |
| 同 4日終値比 | −5.78% | 4日終値80,405ドル(協定世界時の日足) |
| 同 5日の高値 | 約80,838ドル | 5日1時50分(協定世界時) |
| 同 5日の安値 | 75,463ドル | ビットスタンプ。米国株の取引開始後 |
| イーサリアム 現在値 | 2,231ドル | 4日終値2,422ドル比−7.89% |
| 強制決済(24時間) | 10億8,000万ドル | ロング9億5,438万ドル、ショート1億2,730万ドル |
| うちビットコイン | 2億8,065万ドル | 89.4%がロング |
| 米現物ETF 純流入(4日) | +7,460万ドル | IBITは−2億100万ドル |
下落の経過
5日の高値は日本時間の午前、約8万838ドルだった。下げが加速したのは米国株の取引開始後である。5分足の安値は協定世界時15時50分(日本時間6日0時50分)の約7万5,448ドル。ビットスタンプでは7万5,463ドルを付けた。
7万5,600ドル前後は前日4日にも試された水準である。4日は協定世界時3時5分に約7万5,607ドルまで下げ、そこから8万1,076ドルまで反発した。5日はその水準を割り込んだ。日足ベースでこれより低い安値は、9月15日の7万4,945ドルと16日の7万4,996ドルまでさかのぼる。
強制決済は米国時間の序盤に集中した。CoinGlassの集計では、直近4時間だけで8億9,618万ドル、うちロングが8億1,735万ドルだった。対象トレーダーは21万326人。銘柄別ではビットコインが2億8,065万ドル、イーサリアムが1億7,486万ドル、ソラナが3,762万ドルだった。
株式市場との連動
5日の米国株は、S&P500が前日比4.36%安の7,353.73、ナスダック総合指数が5.52%安の2万4,315だった。SOXは12.25%安。中間選挙で民主党が上下両院を制し、AI規制の強化が意識されたことが半導体株売りの材料とされた。この点は中間選挙とAI株の記事で検証している。
暗号資産関連株の下げは、ビットコイン本体を上回った。下のチャートは4日終値から5日終値までの騰落率である。
暗号資産関連株とビットコインの騰落率(11月5日)
株式は11月4日終値から5日終値まで。ビットコインは4日終値(協定世界時)から5日22時43分(協定世界時)の取引中の値まで。出所:Yahoo Finance、本誌計算。
| 銘柄 | 4日終値 | 5日終値 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| コインベース(COIN) | 151.50ドル | 136.82ドル | −9.69% |
| ストラテジー(MSTR) | 142.54ドル | 129.30ドル | −9.29% |
| ロビンフッド(HOOD) | 87.41ドル | 78.39ドル | −10.32% |
| サークル(CRCL) | 76.12ドル | 69.48ドル | −8.72% |
| アイレン(IREN) | 21.71ドル | 18.03ドル | −16.95% |
| マラ(MARA) | 6.87ドル | 5.875ドル | −14.48% |
| ライオット(RIOT) | 15.37ドル | 14.76ドル | −3.97% |
東京市場のメタプラネット(3350)は5日、前営業日比7.02%高の259円で取引を終えた。東京の大引けは米国株の急落より前である。6日の東京市場は、米国時間の下落を初めて織り込む取引日になる。同社の株価と保有ビットコインの関係はmNAVの記事にまとめた。
ETFの資金フロー
米国の現物ビットコインETFは、10月30日に6億4,300万ドル、11月2日に3億9,900万ドル、3日に1億1,600万ドルの純流出だった。4日は7,460万ドルの純流入に転じた。内訳はフィデリティのFBTCが2億3,700万ドルの流入、ブラックロックのIBITが2億100万ドルの流出である。IBITはこの日、流出を記録した唯一のETFだった。
5日分の集計は本稿執筆時点で公表されていない。SoSoValueの集計では、4日時点の現物ETFの純資産総額は1,022億6,000万ドルだった。
価格水準
| 水準 | 価格 | 現在値との差 |
|---|---|---|
| 50日移動平均 | 約81,990ドル | +8.2% |
| 5日の高値 | 約80,838ドル | +6.7% |
| 現在値(5日22時43分) | 75,757ドル | — |
| 9月15日の安値 | 74,945ドル | −1.1% |
| 4月16日の安値 | 73,346ドル | −3.2% |
| 200日移動平均 | 約73,190ドル | −3.4% |
| 3カ月の安値(8月14日) | 62,488ドル | −17.5% |
現在値は50日移動平均を約7.6%下回る。200日移動平均は約7万3,190ドルで、4月16日の安値7万3,346ドルとほぼ重なる。一方、50週移動平均は計算方法によって7万5,300〜7万5,700ドル台となり、コインテレグラフは一時これを割り込んだと伝えた。
関係者の発言
規制面では、民主党が次の議会で市場構造法案を広げる計画だと報じられている。ディクリプトによると、下院民主党はマキシン・ウォーターズ議員の修正案を、証券取引委員会(SEC)の監督を強める包括的な法案に広げる方針である。法案の文言はまだ提出されていない。
GSRのリサーチ担当バイスプレジデント、カルロス・グスマン氏はディクリプトに「クラリティ法案が終わったとは言わないが、成立は難しくなった」と述べた。続けて「合意には消費者保護や利益相反に関する、より強い条項が必要になるだろう」とした。コインシェアーズのジェームズ・バターフィル氏は、下院デジタル資産小委員会の委員長を務めたブライアン・ステイル議員の落選を「意味のある損失」と表現した。
タンデム・インベストメント・アドバイザーズのジョーダン・ワトソン氏はCNBCに「投資家が選挙結果と政策への影響を消化するなかで、変動が大きくなる可能性がある」と語った。
今後の日程
- 11月6日 8時30分(米東部)、日本時間22時30分:米10月雇用統計
- 11月6日 日本時間9時:東京市場の取引開始。メタプラネットなど暗号資産関連株が米国時間の下落を織り込む
- 11月6日以降:米現物ビットコインETFの5日分の資金フロー公表
主な参照
- 5日の安値と「9月16日以来の安値」/コインテレグラフ
- 強制決済の集計(CoinGlass、協定世界時5日19時2分)/crypto.news
- 米現物ビットコインETFの資金フロー(Farside集計)/CryptoSlate、純資産総額(SoSoValue)/TokenPost
- 民主党の市場構造法案の方針と関係者の発言/ディクリプト
- ビットコイン・暗号資産関連株・米国株指数の価格/Yahoo Finance、CoinGecko
データ基準日:2026年11月5日(米国時間)。ビットコインとイーサリアムの現在値は協定世界時5日22時43分(日本時間6日7時43分)時点の取引中の値で、終値ではない。米国株と暗号資産関連株は5日の終値。強制決済額は集計時点と集計範囲で数字が異なり、本稿は協定世界時5日19時2分時点の24時間集計を用いた。移動平均は本誌の計算で、算出方法により差が出る。民主党の法案方針は関係者情報にもとづく報道であり、法案の文言は確認できていない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産や銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。















