デル・テクノロジーズ(DELL)の株価が米国時間9月17日、588.40ドルで引けた。終値でも取引時間中の高値593.98ドルでも、上場来の最高値を更新した。会社側の発表はなく、AIサーバー関連株がそろって買われた。確認すべき点を5つに絞る。
- 最高値 終値588.40ドル、取引時間中の高値593.98ドル。従来の終値最高値は11日の567.29ドル。
- 材料なし 会社の発表はない。HPEは7.96%高、スーパー・マイクロ(SMCI)は9.50%高、デルは4.46%高。
- 業績 AIサーバーの受注残は950億ドル(会社発表)。通期の1株利益見通し(非GAAP)は25.50ドルに引き上げられた。
- 株価水準 通期の1株利益見通し(非GAAP)の約23倍。平均目標株価は集計元により560〜600ドル。
- 需給 21日にS&P100へ採用。大株主のシルバーレイクは売却を続けている。
要点1:終値588.40ドルで上場来高値
結論:デル株は17日、588.40ドルで引けて上場来高値を更新した。根拠:従来の終値最高値は11日の567.29ドル。取引時間中の高値も593.98ドルと、16日の576.75ドルを上回った。
デル株の水準(2026年9月)
読み方:決算発表の当日(9月1日)の終値から、17日の終値までの上昇率は38.5%。17日の取引時間中には593.98ドルまで上げた。14日の急落で付けた534.28ドルが、足元の下値の目安として意識されやすい。
9月1日の終値は425.00ドルだった。同日の取引終了後に決算を発表し、2日は15.81%上げた。11日は11.98%上げ、終値で最高値の567.29ドルを付けた。
11日の上昇の理由について、CNBCはハイテク株全体の上昇とRBCキャピタル・マーケッツの新規カバレッジを挙げた。別の報道はオラクルの設備投資計画を挙げている。14日はAI開発の減速論で5.82%下げた。16日に取引時間中の最高値を付け、17日にそれを上回った。
17日の終値588.40ドルは、決算発表前の9月1日終値を38.5%上回る。2025年末の終値125.88ドルと比べると、約367%高い。今年に入って株価は4倍超になり、14日のように1日で5%を超えて下げる日もある。
次:翌18日は、寄り付き直後に595.51ドルまで上げて17日の高値を0.26%上回った。その後は下げに転じ、米東部時間13時37分時点で1.5%安の579.60ドルで推移している。9日時点の水準の整理は52週高値の答え合わせの記事に載せた。
要点2:会社発表はなく、AIサーバー株がそろって上昇
結論:17日のデル株の上昇について、会社固有の材料は報じられていない。根拠:24/7ウォール・ストリートは、HPE、スーパー・マイクロ、デルの3社が固有の材料なしにそろって上げたと伝えた。CNBCは、米長期金利の低下と原油安を受けて、FRB利上げ翌日の相場が反発したと伝えた。
17日の上昇率は、HPEが7.96%、スーパー・マイクロが9.50%。デルは4.46%で、2社を下回った。デル株は寄り付き前の時間外取引で、すでに574ドル台を付けていた。
11日の終値と比べると、3社の位置は異なる。デルは567.29ドルを上回り、HPEは62.09ドルをなお下回る。スーパー・マイクロは40.10ドル前後に戻ったところだ。24/7ウォール・ストリートは、デルの上昇率が小さいのは年初から大きく上げているためだとみている。
次:AI減速論の続報が出れば、14日のような下げが再び起こりうる。FRBは年内の追加利上げを示唆しており、実際に18日は米10年債利回りが再び5%台に戻り、サーバー3銘柄はそろって下げた。同じ日、サンディスクは7.9%高、ラムリサーチは5.0%高と、資金はメモリーと半導体製造装置に向かった(いずれも米東部時間13時37分時点)。反対に、大手IT企業の設備投資の上方修正は追い風になる。14日の売られ方はAIの「作る側」と「使う側」の記事で扱った。
要点3:AIサーバーの受注残950億ドル、1株利益見通しを42%引き上げ
結論:株価の土台は、9月1日に発表した5〜7月期決算にある。根拠:売上高は前年同期比58%増の469.7億ドル。AIサーバーの受注は609億ドル、売上高は164億ドルで、いずれも過去最高だった。同社によると、期末のAIサーバーの受注残は950億ドルに達した。
| 2027年1月期の会社見通し | 従来 | 9月1日時点 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,670億ドル | 1,920億ドル |
| AIサーバー売上高 | 600億ドル | 740億ドル |
| 1株利益(GAAP) | 17.31ドル | 24.37ドル |
| 1株利益(非GAAP) | 17.90ドル | 25.50ドル |
非GAAPの1株利益見通しは、従来の17.90ドルから42%引き上げられた。四半期報告書は、AI需要とメモリーメーカーの供給制約で、メモリー部品のコストが大幅に上昇していると記している。コスト上昇を販売価格に転嫁できなければ、利益率の重荷になる。デルが公表するサプライヤー一覧には、メモリーを手がける日本のキオクシアも載っている。
次:8〜10月期の会社見通しは、売上高490億ドル、非GAAPの1株利益6.50ドル。売上高は5〜7月期から約4%増える計算だ。次回決算の日程はまだ公表されていない。決算の詳細は決算翌日の記事にまとめた。
要点4:株価は1株利益見通しの約23倍
結論:17日の終値588.40ドルは、通期の非GAAP1株利益見通し25.50ドルの約23倍にあたる。根拠:CNBCが示す予想PERは約21倍だが、分母は会社見通しより高い約28ドル(CNBC集計)である。利益予想の置き方で倍率は変わる。
約23倍という倍率は、会社見通しの25.50ドルを達成する前提で成り立つ。見通しを下回れば、同じ株価でも倍率は上がる。
アナリストの平均目標株価は、ナスダックの集計で597.53ドルである。ストックアナリシスは570.48ドル、マーケットビートは560.24ドルとしている。最も高い目標は735ドルだった。
9月に入って目標株価の引き上げが相次いだ。エバコアISIは9日、目標株価を575ドルから650ドルに上げた。RBCキャピタル・マーケッツは新規カバレッジを「アウトパフォーム」、目標株価640ドルで始めた。一方、中立の評価で株価を下回る目標を置く会社も残る。マーケットビートの集計では、モルガン・スタンレーが499ドル、ドイツ銀行が480ドルとしている。
編集部は7月、デル株のフェアバリューを370〜380ドルと示した。その後の業績の上振れで前提が変わり、株価はこの水準を5割以上上回っている。
次:株価と平均目標株価の差は、上下5%以内にとどまる。目標株価の引き上げが続くかどうかが、上値を占う材料になる。
要点5:21日のS&P100採用と、大株主の売却
結論:需給には、買いと売りの両方の材料がある。根拠:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは4日、デルを21日の取引開始前にS&P100へ加えると発表した。パロアルトネットワークス、アリスタ・ネットワークス、サンディスクも同時に加わる。
S&P100の銘柄は、すべてS&P500の構成銘柄である。デルもすでにS&P500に入っている。採用に伴う新たな買いは、S&P100に連動する資金に限られる。17日の上昇をこの採用と結びつけた主要メディアの報道は確認できていない。
投資会社シルバーレイクは、9日時点でデル株を約4,280万株保有する。発行済み株式の約6.7%にあたる。3〜9日には81万株を売却した。14〜16日も売却の届け出(フォーム144)を連日提出しており、15日分と16日分はそれぞれ約12.7万株にのぼる。
次:18日は、株価指数と個別株のオプションが同時に満期を迎えた。約7兆ドル規模とされ、シタデル・セキュリティーズによると、その6割が寄り付きに集中した。デル、スーパー・マイクロ、HPEの3銘柄がそろって寄り付き近辺の高値から下げたのは、この需給が背景にあるとみられる。21日の採用後に買いが続くかどうかが、次の材料になる。
30秒まとめ デル株は会社発表のないまま、AIサーバー株の上昇とともに終値で最高値を更新した。土台には、AIサーバーの受注残950億ドルと、通期の1株利益見通し(非GAAP)25.50ドルがある。21日のS&P100採用と大株主の売却が、当面の需給を左右する。
主な参照
- 2027年1月期第2四半期決算と通期見通し(2026年9月1日)/SEC(デルの8-K)
- 四半期報告書(メモリー部品のコスト)/SEC(デルの10-Q)
- シルバーレイクの保有と売却/SEC(Schedule 13D/A)、SEC(フォーム144)
- S&P100への採用/S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス
- 9月17日の値動きの背景/24/7 Wall St.、CNBC
- 9月11日の上昇/CNBC、24/7 Wall St.
- 株価・高値・目標株価/Nasdaq、stockanalysis.com、MarketBeat
- エバコアISIの目標株価/TheStreet(Yahoo Finance掲載)
- 9月14日の下落/CNBC
データ基準日:2026年9月18日。9月17日までの株価は米国市場の終値。593.98ドルと576.75ドルは取引時間中の高値。9月18日の株価は、米東部時間13時37分時点の取引時間中の値で、終値ではない。会社の見通しは2026年9月1日時点のもの。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。












