ユーロ円相場は9月11日、1ユーロ178円00銭を付けた。欧州中央銀行が公表する2026年の参照レートの最安値178円59銭を下回る水準である。欧州中央銀行は前日の10日に利上げを決めたが、ユーロは円に対して下落した。
下落の要因は円高である。9月1日から10日までの参照レートで比べると、ユーロはドルに対して0.22%上昇した。円はユーロに対して3.52%、ドルに対して3.74%上昇している。
主要数値
| 項目 | 水準 | 日付 |
|---|---|---|
| ユーロ円(取引時間中) | 178円00銭 | 9月11日9時38分(米東部時間) |
| 同・前日終値比 | 1円28銭安(0.71%安) | 9月11日 |
| 同・日中安値 | 177円92銭 | 9月11日 |
| 52週の参照レート最安値 | 172円47銭 | 2025年10月1日 |
| 52週の参照レート最高値 | 187円72銭 | 2026年4月17日 |
| 2026年の参照レート最安値 | 178円59銭 | 9月9日 |
| 2026年の参照レート最高値 | 187円72銭 | 4月17日 |
| 2026年最初の参照レート | 183円94銭 | 1月2日 |
| 178円10銭を下回った直近の参照レート | 176円99銭 | 2025年11月7日 |
参照レートは欧州中央銀行が毎営業日に公表する基準値である。2026年の参照レートは1月2日の183円94銭で始まり、4月17日に187円72銭の最高値を付けた。その後は下落基調となり、9月9日に178円59銭と年初来の最安値を更新した。9月11日の取引時間中の178円00銭は、この最安値をさらに59銭下回る。参照レートが178円10銭を下回ったのは、2025年11月3日から7日までの5営業日が直近である。
9月1日以降の変化率(欧州中央銀行の参照レート、9月10日まで)
読み方:ユーロはドルに対して0.22%上昇した。一方で円はユーロに対して3.52%、ドルに対して3.74%上昇した。ユーロ円の下落はユーロ安ではなく、円高で説明される。
背景
欧州中央銀行は9月10日の理事会で主要政策金利を0.25%引き上げた。預金ファシリティ金利は2.25%から2.50%、主要リファイナンス金利は2.65%となった。米国とイランの衝突が始まってからの利上げは6月11日に続き2回目である。2026年のインフレ率見通しは3.0%に据え置かれ、成長率見通しは2026年が0.9%、2027年が1.4%に引き上げられた。
利上げにもかかわらず、ユーロドルは9月11日9時38分時点で1.1603と、前日の参照レート1.1616を下回った。利上げは事前に織り込まれていた。一方で円は、日銀の利上げ観測を背景に主要通貨に対して上昇している。日銀の政策金利は1.00%で、9月17日から18日の会合での0.25%利上げがほぼ織り込まれている。
金利差の変化
| 比較 | 9月11日時点 | 日銀が9月18日に利上げした場合 |
|---|---|---|
| 欧州中央銀行の預金金利 | 2.50% | 2.50% |
| 日銀の政策金利 | 1.00% | 1.25% |
| 欧州と日本の差 | 1.50ポイント | 1.25ポイント |
欧州中央銀行の利上げで欧州と日本の金利差は1.50ポイントに広がった。ただし日銀が9月18日に0.25%利上げすれば、差は1.25ポイントに縮む。市場は利上げの幅だけでなく、両中央銀行の利上げの順序と回数を比べている。
関係者発言
欧州中央銀行は声明で、中東の衝突がインフレ圧力を高め続けており、インフレ率は長期間にわたり目標の2%を大きく上回ると見込まれるとした。利上げを受けたユーロドルの動きは別稿に記載した。
市場反応
9月11日9時38分(米東部時間)時点で、ドル円は153円41銭と前日比0.65%の円高。ユーロ円は0.71%の円高。ユーロドルは0.06%のユーロ安にとどまった。同日発表の米8月消費者物価指数ではコアが予想を上回ったが、円はドルとユーロの両方に対して上昇した。
ユーロ建て資産を保有する日本の投資家にとって、この間の円高は円換算の評価額を押し下げる。9月1日の参照レート185円63銭から178円00銭までの下落率は4.11%である。ユーロ建ての資産価格が横ばいであれば、円換算の評価額は同じ比率で減少する。為替ヘッジの有無によって、この影響の大きさは異なる。
今後の日程
- 9月15日〜16日 米連邦公開市場委員会。結果発表は日本時間17日午前3時。
- 9月16日 欧州中央銀行の新しい政策金利の適用開始。
- 9月17日〜18日 日銀金融政策決定会合。0.25%利上げがほぼ織り込み済み。
- 176円39銭〜177円57銭 2025年11月3日〜7日の参照レート。178円10銭を下回った直近の水準。
ユーロ円の次の目安は、178円10銭を下回った直近の水準である2025年11月上旬の参照レート176円39銭〜177円57銭となる。52週の参照レート最安値は2025年10月1日の172円47銭である。日銀の決定はFOMCの2日後となる。日銀の利上げがほぼ織り込まれた経緯は別稿に記載した。
ユーロ円そのものを取引の対象とする場合、欧州と日本の金利差はスワップポイントとして日々の損益に反映される。金利差が1.50ポイントから1.25ポイントに縮めば、ユーロ買い・円売りの持ち高が受け取るスワップポイントも減少する。取引にはFX口座が必要であり、開設には本人確認の手続きを伴う。口座開設の手順と必要書類はXMの口座開設ガイドにまとめている。
主な参照
- 欧州中央銀行の参照レート(ユーロ円・ユーロドル、2025年9月〜2026年9月)/Frankfurter(欧州中央銀行参照相場)
- 欧州中央銀行の主要政策金利/欧州中央銀行
- 9月10日の理事会の決定内容と見通し/Central Banking
- 為替の取引時間中の値(2026年9月11日9時38分・米東部時間)/CNBC Markets
- 日銀金融政策決定会合の日程/日本銀行
データ基準日:2026年9月11日9時38分(米東部時間)、日本時間22時38分。参照レートは9月10日公表分まで。為替の取引時間中の値は終値ではない。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の通貨の売買を推奨するものではない。記載の水準は執筆時点のものであり、将来の相場を保証しない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。













