ニューヨーク銀先物(期近)は10月19日、日本時間19時40分時点で1トロイオンス57.675ドルだった。前営業日(16日)の清算値57.305ドルに対し0.6%高で、1月29日につけた日中高値121.30ドルからは52.5%低い。同時刻のプラチナ(白金)先物は1,659.1ドルと前営業日比1.6%高だが、世界白金投資協会(WPIC)は2026年の世界需給見通しを供給不足から26万5,000オンスの供給過剰に改めている。
週明けの上げ幅は銀が0.6%、プラチナが1.6%、金が0.2%にとどまる。3つの貴金属はいずれも20日・50日・200日の移動平均を下回ったままで、銀の価格水準は1月高値の半分を割り込んでいる。金価格を銀価格で割った金銀比価は72.6倍で、1月26日の44.2倍から大きく上昇した。
主要数値(10月19日19時40分、日本時間)
| 項目(ドル/トロイオンス) | 銀 | プラチナ | 金 |
|---|---|---|---|
| 先物価格(19日19時40分) | 57.675 | 1,659.1 | 4,187.9 |
| 前営業日(16日)の清算値 | 57.305 | 1,633.1 | 4,181.1 |
| 前営業日比 | +0.6% | +1.6% | +0.2% |
| 19日の取引時間中の値幅 | 56.90〜58.01 | 1,641.1〜1,667.0 | 4,176.0〜4,211.2 |
| 2026年の高値(日中) | 121.30(1月29日) | 2,852.4(1月26日) | 5,586.2(1月29日) |
| 高値からの下落率 | −52.5% | −41.8% | −25.0% |
| 20日移動平均(終値) | 60.84 | 1,703.15 | 4,214.11 |
| 50日移動平均(終値) | 63.90 | 1,759.90 | 4,374.41 |
| 200日移動平均(終値) | 72.11 | 1,927.89 | 4,540.70 |
| 10月の安値 | 55.50(14日、日中) | 1,596.0(15日、日中) | — |
銀の現在値は、20日移動平均を5.2%、50日移動平均を9.7%、200日移動平均を20.0%下回る。プラチナは同じ順に2.6%、5.7%、13.9%下、金は0.6%、4.3%、7.8%下にある。3つの中で下げが最も深いのは銀である。
銀先物57.675ドルと主な水準との距離(%)
銀先物(期近)の10月19日19時40分(日本時間)の取引時間中の値と、16日までの日足終値で算出した移動平均・過去1年の最安値(2025年10月27日終値)、1月29日の日中高値との比較。出所:Yahoo Finance、編集部計算。
背景
下落の起点は1月30日だった。銀先物の終値は前日の114.037ドルから78.29ドルへ下げ、1日の下落率は31.3%に達した。金は同日に9.8%超下落し、1983年以来の大きさの1日の下げとなったとBNNブルームバーグが報じている。同じ週にトランプ大統領は次期FRB議長にケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名し、ドル指数が上昇した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は1月30日に貴金属先物の証拠金引き上げを発表し、2月2日の取引終了後に適用した。
その後も銀は戻りが鈍い。8月21日の終値69.466ドルが下期の戻り高値で、10月14日には日中55.50ドルまで下げた。7月16日の終値55.898ドルとほぼ同じ水準である。プラチナは9月9日の終値1,914.4ドルが戻り高値で、10月14日の終値1,601.3ドルが直近の安値だった。6月30日の終値1,550.2ドルがその下の水準となる。
需給見通し
| 項目 | 銀 | プラチナ |
|---|---|---|
| 見通しの出所 | シルバー・インスティテュート/メタルズ・フォーカス「ワールド・シルバー・サーベイ2026」(4月15日) | WPIC「プラチナ・クォータリー」2026年4〜6月期版 |
| 2026年の需給 | 4,630万オンスの供給不足 | 26万5,000オンスの供給過剰 |
| 2025年の需給 | 4,030万オンスの供給不足 | 140万オンス超の供給不足(上方修正) |
| 2026年の需要 | 総需要は約2%減の11億1,260万オンス | 投資は8万3,000オンスの売り越し、宝飾品15%減、自動車4%減、産業用5%増 |
| その他 | 不足は6年連続の見通し。総供給は約2%減の10億6,640万オンス | 年末の地上在庫は需要の3.4カ月分。次回の公表は11月18日 |
銀は需要と供給がともに約2%減る見通しで、不足幅は2025年から600万オンス拡大する。プラチナは2025年の140万オンス超の供給不足から、2026年は供給過剰に転じる見通しになった。宝飾品需要の15%減と、投資の売り越しが響いている。
今週の材料
ブルームバーグは米国時間18日夕、ウォーシュFRB議長の発言が10月27〜28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置きを支持する内容と受け止められたと報じた。発言の全文は確認できていない。同報道によると、0.25%の利上げの織り込みは「5回に1回未満」に下がった。前週の米物価指標の上振れで強まった利上げ観測とドル高は、これで一服したとしている。同報道は、シンガポール時間19日7時35分のスポット金を前週末比0.4%高の4,180.97ドル、スポット銀を0.6%高の57.33ドルと伝えた。
FRBは9月16日に政策金利の誘導目標を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%とした。金利の付かない貴金属にとって、追加利上げの観測は逆風となる。ドル指数(DXY)は19日19時32分時点で101.94だった。
ETFと国内価格
米国最大の銀ETF「iシェアーズ・シルバー・トラスト(SLV)」の保有量は、10月16日時点で4億9,765万オンス(1万5,478.67トン)、純資産は287億1,042万ドルだった。
| 田中貴金属(1グラム、税込) | 店頭小売価格 | 店頭買取価格 |
|---|---|---|
| 金 | 23,667円(+262円) | 23,118円(+69円) |
| プラチナ | 9,519円(+231円) | 8,970円(+105円) |
| 銀 | 338.58円(+4.40円) | 305.58円(−11.55円) |
銀の店頭小売価格は前日比4.40円上がった一方、買取価格は11.55円下がった。小売と買取の差は33.00円で、小売価格の9.7%にあたる。金の差は549円で小売価格の2.3%、プラチナの差は549円で5.8%である。金の円建て価格の詳細は10月16日の金価格の記事にまとめた。
価格の節目
| 水準(ドル) | 銀 | プラチナ |
|---|---|---|
| 上の節目2 | 63.90(50日平均) | 1,759.90(50日平均) |
| 上の節目1 | 60.84(20日平均) | 1,703.15(20日平均) |
| 現在値(19日19時40分) | 57.675 | 1,659.1 |
| 下の節目1 | 55.50(10月14日の日中安値) | 1,596.0(10月15日の日中安値) |
| 下の節目2 | 46.56(2025年10月27日の終値、過去1年の最安値) | 1,550.2(6月30日の終値) |
銀は20日移動平均の60.84ドルまで5.5%上にある。10月14日の安値55.50ドルまでは3.8%下である。金銀比価は9月30日に69.7倍、10月16日に73.4倍だった。過去1年の範囲は2026年1月26日の44.2倍から2025年10月21日の86.6倍まで。金銀比価の過去の動きは金銀レシオの記事で扱った。9月の金の値動きは9月28日の記事にある。
今後の日程
- 10月23日 米10月の購買担当者景気指数(PMI)速報値。
- 10月27〜28日 米FOMC。結果発表は日本時間29日未明。
- 10月29日 米7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値と9月の個人消費支出(PCE)物価指数。いずれも米東部時間8時30分(日本時間21時30分)。
- 11月18日 WPICが次回の「プラチナ・クォータリー」を公表。
- 12月8〜9日 年内最後の米FOMC。
主な参照
- 銀・プラチナ・金の先物価格と日足(10月19日19時40分=日本時間)/Yahoo Finance
- 2026年の需給見通し、次回公表日/世界白金投資協会(WPIC)
- ワールド・シルバー・サーベイ2026の数値/上海有色網(SMM)
- SLVの保有量・純資産(10月16日時点)/iシェアーズ
- 国内の店頭価格(10月19日17時公表)/田中貴金属工業
- ウォーシュ議長の発言と利上げ観測(米国時間10月18日)/ブルームバーグ(Yahoo Finance UK掲載)
- 1月30日の急落、証拠金引き上げ(2026年2月2日)/BNNブルームバーグ
- FRBの利上げ(2026年9月16日)とFOMC日程/米連邦準備制度理事会
データ基準日:2026年10月19日(日本時間19時40分)。先物価格は取引時間中の値で、終値ではない。前営業日比は16日の清算値との比較であり、Yahoo Financeの日足終値(銀は56.995ドル)とは一致しない。移動平均、高値からの下落率、金銀比価、店頭価格の差は編集部が計算した。プラチナの1月26日高値は単一のデータ源にもとづく。銀の需給見通しはシルバー・インスティテュートの報告書本文を確認できておらず、報道にもとづく。ウォーシュ議長の発言は報じられている内容であり、本文で確認したものではない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品の売買を推奨するものではない。投資判断は各自の責任において行われたい。アイキャッチ画像:Mauro Cateb(ウィキメディア・コモンズ、CC BY-SA 3.0)。
















