米国株式市場の主要指数が軒並み上昇
金曜日の米国株式市場は主要3指数がそろって上昇し、特にダウ工業株30種平均が取引時間中の史上最高値を更新する歴史的な一日となった。中東情勢の緊張緩和への期待感と好調な企業決算が相場を支え、投資家心理は大きく改善した。
暫定値によると、S&P500種株価指数は27.84ポイント(0.36%)高の7,473.56ポイントで取引を終え、これにより同指数は8週連続の上昇を達成した。ナスダック総合指数は50.87ポイント(0.20%)高の26,346.27ポイント、ダウ平均は294.90ポイント(0.59%)高の50,580.56ポイントで引けた。
オーシャン・パーク・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)であるジェームズ・セント・オービン氏は「決算シーズンは非常に良好で、経済指標も一部の例外を除けばかなり堅調だ。ファンダメンタルズは極めて健全に見える」とコメント。中東情勢を巡る戦争懸念が「株式市場にとって大きな速度低下要因」だったとしつつも、当日の報道は「市場の追い風になった」と分析した。
中東情勢の進展とウォーシュ新FRB議長就任
マルコ・ルビオ国務長官は金曜日、米国がイランとの合意に向けて「一定の進展があった」と述べた。ただし「やるべきことは残っている」とも付け加えており、イラン外務省報道官は「両国間の隔たりはなお深い」との認識を示している。それでも、対話継続の姿勢自体が市場のリスクオン気分を後押しした格好だ。
同日、ケビン・ウォーシュ氏が新たな連邦準備制度理事会(FRB)議長として宣誓就任した。米経済にとって極めて重要な局面での船出となる。イラン情勢に絡むガソリン価格の上昇がインフレを再燃させ、消費者マインドを圧迫しているため、新議長の金融政策運営には市場の注目が集まる。
債券市場では長期金利が低下し、米10年債利回りは2.6ベーシスポイント低下の4.558%となった。セント・オービン氏は「債券市場は落ち着きを取り戻しており、今週前半のピークから利回りが下がっていることは非常に心強い」と指摘している。
個別銘柄ではテック・PC関連が躍進
半導体株は最近のウォール街の上昇を牽引してきたが、この日も総じて堅調だった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)はクアルコムの上昇に支えられて値を上げた一方、エヌビディアは小幅安となった。
PCメーカー関連では中国レノボ・グループの好決算が好感され、関連銘柄が急騰した。レノボは四半期売上高が市場予想を上回る前年同期比27%増を記録。これを受けて、
- デル・テクノロジーズ:史上最高値を更新
- HP:大幅上昇
- クアルコム:半導体株の上昇を牽引
といった動きが見られた。また、化粧品大手のエスティ・ローダーは、スペインの香水メーカーであるプーチとの合併交渉打ち切り報道を受けて株価が上昇した。
日本の投資家への影響と注目ポイント
米国市場の最高値更新は、日本の投資家にとっても重要な意味を持つ。第一に、ダウ平均の史上最高値更新は東京市場の寄り付きにポジティブな影響を及ぼす可能性が高く、特に日経平均採用銘柄のうち米国景気敏感株(機械、半導体製造装置、自動車関連)に追い風となる。
第二に、米長期金利の低下はドル円相場に下押し圧力を加える可能性があり、輸出企業の業績見通しには注意が必要だ。一方で、グロース株(成長株)やハイテク株にとっては金利低下は追い風となるため、日本のソフトバンクグループや東京エレクトロン、アドバンテストといった半導体・テック関連銘柄の動向が注目される。
また、レノボの好決算を受けたPC需要回復の兆しは、関連サプライチェーンを構成する日本企業(ディスプレイ、メモリー、電子部品メーカー)にも恩恵をもたらす可能性がある。中東情勢の動向は原油価格を通じてエネルギー関連株や航空・運輸株にも波及するため、引き続き警戒が必要だ。
ボトムライン
中東緊張緩和期待と好決算で米株は最高値圏入りしたが、地政学リスクと新FRB議長の政策スタンスを見極めつつ、日本のハイテク・半導体関連株への押し目買いを検討したい局面だ。
















