ダウが史上最高値、S&P500は8週連続高
2026年5月22日の米国株式市場は主要3指数がそろって上昇し、ダウ工業株30種平均は約295ドル高(+0.59%)の50,580ドル付近で取引を終え、ザラ場で史上最高値を更新した。一時は1%超の上昇となる場面もあったが、引けにかけてやや上げ幅を縮小した。
S&P500種株価指数は0.36%上昇し、これで8週連続の週間プラスとなった。これは2023年後半以来の最長連騰記録であり、米国株の底堅さを象徴する動きとなっている。ハイテク株中心のナスダック総合指数も0.20%高と続伸した。
週を通じてはイランを巡る地政学リスクと、堅調な企業決算・債券市場の安定化という強弱材料が綱引きとなったが、結局はリスクオンの流れが優勢となり、ダウは週間で約2.3%高、S&P500は約1%高、ナスダックは約0.5%高で終えた。
中東外交の進展と原油市場の落ち着き
投資家の関心は引き続き米国とイランを巡る外交動向に集中している。ロイター通信によれば、カタール代表団が米国と連携してテヘランを訪問し、紛争終結に向けた協議を仲介。ルビオ国務長官は合意に向けて「一定の進展があった」と述べた一方、イラン側は重要な相違点が残っていることを示唆した。
原油価格は週初の高値からはやや後退したものの、わずかに上昇して引けた。
- ブレント原油:0.9%高の1バレル103.54ドル
- WTI原油:約0.3%高の1バレル96.60ドル
外交解決への期待がエネルギー供給途絶懸念をやや和らげた形だ。一方、債券市場も落ち着きを取り戻し、10年債利回りは約3bp低下して4.56%付近、30年債利回りは約5.06%まで低下した。週初は長期金利が地政学リスクと原油高によるインフレ懸念から急騰していただけに、利回り低下は株式市場にとって追い風となった。
半導体・ハイテク株が相場を牽引
半導体セクターが市場全体の上昇を支えた。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は上昇し、特にクアルコムは自動車・AI関連事業の好材料を受けて約12%急騰した。エヌビディアは小幅安となったものの、AIインフラ投資への期待は依然として強く、半導体セクター全体は堅調を維持している。
個別株では、レノボの市場予想を上回る四半期決算を受けてデル・テクノロジーズが史上最高値を更新、HPも上昇した。さらに、スペインのプーチとの合併協議打ち切りを発表したエスティ・ローダー、好決算を発表したワークデイなども買われた。
ウォーシュ新FRB議長の就任と日本人投資家への影響
金融政策面では、ケビン・ウォーシュ氏が金曜日に正式にFRB議長に就任したことが市場の注目を集めた。インフレリスク、金利政策、景気見通しが引き続き焦点となる中での船出となる。中東情勢に絡むガソリン高がインフレ期待や消費者マインドに影響を与えており、新議長の最初の政策判断が試される局面だ。
日本人投資家にとっては、米国株の最高値更新と金利低下は二重の好材料となる。S&P500連動ETFやハイテク・半導体関連ファンドへの資金流入が継続する可能性が高く、米国株を組み入れた投資信託のパフォーマンスも改善が見込まれる。一方で、原油価格の高止まりはエネルギー関連株(ENEOSや石油資源開発など)に追い風となる反面、輸入インフレ経由で円安・日本のCPI上昇に波及するリスクもある。
また、米金利低下は日米金利差の縮小を通じて円高方向に作用しやすく、輸出企業の業績懸念材料となる点には留意が必要だ。中東情勢の不透明感が解消されない限り、ボラティリティの高い相場が続く可能性がある。
















