ディスコ(6146)の株価は23日の前場、前日比3,250円安(6.34%安)の4万7,980円で終えた。取引時間中の安値は9時10分の4万6,100円で、1月5日に付けた4万9,330円を下回り年初来安値を更新した。同社は22日の取引終了後、10〜12月期の連結営業利益を581億円と見込むと発表した。7〜9月期の676億円から14.1%減る計算になる。
4〜9月期(中間期)の連結決算は、売上高が前年同期比32.1%増の2,570億5,800万円、営業利益が47.9%増の1,166億3,900万円だった。7〜9月期は売上高1,428億円、営業利益676億円で、会社が7月に示した見通し(1,285億円、559億円)をそれぞれ11.1%、20.9%上回った。出荷額は1,486億円で、見通しの1,410億円を76億円上回った。10〜12月期の出荷額見通しは1,496億円で、7〜9月期から0.7%の増加にとどまる。
四半期の業績と10〜12月期の会社見通し
| 連結(億円) | 2025年7〜9月 | 10〜12月 | 2026年1〜3月 | 4〜6月 | 7〜9月 | 10〜12月(会社見通し) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,046 | 1,093 | 1,331 | 1,143 | 1,428 | 1,324 |
| 営業利益 | 444 | 473 | 588 | 490 | 676 | 581 |
| 営業利益率 | 42.4% | 43.3% | 44.2% | 42.9% | 47.4% | 43.9% |
| 純利益 | 321 | 367 | 429 | 342 | 461 | 415 |
| 出荷額 | 963 | 1,136 | 1,216 | 1,359 | 1,486 | 1,496 |
10〜12月期の会社見通しを7〜9月期と比べると、売上高は7.3%減、営業利益は14.1%減、純利益は10.0%減となる。営業利益率は47.4%から43.9%へ3.5ポイント下がる。前年同期の2025年10〜12月期との比較では、売上高が21.1%増、営業利益が22.8%増、出荷額が31.7%増である。
同社は業績予想を1四半期先までしか開示しない。決算短信に記載された予想も4〜12月期の累計で、売上高3,895億円(前年同期比28.2%増)、営業利益1,747億円(同38.4%増)である。累計から中間期の実績を差し引いた値が、上の表の10〜12月期の数字にあたる。
ディスコの四半期出荷額と営業利益(連結、億円)
出荷額は10〜12月期も横ばい圏で過去最高を見込む一方、営業利益は7〜9月期から95億円減る見通し。出所:ディスコ「2026年度 第2四半期 決算説明資料」「第1四半期 決算説明資料」。
製品別の出荷見通し
決算説明資料は、10〜12月期の出荷額を製品群ごとに7〜9月期と比べた見通しを示した。装置は増え、消耗品は減る構成である。
| 製品群 | 10〜12月期の出荷額(前四半期比) |
|---|---|
| グラインダ(研削装置) | 10%増 |
| 周辺装置 | 10%増 |
| 精密加工装置(合計) | 5%増 |
| レーザソー | 横ばい(0%) |
| ダイサ(切断装置、合計) | 微減 |
| ブレードダイサ | 5%減 |
| 精密加工ツール(消耗品) | 5%減 |
| その他 | 10%減 |
グラインダはウエハーを薄く削る装置で、半導体チップを積み重ねる工程で使われる。高帯域メモリー(HBM)など生成AI向けの用途がある。精密加工ツールは刃やホイールなどの消耗品で、顧客工場の稼働に連動する。
背景
ディスコは10月6日、7〜9月期の個別出荷額が1,239億円と四半期の過去最高になったと発表していた。株価は同日の終値6万5,500円から下落に転じた。23日前場の4万7,980円は、10月6日の終値から26.7%安い。6月23日に付けた年初来高値9万1,680円からは47.7%安となる。
半導体関連株は22日の米国市場で売られた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6%を超えて下落した。米ラムリサーチの供給制約に関する警告と、AI関連投資の採算に対する懸念が重なった。ディスコ株は決算発表前の22日の取引時間中にも4.37%下げている。
会社の説明
決算説明資料は上期について「上期出荷額が過去最高を更新(YoY約4割増)」とし、「生成AI向け需要を中心に、ダイサ・グラインダともに出荷が伸長」と記した。工場については「高水準の装置・消耗品需要への対応が続き、工場の繁忙が継続」としている。
7〜9月期の増収要因は「機械装置の検収進捗および消耗品出荷堅調」、売上総利益率の改善要因は「為替影響および高付加価値製品等」と説明した。株探によると、同社は予想を1四半期先までとする理由として、半導体・電子業界では顧客の投資意欲が短期間で激しく変動し、需要の予測が困難であることを挙げている。
配当と為替の前提
中間配当は1株186円と、従来予想から15円引き上げた。前期の中間配当は129円だった。期末配当は未定である。配当方針は連結半期純利益の25%を基本とし、現預金が必要額を超えた場合は超過額の3分の1を目安に上乗せする。支払い開始は12月1日の予定である。
10〜12月期の想定為替レートは1ドル=151円。為替感応度は年換算でドルが1円あたり約21億円、ユーロが約1億円と開示した。ドル円は23日の東京時間に156円08銭から157円13銭の範囲で推移した。年換算の感応度を四半期に割り戻すと、ドル円が想定より1円円安なら約5億円の増益要因となる計算である。
市場の反応と株価指標
| 項目 | 値 | 注記 |
|---|---|---|
| 前場終値(10月23日11時30分) | 47,980円 | 前日比−3,250円(−6.34%) |
| 前場の始値・高値・安値 | 48,530円・50,850円・46,100円 | 高値は9時46分、安値は9時10分 |
| 前場の出来高 | 242万5,700株 | 10月の1日平均(約190万株)を前場だけで上回った |
| 前日終値(10月22日) | 51,230円 | 前日比−4.37% |
| 年初来高値 | 91,680円(6月23日) | 前場終値は47.7%下 |
| これまでの年初来安値 | 49,330円(1月5日) | 23日の取引時間中に下回った |
| 7月30日の安値 | 49,400円 | 23日の取引時間中に下回った |
| 25日移動平均(終値ベース) | 約55,900円 | 前場終値との乖離率は−14.2% |
| RSI(14日、ワイルダー方式) | 31.6 | 前場終値を当日値として計算。30を下回ると売られ過ぎの目安とされる |
RSIは一定期間の値上がり幅と値下がり幅の比率から、相場の過熱や売られ過ぎの度合いを0〜100で示す指標である。30を下回っても下げ止まるとは限らない。直近14営業日のうち、終値が前日を下回った日は9日あった。
同じ前場、東京市場の半導体関連株は東京精密(7729)が8.37%安、日東紡績(3110)が8.17%安だった。日経平均株価は1,168円14銭安の6万1,739円70銭で前場を終えた。寄り付き直後の値動きはこちらの記事にまとめた。7〜9月期の出荷額速報の内訳は、10月6日の記事で扱った。
今後の日程
- 10月29日(木):ディスコが半期報告書を提出する予定。
- 10月29日(木)未明(日本時間):米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表。
- 10月30日(金):日銀の金融政策決定会合の結果と展望リポート。
- 12月1日(火):中間配当(1株186円)の支払い開始予定。
- 次回の出荷額速報は10〜12月期分。7〜9月期分は四半期末から6日後の10月6日に公表された。
主な参照
- 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信(連結業績、配当、4〜12月期の予想)/ディスコ
- 2026年度 第2四半期 決算説明資料(四半期推移、10〜12月期見通し、製品別見通し、為替感応度)/ディスコ
- 2026年度 第1四半期 決算説明資料(7〜9月期の会社見通し:売上高1,285億円、営業利益559億円、出荷額1,410億円)/ディスコ
- 前場の株価、年初来高値・安値/ヤフー・ファイナンス
- 日足の終値・出来高/株探
- 前場の値動きと業績予想を1四半期先までとする理由/株探(MINKABU PRESS)
- 22日の米国市場とSOX指数/Investrade、CNBC
- ドル円の23日の値幅/ヤフー・ファイナンス
データ基準日:2026年10月23日の東京市場の前場終値(11時30分)。23日の株価、出来高、乖離率、RSIは取引時間中の値にもとづき、大引けの終値ではない。業績は連結で、10〜12月期の数字は会社見通しであり実績ではない。製品別見通しは会社が示した増減率で、金額は開示されていない。四半期の営業増益要因(約5億円)は会社開示の年換算感応度を4で割った単純計算である。10月の1日平均出来高は株探の日足(10月1日〜22日のうち取得できた日)から計算した。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。アイキャッチ画像:Rob Bulmahn「Silicon Wafer」(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)。
















