米国株は11月3日、中間選挙の投票日に寄り付いた。取引開始から1時間後の米東部時間10時31分(日本時間4日0時31分)、S&P500種株価指数は前日比0.33%高の7,566.36、ナスダック総合指数は0.75%高の25,352.46で推移している。ダウ工業株30種平均は0.53%安の51,708.55と、指数の間で明暗が分かれた。
まず下の1枚を見てほしい。前日まで売られ続けた半導体株が買い戻され、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.31%高と主要指数で最も強い。一方、決算を受けたアップル、パランティア、ショッピファイが売られ、10月に資金の逃げ場となったウォルマートも下げている。寄り付き1時間の動きは、ここ数週間の資金の流れを小さく巻き戻すものだった。
寄り付き1時間の主な値動き(前日終値比、米東部時間10時31分)
読み方:上位は半導体と、データセンター向けの部品・装置株。下位は決算を受けた売りと、10月に買われたウォルマート。出所:Yahoo Financeの気配値(11月3日10時31分=米東部時間)。
半導体の買い戻し:SOXは3.31%高
SOXは10時31分時点で10,669.95。前日の終値10,328.33は、10月29日の終値11,518.20から2営業日で10.3%下げた水準だった。その一部を取り戻した形だ。個別ではAMD(AMD)が4.77%高、ブロードコムが3.42%高、マイクロン・テクノロジーが3.24%高、エヌビディア(NVDA)が2.80%高。メモリーのサンディスクは5.57%高と上げが目立つ。
AMDは今夜の取引終了後に7〜9月期決算を発表する。直前に買い戻しが入るのは、3日間で19%下げた後で売り方が持ち高を減らしているためとみられる。決算の論点と株価の反応の見立てはAMD決算の事前分析にまとめた。小型株では、半導体の検査装置を手がけるエイアー・テスト・システムズが25.69%高。2日夕に発表した決算が好感されたと各社が報じている。光通信部品の受託生産を担うファブリネットも、データセンター向けの需要で決算が予想を上回ったと伝えられ、15.54%高と大きく上げた。
決算で売られた3銘柄
ショッピファイの7〜9月期(前年同期比、%)
読み方:売上高・流通総額・売上総利益はいずれも約3割増えたが、株価は9%超下げた。増収率は会社の見通し「30%台前半」の範囲内。出所:ショッピファイの決算資料から本誌計算、株価はYahoo Finance。
ショッピファイ(SHOP)は9.36%安の141.60ドル。3日朝に発表した7〜9月期の売上高は前年同期比32%増の37億4,200万ドル、流通総額(GMV)は1,191億4,500万ドルだった。会社が示していた「30%台前半の増収」の範囲には収まっている。だが市場予想には届かなかったと複数のメディアが伝えており、成長の勢いが鈍ったと受け止められた。
パランティアは5.07%安、アップルは2.36%安。いずれも2日夕に決算を発表し、数字は市場予想を上回ったが株価は下げた。アップルはメモリー価格の上昇で利益率の見通しが弱いこと、パランティアは新規契約の伸びの鈍化が売り材料とされる。両社の決算の中身はけさの決算記事で整理した。
逃げ場が売られ、売られすぎが買われる
10月に1999年12月以来の大幅上昇となったウォルマートは1.98%安の125.16ドル。逆に、10月に23%下げたキャタピラーは1.09%高の620.30ドルで推移する。きのう本誌は、この2銘柄はAI関連株への資金が戻るかどうかで逆向きに動くと書いた。寄り付き1時間の動きは、その見立てどおりの方向になっている。2銘柄の分析は注目株の記事にある。
ただし、1時間の動きで流れが変わったと判断するのは早い。SOXは前日までの2営業日で約1,190ポイント下げており、10時31分時点の戻りは約340ポイントと、その3割に満たない。今夜のAMD決算と、日本時間4日朝から始まる中間選挙の開票が、この戻りが続くかどうかを決める。
金利と為替:10年債利回りは4.96%
米10年債利回りは10時16分時点で4.962%と、前日の4.894%から上がっている。株価の戻りと同時に債券が売られた形だ。ダウ平均は株価の高い銘柄の影響が大きい指数で、構成銘柄のアップルとウォルマートの下げが指数を押し下げている。ドル円は10時31分時点で1ドル=158.56円と、前日比0.45%の円安・ドル高。円安は日本の輸出株の追い風になる一方、為替介入への警戒が強まる水準に近い。
今夜の予定は、米国の取引終了後のAMD決算、そして日本時間4日朝の中間選挙の開票だ。米国の発表時刻を日本時間に直して予定を組むなら、タイムゾーン変換ツールが手早い。
4日の東京市場への示唆
| 米国の材料(10時31分時点) | 東京で影響を受けやすい分野 | 見立て |
|---|---|---|
| SOX 3.31%高、AMD・マイクロン高 | 半導体製造装置・検査装置株 | 祝日前の下げを一部取り戻しやすい |
| サンディスク5.57%高 | メモリー関連株 | キオクシアなどに買い戻しが入りやすい |
| キャタピラー1.09%高 | 建設機械株 | コマツなどの下げ止まりを試す |
| ドル円158.56円 | 自動車など輸出株 | 円安は追い風だが介入警戒が上値を抑える |
東京市場は4日、文化の日の祝日明けで再開する。休場中の日経平均先物の動きと、再開後に注目する点は日経平均先物の記事で詳しく扱った。米国の半導体株が取引終了まで上げを保てるかが、東京の寄り付きを最も左右する。
主な参照
- 株価指数・個別株・利回り・為替の気配値(11月3日10時31分=米東部時間)/Yahoo Finance
- ショッピファイの7〜9月期決算/ショッピファイ(米証券取引委員会への提出資料)
- ショッピファイ株の下落理由/インベスターズ・ビジネス・デイリー
- ファブリネットの決算と株価の反応/バロンズ
- エイアー・テスト・システムズの株価上昇/インベスティング・ドットコム
データ基準日:2026年11月3日(米東部時間10時31分、日本時間4日0時31分)。株価・指数・為替は取引時間中の気配値であり、終値ではない。米10年債利回りとラッセル2000は10時16分時点の値。前日比は11月2日の終値との比較。ファブリネットとエイアー・テスト・システムズの決算内容は報道によるもので、本誌は両社の開示資料と照合していない。ショッピファイが市場予想に届かなかったという点も報道ベースで、予想値そのものは本誌で確認していない。東京市場への見立ては本誌の判断であり、将来の株価を保証しない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。











