日経平均株価は9月9日、126円55銭安の6万5,142円78銭で引けた。9月4日の終値6万5,020円94銭と比べれば、3営業日で121円84銭高。ほぼ横ばいである。だがその3日間の中身を開けると、指数がほとんど動かなかったという表現は成り立たない。
- 3日間の変化:9月4日終値から9日終値まで、日経平均は121円84銭高。率にして0.19%の上昇。
- 1銘柄の寄与:ソフトバンクグループの寄与度は3日合計で959円81銭。3日とも値上がり寄与の1位だった。
- 残りの224銘柄:差し引きで837円97銭の押し下げ。指数はこの2つの力が釣り合った結果である。
- 上げは狭く、下げは広い:9月8日の日経平均構成銘柄は値上がり59、値下がり165。7日の急騰時は105対120だった。
- 急騰の行方:9月7日の1,378円90銭高は、2営業日で91.2%が失われた。
要点1 3日間でほぼ元の位置に戻った
結論:指数の水準だけを見れば、この3営業日はなかったことになる。
根拠:9月7日は1,378円90銭高の6万6,399円84銭。8日は1,130円51銭安。9日は126円55銭安。差し引きで121円84銭の上昇にとどまる。7日の上げ幅のうち91.2%が2営業日で消えた計算になる。
次:水準が戻ったことと、中身が戻ったことは別である。以下の4点はその差を見ていく。
要点2 ソフトバンクG1銘柄で959円81銭
結論:3営業日とも、値上がり寄与の1位は同じ銘柄だった。
9月7日から9日までの3営業日、日経平均に何が起きたか(円)
読み方:3営業日を通せば日経平均はほぼ横ばいに戻っている。だがその内訳を開けると、ソフトバンクグループ1銘柄が959円81銭を押し上げ、残る224銘柄が837円97銭を押し下げていた。指数が動かなかったのではなく、正反対の2つの力がたまたま釣り合っただけである。
根拠:ソフトバンクグループの寄与度は7日が504円44銭、8日が272円74銭、9日が182円63銭。合計959円81銭になる。指数が1,130円下げた8日にも、この銘柄は339円高で寄与1位だった。
次:3日間の指数の変化121円84銭から959円81銭を差し引くと、残る224銘柄の寄与は837円97銭のマイナスになる。本誌の試算だが、使った数値はいずれも公表された寄与度である。
要点3 上げは4銘柄、下げは市場全体
結論:上昇と下落で、動いた銘柄数の広がりが正反対だった。
根拠:9月7日の急騰では、上位4銘柄が上昇分の87.9%を占めた。値上がりは105銘柄、値下がりは120銘柄。ところが8日の下落では、値上がりがわずか59銘柄、値下がりが165銘柄まで広がった。押し下げ上位5銘柄の寄与は595円43銭で、下げ幅の52.7%にとどまる。残りは市場全体が担った。
次:狭い上昇と広い下落は、同じ相場の裏表ではない。上げは一部の資金が作り、下げは多くの投資家が参加したという意味になる。
要点4 急騰を作った銘柄が、下げも作った
結論:7日に指数を押し上げた半導体関連が、8日と9日の押し下げ上位に並んだ。
根拠:8日の押し下げ1位は東京エレクトロンで185円04銭、2位はアドバンテストで164円12銭。9日は1位がアドバンテストで241円36銭だった。いずれも7日の押し上げ上位にいた銘柄である。イビデンとTDKも同様に往復した。
次:7日の上昇を4銘柄で説明した記事で、本誌は「4銘柄で87.9%を押し上げられる仕組みは、同じ4銘柄で同じだけ押し下げられる仕組みでもある」と書いた。2営業日で、その通りのことが起きた。
要点5 例外はソフトバンクGだけだった
結論:7日の主役4銘柄のうち、3銘柄は反落し、1銘柄だけが上げ続けた。
根拠:9日終値でアドバンテストは3万2,800円、東京エレクトロンは5万3,700円、キオクシアは5万7,000円。いずれも7日終値を下回る。一方でソフトバンクグループは6,783円で、7日の6,217円をさらに上回った。9月3日の5,001円からは3割を超える上昇になる。
次:9月4日に11.78%高を報じた時点で、同社株は52週高値から38.4%下にあった。9日終値では約25%下まで詰めている。この銘柄1つが、指数の見え方を左右し続けている。
30秒まとめ。日経平均は3営業日で121円84銭高と、ほぼ元の水準に戻った。だがソフトバンクグループ1銘柄が959円81銭を押し上げ、残る224銘柄が837円97銭を押し下げた結果である。指数が動かなかったのではなく、正反対の2つの力が偶然釣り合っただけであり、この釣り合いは片方が崩れた日に一気に外れる。
主な参照
- 日経平均の寄与度ランキングと騰落数(2026年9月7日・8日・9日の大引け)/株式ちゃんねる、財経新聞(フィスコ)
- 9月8日の寄与度と騰落数/株式ちゃんねる、財経新聞(フィスコ)
- 日経平均・TOPIXの終値/CNBC Markets
- 日経平均株価の算出方法/日経平均プロフィル
データ基準日:2026年9月9日の東京市場終値。寄与度と騰落数は出典の公表値、残り224銘柄の寄与は本誌試算である。個別銘柄の終値は情報提供元により小幅な差がある場合がある。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。
















