トランプ発言で原油急反落、ブレントは110ドル台へ
水曜日の原油市場は、米国のドナルド・トランプ大統領が現在進行中のイランとの紛争について「非常に早期に」終結する可能性があると示唆したことを受け、中東での長期的な供給途絶への懸念が和らぎ、価格が下落した。国際指標であるブレント原油は88セント下落して1バレル110.40ドル、米国のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は67セント下落して103.48ドルとなった。
トレーダーは外交進展の兆しに即座に反応した形だが、市場は依然として極めて不安定な状況が続いている。トランプ氏は協議が失敗した場合には軍事行動を再開する可能性にも言及しており、地政学的リスクプレミアムは原油価格に織り込まれたままだ。
ホルムズ海峡リスクと在庫減少が下支え
世界の石油・LNG供給量の約5分の1を担う重要な輸送ルートであるホルムズ海峡を巡る懸念は依然として残っている。同海峡を通過するタンカーの動きは通常水準を大幅に下回っており、世界の原油在庫も逼迫が続く。
米国の原油在庫は5週連続で減少しており、中東からの輸出制限が続けば供給不足が深刻化する可能性がある。サウジアラムコのアミン・ナセルCEOは、ホルムズ海峡を通じた供給途絶が現状の水準で続けば、市場は週あたり約1億バレルを失う可能性があると警告した。
主な需給リスク要因は以下の通り:
- ホルムズ海峡通過タンカーの大幅な減少
- 米国原油在庫の5週連続減少
- OPECによる2026年需要見通しの下方修正
- IEAによる需給逼迫警告
- 米戦略石油備蓄(SPR)の追加放出
シティは120ドル復帰シナリオも提示
ロイターが引用したシティのアナリストによれば、供給途絶が想定以上に長期化した場合、ブレント原油は1バレル120ドルに向けて反発する可能性があるという。OPECは高騰する燃料価格の経済への悪影響とホルムズ海峡危機に伴う供給途絶を理由に、2026年の石油需要伸び率予想を最近引き下げた。
一方で、トランプ政権は先週、世界市場を落ち着かせるため米戦略石油備蓄からの追加放出を承認しており、各国政府も価格安定化に向けた介入姿勢を強めている。
日本の投資家への影響と注目ポイント
日本は原油の大部分を中東からの輸入に依存しているため、ホルムズ海峡を巡る情勢は国内エネルギー価格や関連株に直結する。原油高が続けばINPEX(1605)や石油資源開発(1662)など資源関連株には追い風となる一方、電力・ガス・航空・運輸など燃料コスト負担の大きいセクターには逆風となる。
また、円安基調が続く中で原油高が長期化すれば、貿易収支の悪化や輸入物価上昇を通じて日本経済全体への圧迫要因にもなり得る。短期的には停戦への期待と供給逼迫の現実が綱引きする展開が予想され、ニュースヘッドラインに敏感な相場が続くだろう。投資家はWTI・ブレントの価格動向に加え、米在庫統計やOPEC会合、ホルムズ海峡の通航状況を注視する必要がある。
ボトムライン
原油市場は停戦期待と供給逼迫の狭間で高ボラティリティが続く見通しであり、エネルギー関連株の機動的なポジション管理が重要となる。
















