テスラ(TSLA)の株価は金曜日、米中首脳会談への高い期待にもかかわらず、同社の自動運転開発に関する大きな進展が示されなかったことを受け、約4%下落した。
株価は取引開始直後に428.72ドル付近まで下落し、3週連続で続いていた上昇基調が途切れた。
金曜日の取引開始時点で、テスラ株は前週の9.6%上昇に続き、今週も約3.5%上昇していた。
今回の下落は、ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席の会談が、テスラに直接的な恩恵をもたらすような主要な貿易・投資関連の発表を伴わずに終了したことを受けたものだ。
投資家の間では、イーロン・マスクCEOが米国代表団の一員として参加した今回の首脳会談を機に、中国におけるテスラの完全自動運転ソフトウェアの規制承認が加速するとの期待が高まっていた。
しかし、具体的な合意が示されなかったことで市場心理が悪化し、テスラ株の直近の上昇にブレーキがかかった。
市場全体も金曜日は軟調に推移した。投資家は週初めの力強い上昇を受け、テクノロジー株を中心に利益確定売りを進めた。
中国でのFSD承認は依然として最重要課題
中国はテスラにとって世界で最も重要な市場の一つであり、同社の長期的な人工知能(AI)戦略においても極めて重要な位置を占めている。
中国で完全自動運転(FSD)が承認されれば、世界最大の電気自動車市場において、新たなソフトウェア収益源が大きく開かれることになる。
テスラは現在、米国の顧客向けにFSDサブスクリプションを月額99ドルで提供している。
4月、同社は第1四半期末時点でFSDサブスクリプション数が約130万件に達したと報告した。これは前年同期の約85万件から大幅な増加となる。
テスラは2025年の売上高の20%以上を中国で計上しており、中国での規制承認は車両販売だけでなく、将来的なソフトウェア収益化にとっても戦略的に重要である。
テスラに対する投資家の期待は、自動運転、ロボタクシー、ヒューマノイドロボット「オプティマス」など、より広範な「フィジカルAI」構想に集中しつつある。
同社は6月にオースティンでサービスを開始して以降、現在では米国の4都市でロボタクシー事業を展開している。
一方で、投資家はテスラに対し、事業拡大の加速と、これらのAI関連事業が大規模な収益を生み出せることを示す明確な証拠を求め続けている。
オーストラリアでの訴訟は継続中
テスラは金曜日、約1万人のドライバーが参加するオーストラリアの集団訴訟に関連し、新たな法的精査に直面した。
この訴訟では、テスラがファントムブレーキ、バッテリー航続距離、自動運転機能に関して消費者を誤認させたと主張されている。
公判前審理では、連邦裁判所のトム・ソーリー判事が、テスラが8ヶ月間でわずか2,000件の文書しか提出していないと報じられたことを受け、同社が証拠開示手続きを真剣に受け止めているのか厳しく問いただした。
原告側の弁護士は、提出された資料では、訴訟に関わる技術専門家への説明には不十分だと主張した。
ソーリー判事は、情報開示の不十分さを「驚くべきことだ」と述べ、協力姿勢が改善されなければ、テスラは「非常に厳しい状況」に直面する可能性があると警告した。
テスラは顧客を誤認させたとの主張を否定しており、製品の特性を偽って表示したことはないと主張している。
今回の訴訟がテスラの短期的な業績に大きな影響を与える可能性は低いものの、規制当局や裁判所がAI支援運転システムへの監視を世界的に強める中で、同社の自動運転技術に対する注目はさらに高まりそうだ。












