日経平均株価は30日、前日比1,369円36銭安の6万3,290円11銭で取引を終えた。4営業日ぶりの大幅反落である。ただし、東証プライム市場では値上がりした銘柄が807で、値下がりの714を上回った。指数は大きく崩れたが、市場全体が売られたわけではない。この日の東京市場を5つの要点で整理する。
- 結論:日経平均は2.12%安、TOPIXは0.95%安。下げの大半は半導体の値がさ株が作った。
- 根拠:前引け時点の集計では、アドバンテスト1銘柄で約561円、上位3銘柄で約1,051円を押し下げた。
- 最安値:10時53分に1,948円05銭安まで売られ、引けにかけて578円69銭戻した。
- 個別:イビデンはストップ安。村田製作所は上方修正でも7.72%安、コナミグループは14.45%高。
- 次:引け後に東京エレクトロンが過去最高の通期予想を発表。11月3日は休場で、次の取引は2日(月)と4日(水)。
主な銘柄の終値の騰落率(10月30日)
読み方:下落した銘柄はいずれもAI・半導体・電子部品に関わる銘柄で、上昇はゲームや小売など国内・ディフェンシブ寄りの銘柄だった。イビデンはストップ安。出所:stockanalysis.comの日足(東京市場の終値)、本誌計算。
要点1:指数の下げと市場の中身がずれた
結論:日経平均の2.12%安に対し、TOPIXは0.95%安の3,965.07にとどまった。根拠:日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は前日の16.15倍から15.96倍へ下がった。株価の高い半導体株の比重が大きい日経平均だけが、大きく沈んだ形だ。
プライム市場の売買代金は8兆4,659億円、出来高は24億9,911万株だった。33業種のうち下落は17業種、上昇は16業種でほぼ半々である。次:月曜は、NT倍率がさらに下がるか、それとも半導体株の戻りで反発するかを見たい。
要点2:寄与度は半導体の値がさ株に集中
結論:下げの主役はアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの3銘柄だった。フィスコの前引け時点の集計では、3銘柄で日経平均を約1,051円押し下げた。この時点の下げ幅1,639円の64%にあたる。
| 銘柄 | 前引け時点の寄与度 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|---|
| アドバンテスト(6857) | −560.94円 | 34,860円 | −5.86% |
| 東京エレクトロン(8035) | −251.82円 | 9,459円 | −5.74% |
| ソフトバンクグループ(9984) | −238.67円 | 4,481円 | −5.96% |
| イビデン(4062) | −202.26円 | 8,359円 | −15.21% |
| TDK(6762) | −116.30円 | 2,553円 | −7.90% |
| ファーストリテイリング(9983) | +127.02円 | 75,340円 | +2.09% |
| コナミグループ(9766) | +116.47円 | 26,255円 | +14.45% |
根拠:前日の米国市場でナスダック総合指数は1.38%安となり、時間外取引ではアマゾンとインテルが急落した。フィスコは、アルファベットの広告収入の伸びが予想に届かず、巨額のAI投資への疑念が再燃したことも挙げている。日本の半導体株は直前の3日間で大きく上げていたため、下げ幅も大きくなった。次:米国の半導体株指数が週明けに下げ止まるかどうかが、東京の値がさ株の行方を左右する。けさの売りの初動は寄り付き1時間のまとめで追った。
要点3:最安値から3割戻した引け
結論:日経平均は10時53分に1,948円05銭安の6万2,711円42銭まで下げた。その後は下げ幅を縮め、終値は最安値から578円69銭高い水準だった。
根拠:ウエルスアドバイザーによると、韓国株の戻りが鈍く、積極的な買いは限られた。それでも引け間際の売買(クロージング・オークション)では買いが優勢になった。前引けは1,639円69銭安の6万3,019円78銭で、午後に入っても大きな戻りはなかった。次:最安値の6万2,711円は、週明けに下値を試す場合の最初の目安になる。
要点4:同じ上方修正でも、売られた株と買われた株
結論:村田製作所は14時に通期の営業利益予想を20.9%引き上げ、5,200億円とした。それでも終値は7.72%安の6,358円だった。一方、上方修正を前日に出したコナミグループは14.45%高の2万6,255円で、日本経済新聞は上場来高値と報じた。
根拠:村田製作所はデータセンター関連の需要拡大を修正の理由に挙げた。電子部品株は、この日の半導体・AI関連への売りの流れに巻き込まれた。ウエルスアドバイザーによると、同社株は一時12%安まで売られ、発表後に下げ幅を縮めた。コナミグループはゲーム事業の好調が背景で、AI関連の売りとは無関係の銘柄に資金が向かった。前日に上方修正したイビデンは15.21%安の8,359円で、値幅制限いっぱいのストップ安で引けた。経緯はイビデン上方修正の記事にある。次:好決算でも売られる銘柄が続くかどうかは、AI関連への資金の出入りを測る目安になる。
要点5:引け後の材料と、祝日をはさむ日程
結論:大引け後の15時30分、東京エレクトロンが通期の営業利益予想を1兆1,690億円と発表した。過去最高の水準で、初めての通期予想である。詳しくは東京エレクトロン決算の記事で分析した。
根拠:日銀は正午すぎに政策金利を1.25%で据え置いた。フィスコは、同時に決めたETF売却ペースの加速が後場の重しになったと伝えている。基調的な物価上昇率は2%の目標とおおむね整合的と判断した。決定は8対1で、高田委員は1.5%への利上げを提案した。ドル円は午後3時時点で157円台後半で推移した。次:11月2日(月)の後、3日(火)は文化の日で東京市場は休場になる。日本の休場中も米国市場は開いており、4日(水)の寄り付きには2日分の米国の値動きがまとめて反映される。
30秒まとめ:日経平均は1,369円安だったが、プライム市場の値上がり銘柄数は値下がりを上回った。下げは半導体の値がさ株に集中し、前引け時点ではアドバンテストなど3銘柄で約1,051円を押し下げていた。週明けは東京エレクトロンの決算への反応と、最安値6万2,711円を守れるかが焦点になる。
主な参照
- 日経平均・TOPIXの終値、最安値と時刻、売買代金、騰落銘柄数、業種別の動き、村田製作所の一時12%安/ウエルスアドバイザー(Yahoo!ファイナンス)
- 日経平均・TOPIXの終値、前引け時点の寄与度、下落の背景/財経新聞(フィスコ)、同(前引け)、同(大引け概況)
- 個別銘柄の終値(日足)/stockanalysis.com
- 村田製作所の通期業績予想の修正、東京エレクトロンの決算短信/TDnet(東京証券取引所の適時開示)
- コナミグループの上場来高値/日本経済新聞
- 日銀の金融政策決定(8対1、高田委員の反対)/日本銀行
- 米国株の終値(10月29日)/Google Finance
データ基準日:2026年10月30日(金)の東京市場の終値。米国株は10月29日の終値。寄与度は前引け(11時30分)時点のフィスコの集計で、大引け時点の寄与度とは異なる。集計元により数円の差が出ることがある。NT倍率は終値から本誌が計算した。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。















