主要指数が揃って上昇、ダウは史上最高値を更新
米国株式市場は本日大幅に上昇し、リスクオン地合いが鮮明となった。S&P500種指数(SPY)は+0.50%、ダウ工業株30種平均(DIA)は+0.63%、ナスダック100指数(QQQ)は+0.73%それぞれ上昇している。6月限E-mini S&P先物は+0.47%、6月限E-miniナスダック先物は+0.73%とそれぞれ堅調に推移。
S&P500とナスダック100は1週間ぶりの高値を付け、ダウ工業株30種平均は新たな史上最高値を更新した。相場上昇の主因は、米国とイランが和平合意に近づいているとの観測である。さらに、AI関連への根強い熱狂を背景に、半導体・AIインフラ関連株が大きく値を上げたことも追い風となった。
半導体株とソフトウェア株が相場を牽引
半導体セクターは本日、市場全体を押し上げる原動力となった。主要銘柄の値動きは以下の通り。
- クアルコム(QCOM):+12%超、ナスダック100の上昇率トップ
- AMD、ARMホールディングス、テキサス・インスツルメンツ(TXN):+4%超
- アナログ・デバイセズ、NXPセミコンダクターズ、マーベル・テクノロジー:+3%超
- ASML、KLA、マイクロチップ:+2%超
- ラム・リサーチ、アプライド・マテリアルズ:+1%超
ソフトウェア株では、ワークデイ(WDAY)が決算を好感して+3%超上昇。第1四半期の調整後EPSは2.66ドルと市場予想の2.51ドルを上回り、第2四半期サブスクリプション収入見通しも24.6億ドルと予想を上回った。アトラシアン、サービスナウ、セールスフォース、インテュイット、オラクルなども揃って買われた。
個別株ではデル・テクノロジーズ(DELL)がウェルズ・ファーゴによる目標株価引き上げ(180ドル→270ドル)を受けて+15%超急騰、S&P500の上昇率トップとなった。ズーム(ZM)も決算と通期見通し引き上げを受けて+12%超上昇している。
イラン情勢と原油価格、和平協議の進展に注目
地政学リスクの中心であるイラン情勢では、ロイター通信が「カタールが米国と連携して交渉団をテヘランに派遣した」と報道。イラン側は米国の最新提案が「両者の隔たりを縮めた」と述べており、ホルムズ海峡開放と米国によるイラン港湾封鎖解除を含む短期合意の可能性が浮上している。ルビオ国務長官も「わずかな前進」を認めた。
一方、WTI原油先物はホルムズ海峡閉鎖継続を受けて+1%超上昇しているものの、極めて不安定な値動き。国際エネルギー機関(IEA)は3-4月の世界石油在庫が日量約400万バレルのペースで減少し、紛争が来月終結しても10月まで「深刻な供給不足」が続くと指摘。ゴールドマン・サックスは現在の供給混乱により世界の原油在庫から既に約5億バレルが取り崩され、6月までに10億バレルに達する可能性があると試算している。
日本の投資家への影響と注目ポイント
米株高は日本株にも追い風となる見込みだ。本日の日経平均はすでに+2.68%と大幅高で1週間ぶり高値を付けており、米半導体株高を受けて東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループなどAI・半導体関連銘柄への資金流入が継続する可能性が高い。
ただし注意点もある。ミシガン大学5月消費者信頼感指数は44.8へ下方修正され過去最低を記録、1年先インフレ期待は+4.8%へ上方修正された。FRBウォラー理事は「インフレが正しい方向に向かっていない」とし、次の政策金利変更が利上げになる可能性も排除しない姿勢を示唆。市場は6月FOMCでの利下げ確率をわずか2%と織り込んでおり、金融政策面での不透明感は残る。
また、第1四半期決算はS&P500の470社中83%が予想を上回ったが、テクノロジーセクターを除くと前年比+3%増益にとどまり、2年ぶりの低水準。AI関連の一極集中が継続している点には留意が必要だ。
ボトムライン
半導体・AI関連株の勢いと地政学リスクの後退期待が続く局面では、日本のハイテク関連にも追随買いが入りやすく、押し目買い戦略が有効と考えられる。















