米国株は26日、寄り付きから1時間たった米東部時間10時31分(日本時間23時31分)の時点で小幅高だ。S&P500に連動するETF(SPY)は前週末比+0.63%、ナスダック100連動のQQQは+0.67%で推移している。個別ではブラジル関連株が2〜5割下げた。AI企業アンソロピックの上場申請と、メタの株式発行計画も重なった。今週のFOMCと大型決算を前に、何が動いたのかを5点にまとめる。
- 指数:SPY+0.63%、QQQ+0.67%、ダウ連動のDIA+0.64%。先週の下げからの小反発にとどまる。
- ブラジル:ルラ大統領の4選でブラジル株ETF(EWZ)が−23.67%。米国上場のブラジル株が軒並み急落した。
- アンソロピック:米証券取引委員会(SEC)に上場申請書類を提出。AI関連株の材料が一つ増えた。
- メタ:AI投資の資金として最大950億ドルの株式発行を計画。株価は−1.09%。
- 金利と原油:米10年債利回りは4.97%台に低下し、原油は1%超安い。FOMCを前に金利の重しがやや軽くなった。
寄り付き1時間の騰落率(米東部時間10時31分、前週末終値比)
読み方:指数連動のETFは小幅高にとどまり、値動きの大部分はブラジル関連株に集中した。取引時間中の値で、終値ではない。出所:stockanalysis.com。
1. 指数:小反発、主役は個別株
結論:指数は小幅高で、方向感は弱い。10時31分時点でSPYは764.73ドル(+0.63%)、QQQは709.15ドル(+0.67%)、DIAは524.73ドル(+0.64%)、小型株のIWMは+0.81%である。
根拠:前週のS&P500は0.5%安、ナスダック総合指数は0.7%安だった(ヤフー・ファイナンス)。週明けは原油安と金利の低下が支えになっている。半導体株ETFのSOXXは+0.90%だ。大型株ではテスラが+6.01%と目立つ。
次:今週はS&P500採用企業の約3分の1が決算を出す。28日(日本時間29日未明)にはFOMCの結果が出る。
2. ブラジル:EWZが2割超安、証券株は半値
結論:25日の決選投票でルラ大統領が51.79%を得て4選を決めた。市場の想定は外れた。10時31分時点でEWZは−23.67%、ペトロブラスは−17.85%、ヌー・ホールディングスは−20.25%、メルカドリブレは−10.40%である。
根拠:予測市場は相手のフラビオ・ボルソナロ氏の勝利を約8割の確率で見込んでいた。ヤフー・ファイナンスの寄り付き後の表示では、証券会社XPが約5割安だった。ブラジル中銀の26日朝の公表レートは1ドル=5.6052レアル。前週末から11.3%のレアル安だ。
次:EWZの終値と、11月3〜4日のブラジル中銀の会合が焦点だ。2002年と2022年の「ルラ勝利」との比較はこちらの記事で詳しく書いた。
3. アンソロピック:上場申請、AI株に新たな物差し
結論:AI企業のアンソロピックが26日、SECに上場申請書類(S-1)を出した。SECの開示システムで同日付の提出を確認できる。
根拠:ヤフー・ファイナンスによると、2026年1〜6月の売上高は163億ドル。2025年通年の46億ドルを上回った。6月までの純損失は807億ドルで、大半は会計上の費用だという。上場日と公開価格は示されていない。
次:アマゾンは+0.86%、アルファベットは−0.15%。上場時の評価額は、AI関連株の値付けの比較対象になる。
4. メタ:最大950億ドルの株式発行
結論:メタは26日、AI投資のため最大950億ドルの株式発行を計画すると発表した。まず350億ドルを引受方式で発行する。残る600億ドルは2027年1〜3月期から市場で随時売り出す。
根拠:アイリッシュ・タイムズによると、エヌビディアなど3社が最大50億ドル分の購入に関心を示した。メタの新株発行は2013年以来とされる。10時31分時点のメタ株は−1.09%、エヌビディアは+1.80%、ブロードコムは+1.24%である。
次:AI投資を株式で賄う動きが他社に広がるかが焦点だ。ネオクラウド株の売りはこちらにまとめた。
5. 金利と原油:FOMC前に重しが軽く
結論:ヤフー・ファイナンスの表示で、米10年債利回りは4.976%に下がった。WTI原油の12月物は1バレル101.72ドルと1.5%安い。長期債ETFのTLTは+0.64%、エネルギー株ETFのXLEは−0.16%だ。
根拠:原油は前週、サウジアラビアへのフーシ派の攻撃で急伸していた。キットコによると、金は米東部時間9時59分に1オンス3,988.90ドル。4,000ドルを再び割り込んだ。
次:FOMCは据え置きが大勢で、焦点は12月の利上げの示唆だ。12月の利上げ確率は約73%と伝えられる。為替への影響はポンドドルの見通しでも取り上げた。
30秒まとめ
指数は小幅高だが、方向を決める材料は今週後半に集中している。寄り付き1時間の主役はブラジル株の急落と、アンソロピックとメタのAI資金調達だった。日本の投資家には、ブラジル関連の投資信託とAI関連株の値動きが直接響く。
主な参照
- ETF・個別株の株価(米東部時間10時31分)/stockanalysis.com
- アンソロピックの上場申請書類(S-1、10月26日提出)/米証券取引委員会
- 市場概況、申請書類の内容、10年債利回りと原油、ブラジル株の表示/ヤフー・ファイナンス
- メタの株式発行計画/アイリッシュ・タイムズ
- ドル・レアルの公表レート/ブラジル中央銀行
- 金のスポット価格/キットコ
- 12月の利上げ確率/インベスティング・ドットコム
データ基準日:2026年10月26日(米東部時間10時31分)。株価とETFは取引時間中の値で、終値ではない。指数そのものではなく連動ETFの騰落率で示した。米10年債利回りと原油はヤフー・ファイナンスの同日朝の表示、金は米東部時間9時59分のキットコの表示で、いずれも取引時間中の値である。アンソロピックの財務数値はヤフー・ファイナンスの報道によるもので、本誌は申請書類の本文を直接確認していない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。













