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Home コモディティ

原油3%超上昇、ホルムズ海峡の供給混乱長期化懸念でブレント1カ月ぶり高値

健一高木 by 健一高木
2026年6月13日
in コモディティ
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原油価格が再び大きく上昇している。水曜日の取引でブレント原油先物は3%上昇し、約1カ月ぶりの高値を付けた。米国がイランの港湾封鎖を延長するとの報道を受け、中東の主要産油地域からの供給混乱が長引くとの懸念が広がったためだ。原油市場は地政学的リスクを織り込む形で連日の上昇となっており、投資家の警戒感は一段と高まっている。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が米政府高官の話として報じたところによると、トランプ大統領は側近に対し、イランに対する封鎖の延長準備を指示したという。米・イスラエルとイランの戦闘は停戦状態にあるものの、正式な終結に向けた交渉は膠着しており、緊張は依然として高い水準にある。

要約

  • ホルムズ海峡の封鎖を背景に主要原油指標が連日のラリーを継続
  • 米国がイラン港湾の封鎖を延長するとWSJが報道、供給混乱の長期化懸念
  • UAEのOPEC脱退は当面の供給増にはつながらないとアナリストは指摘
  • 米原油在庫は2週連続で減少
  • 相場は制度変更より地政学・在庫・物流に強く反応

原油は8日続伸

グリニッジ標準時1004時点で、6月限のブレント原油先物は3.33ドル(3%)高の1バレル114.59ドルを付けた。これで8日連続の上昇となり、3月31日以来の高水準を記録した。6月限は木曜日に期限を迎えるため、より活発に取引されている7月限は2.9%高の107.43ドルとなっている。

米国の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)6月限は3.55ドル(3.6%)高の1バレル103.48ドルに上昇し、4月13日以来の高値を付けた。WTIは直近8営業日のうち7日で上昇しており、上昇基調が鮮明になっている。

海通期貨(Haitong Futures)のアナリスト、ヤン・アン氏は「足元の原油高は海峡封鎖が主因だ。トランプ氏が封鎖延長に踏み切れば、供給混乱はさらに悪化し、原油価格を一段と押し上げ続けるだろう」と述べた。

背景:ホルムズ海峡封鎖と港湾封鎖延長

WSJの報道によれば、トランプ大統領はイランの港湾への出入りを阻止することで、イラン経済と石油輸出への圧力を継続する方針だという。停戦下にあるとはいえ、双方が正式な戦闘終結を模索する中で対立は解けておらず、エネルギー供給の不確実性が長引く構図となっている。

ロイターが確認した通知や事情に詳しい関係者2人によると、アブダビ国営石油会社(ADNOC)は一部の顧客に対し、来月は2種類の原油をホルムズ海峡の外側で積み込めると通知したという。これは海峡が封鎖されたままになっていることを前提とした対応であり、産油国側がすでに代替ルートの確保に動いている実態を示している。

ホルムズ海峡は世界の海上石油輸送の要衝であり、ここでの供給混乱は価格に直接波及しやすい。封鎖が長期化すれば、産油国が代替ルートを使えてもコスト増や物流の遅延は避けられず、原油高の長期化リスクが残る。

UAEのOPEC脱退、当面の影響は限定的

投資家はもう一つの材料として、UAE(アラブ首長国連邦)が突如としてOPECからの脱退を決定したことの影響も見極めようとしている。ただし、アナリストの多くはこの動きが市場に当面大きな影響を与えるとは見ていない。

ANZリサーチはノートで「UAEのOPEC+脱退は、組織の結束力の低下を公式化するものだが、短期的な影響は限定的だ」と指摘。「この動きは長年にわたる生産枠を巡る対立を反映しているが、価格は依然として制度的な変化よりも、地政学・在庫・物流によって動かされている」との見方を示した。

原油相場を動かしているのは制度変更ではなく地政学リスクだ。UAEの増産はホルムズ海峡を通じたエネルギー輸送が再び自由化されない限り効果を発揮せず、当面は供給混乱の長期化観測が価格を支配する。

ING(オランダの金融大手)のアナリストは水曜日のノートで、UAEの増産が実際に効果を発揮するには、まずホルムズ海峡を通じたエネルギー輸送の自由化が実現する必要があると指摘した。一方で中長期的には、UAEの決定は市場により多くの供給をもたらすことを意味し、ブレントの先物カーブはより深いバックワーデーション(期近高・期先安)に移行するはずだと分析している。

米原油在庫は2週連続減少

市場参加者は米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計の発表も待っている。米国石油協会(API)が火曜日に発表したデータでは、国内の原油在庫が2週連続で減少したことが示された。在庫の減少は需給の引き締まりを示すサインであり、足元の価格上昇を下支えする要因となっている。

日本の投資家への影響と今後の見通し

原油価格の上昇は、日本の投資家にとっても看過できないテーマだ。日本はエネルギーの大半を輸入に依存しており、原油高は企業のコスト増やインフレ圧力を通じて幅広い業種に波及する。とりわけ電力・ガス、航空、海運、化学など燃料コストの比重が高い業種には逆風となりやすい。

一方で、INPEXなどの資源関連株や、商社株にとっては追い風となる側面もある。原油高が円安と重なれば輸入インフレが一段と強まり、日銀の金融政策にも影響を及ぼす可能性がある。投資家は以下のポイントを注視したい。

  1. 米国によるイラン港湾封鎖が実際に延長されるかどうか
  2. ホルムズ海峡の通航再開に向けた外交交渉の進展
  3. EIAの週次在庫統計による需給動向の確認
  4. UAE増産が実際に市場に供給される時期と規模

短期的には地政学リスクが原油を押し上げる構図が続くが、中長期ではUAEの増産余地が供給増要因となる。封鎖の解除や停戦の正式化が進めば、相場は一転して調整局面に入る可能性もあり、ニュースフローへの機敏な対応が求められる。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。

Tags: OPECアラブ首長国連邦イラントランプ
健一高木

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