米コア・サイエンティフィック(CORZ)は11月5日、2026年7〜9月期の売上高が2億3,290万ドルだったと発表した。前年同期の8,110万ドルから187%増えた。売上高の約92%はAI向けデータセンターの賃貸(コロケーション)で、ビットコインの自社採掘は1,230万ドルにとどまった。
同社は四半期報告書(10-Q)で、他社の採掘機を預かるホスティング事業を2026年12月31日までに終える見通しを示した。自社採掘も縮小を続け、新たな採掘機への投資は行わない。採掘設備は売却予定資産に振り替えられた。決算説明会では経営陣が年末までに採掘から完全に撤退すると述べたと報じられている。
同日の米国市場で、CORZの株価は10.82%安の11.38ドルで終えた。ビットコイン採掘を手がける同業各社も軒並み下げた。ビットコインは11月6日15時46分(日本時間)時点で7万5,616ドルだった。
主要数値
| 項目 | 2026年7〜9月期 | 4〜6月期 | 2025年7〜9月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2億3,290万ドル | 1億6,420万ドル | 8,110万ドル |
| うちコロケーション | 2億1,540万ドル | — | 1,500万ドル |
| うち自社採掘 | 1,230万ドル | 2,150万ドル | 5,740万ドル |
| うちホスティング | 520万ドル | — | — |
| 調整後EBITDA | 1億3,360万ドル(利益率57%) | 4,110万ドル(25%) | — |
| 純損益 | 11億7,810万ドルの黒字 | 11億5,530万ドルの赤字 | — |
| 設備投資 | 9億8,510万ドル | — | — |
コロケーション収入は前四半期比で57.6%増えた。会社の表現は「60%近い増加」。前年同期の1,500万ドルからは約14倍だった。自社採掘の収入は前年同期比79%減。自社採掘部門の売上総利益は750万ドルの赤字で、利益率はマイナス61%だった。
10-Qによれば、7〜9月期に採掘したビットコインの量は前年同期比66%減。同期間のビットコインの平均価格は前年同期比38%安かった。9月末の暗号資産の簿価は270万ドルで、2025年12月末の2億2,200万ドルから大きく減った。1〜9月期のビットコイン売却収入は2億8,680万ドルだった。保有枚数は開示されていない。
背景
コア・サイエンティフィックは、ビットコインの採掘拠点をAI向けデータセンターに転用してきた。主な顧客はAIクラウドのコアウィーブ(CRWV)である。9月末時点で課金中の容量は485メガワットと、6月末の395メガワットから増えた。10-Qによれば、コアウィーブ向けの賃貸契約は590メガワットで、残る105メガワットは建設中または立ち上げ中である。
決算説明資料によれば、AMDと新興クラウド事業者向けに約530メガワットの15年契約も結んでおり、2027年初めに引き渡しを始め、2028年末までに全量を引き渡す計画である。契約済みの容量は合計で1ギガワットを超え、契約済みの売上高は240億ドル超とされる。会社は売上高の数値目標を示していない。
資金面では、2026年3月にモルガン・スタンレーとJPモルガンから合計10億ドルの融資枠を確保していた。10-Qは新たに、JPモルガンを幹事とする6億ドルの融資枠(8月25日付)を記載している。9月末の手元流動性は債務返済準備口座を含めて17億4,420万ドルだった。
関係者発言
ビットコイン専門メディアのTFTCによれば、アダム・サリバン最高経営責任者(CEO)は決算説明会で「年末までにビットコイン採掘からの撤退を完了する(complete our exit from Bitcoin mining by year end)」と述べた。ジム・ナイガード最高財務責任者(CFO)は「第4四半期中に縮小を完了する」と述べ、2027年は高密度コロケーション専業の事業者として迎えるとした。
一方、10-Qの記載は「ホスティング事業は2026年12月31日までに終了する見通しで、自社採掘の縮小を続ける」というものだった。自社採掘の終了日は明記されていない。
市場反応
採掘・データセンター関連株の騰落率(2026年11月5日終値、%)
出所:Yahoo Financeの日足終値(2026年11月5日、米国市場)。
11月5日の米国市場では、ナスダック総合指数が5.52%安の2万4,315.00で終えた。米中間選挙での民主党の勝利を受け、AIデータセンターへの規制強化が警戒された。コアウィーブは9.8%安の43.66ドル。CORZは前日の4日にも10.39%下げていた。
アイレン(IREN)は16.95%安の18.03ドル。通常取引中の下げは、決算発表より前だった。24/7ウォール・ストリートは、マイクロソフトのAI投資の先送りとアイレンを結び付けた報道で同社株が下げたと伝えた。アイレンは引け後の午後4時1分(米東部時間)に決算を発表し、時間外取引では19.1ドル前後と約6%上昇した。
アイレンの7〜9月期(2027年6月期第1四半期)の採掘収入は2,800万ドルで、前四半期の6,700万ドルから58%減った。AIクラウド収入は2億ドルで182%増。年換算売上高40億ドル超の目標達成時期は、2026年末から2027年1月にずれ込み、2月にずれる可能性があるとした。
ビットコイン現物ETFの資金は流出した。SoSoValueの集計を伝えたブルーミングビットによれば、米国のビットコイン現物ETFの11月5日の純流出額は4億3,020万ドルだった。前日の4日は約7,500万ドルの純流入だった。ビットコインのネットワーク全体の採掘能力(ハッシュレート)は、mempool.spaceによれば11月6日時点で約1,036エクサハッシュ毎秒。6日朝の相場はビットコイン7.5万ドル台、7週間ぶり安値、採掘各社の前回の動きはビットコイン8万ドル回復、マイニング株は最大23%安に記録した。
今後の日程
- 11月6日 22:30(日本時間):米10月雇用統計。ハイテク株と暗号資産の地合いを左右する。
- 12月8〜9日:米連邦公開市場委員会(FOMC)。
- 2026年12月31日:コア・サイエンティフィックのホスティング事業の終了見通し(10-Q)。
- 2027年初め:AMD・新興クラウド事業者向け容量の引き渡し開始予定(決算説明資料)。
主な参照
- 2026年7〜9月期決算の発表/コア・サイエンティフィック
- 四半期報告書(10-Q)/コア・サイエンティフィック
- 決算説明資料/コア・サイエンティフィック
- 決算説明会での経営陣の発言/TFTC
- アイレンの決算/米証券取引委員会(8-K添付資料)
- ビットコイン現物ETFの資金流出/Bloomingbit(SoSoValueの集計)
- ハッシュレート/mempool.space
- 株価とビットコイン価格/Yahoo Finance
データ基準日:株価は2026年11月5日の米国市場の終値。アイレンの時間外取引の価格と、ビットコイン価格(11月6日15時46分、日本時間)は取引時間中の数値で、終値ではない。前年同期比と前四半期比の増減率の一部は本誌計算。決算説明会の発言は第三者メディアの報道によるもので、本誌は会社の公式な書き起こしを確認していない。ETFの資金流出額はSoSoValueの集計で、ほかの集計とは差が出ることがある。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や暗号資産の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。















