ドル指数、消費者信頼感悪化で失速
金曜日のドル指数(DXY00)は早朝に上昇したものの、その後失速し、ほぼ横ばいで取引を終了した。ミシガン大学が発表した5月の米消費者信頼感指数(確報値)が過去最低の44.8に下方修正されたことが、ドル売りを誘った。市場予想は48.2で据え置きだったが、結果は大幅に下振れし、1978年の統計開始以来の最低水準を記録した。
さらに、同日の米株式市場の上昇が安全資産としてのドル需要を後退させたことも、ドルの重しとなった。ただし、FRBのウォラー理事が「インフレが早期に鈍化しなければFRBの利上げを支持する」とタカ派的な発言を行ったことが、早朝のドル買い材料となっていた。
インフレ期待は上振れ、利下げ観測は後退
ミシガン大学調査では、消費者心理の悪化と裏腹に、インフレ期待が大きく上振れした点が注目される。主な数値は以下の通り:
- 5月1年先インフレ期待:+4.8%(9カ月ぶり高水準、前回+4.5%、予想+4.6%)
- 5月5〜10年先インフレ期待:+3.9%(7カ月ぶり高水準、予想据え置きの+3.4%を上回る)
ウォラーFRB理事は「インフレは正しい方向に向かっていない」と述べ、次回の政策変更が利下げではなく利上げとなる可能性も排除しない姿勢を明確にした。スワップ市場では、6月16-17日のFOMCでの25bp利下げ確率は0%まで低下しており、FRBの金融政策の方向性が大きく変化している可能性がある。
ユーロと円の動向、ECB利上げ観測強まる
ユーロドル(EUR/USD)は-0.08%と小幅に下落したが、前日の6週間ぶり安値は維持した。ドイツの5月IFO企業景況感指数は予想に反して+0.4ポイント上昇の84.9、6月GfK消費者信頼感指数も-29.8と予想を上回り、ユーロを下支えした。ECBのデマルコ理事は「6月会合で利上げが必要になる可能性が高い」と発言。スワップ市場は6月11日のECB会合での25bp利上げを88%の確率で織り込んでいる。
ドル円(USD/JPY)は+0.09%上昇。日本の4月全国CPIが前年比+1.4%と予想の+1.6%を下回り、コアコアCPIも+1.9%と1年9カ月ぶりの低い伸びにとどまったことで、円売り材料となった。一方で、日経平均が2%上昇し1週間ぶり高値となったことも、円の安全資産需要を後退させた。ただしドル円が160円に近づけば、日本当局による為替介入リスクが意識される展開だ。
日本の投資家への影響と金市場
日本の個人投資家にとっては、ドル円相場の方向性が最大の焦点となる。FRBの利上げ観測復活はドル高材料となる一方、米消費者信頼感の悪化は景気減速懸念を高め、米国株や輸出関連銘柄に影響を及ぼす可能性がある。また、日銀の6月16日会合での25bp利上げ確率は76%と高水準で、円高への警戒も必要だ。
金市場では、COMEX金6月限が-0.42%下落、銀7月限が-0.69%下落で引けた。株高による安全資産需要後退とタカ派発言が重しとなった。ただし、中国人民銀行(PBOC)が4月に26万オンスの金を追加購入(18カ月連続)するなど、中央銀行の旺盛な金需要は中長期的な下支え要因となる。















