米ドル・カナダドル(USD/CAD)は10月16日のニューヨーク市場で1.4137カナダドルで取引を終えた。週間では0.81%のドル安・カナダドル高だった。14日には米9月の消費者物価指数(CPI)の発表直後に1.4300まで上昇し、2025年4月2日以来の高値を付けた後、反落した。
カナダ銀行(中央銀行)は10月28日に政策金利を発表する。同じ日に米連邦公開市場委員会(FOMC)も2日目の結果を出す。その前に、19日のカナダ9月CPIが控える。原油は週間で1割上昇した。円換算のカナダドル円は16日時点で約111.76円(本誌計算)。
主要数値
| 項目 | 数値 | 時点・備考 |
|---|---|---|
| USD/CAD | 1.4137 | 10月16日 米東部時間16時(ニューヨーク終値) |
| 前週末比 | −0.81% | 10月9日16時の1.4253と比較 |
| 今週の高値 | 1.4300 | 10月14日、米CPI発表後。2025年4月2日以来の高値 |
| 今週の安値 | 1.4131 | 10月16日 |
| 1カ月のレンジ | 1.3989〜1.4300 | 安値は9月21日 |
| 3カ月の安値 | 1.3733 | 8月21日 |
| 52週の安値 | 1.3484 | 2026年1月30日前後 |
| 20日移動平均 | 1.4192 | 終値は下回る |
| 50日移動平均 | 1.4000 | 終値は上回る |
| 100日移動平均 | 1.4036 | 終値は上回る |
| 200日移動平均 | 1.3879 | 終値は上回る |
| カナダの政策金利 | 2.25% | 2025年10月29日に引き下げ、2026年9月2日に据え置き |
| 米国の政策金利 | 3.75〜4.00% | 2026年9月16日に0.25%引き上げ(全会一致) |
| 政策金利差(米国−カナダ) | 1.50〜1.75% | 本誌計算 |
| WTI原油(11月物) | 101.41ドル | 10月16日の清算値、週間+10.4% |
USD/CADの節目(カナダドル)
読み方:16日の終値は20日移動平均の下、50日移動平均の上にある。上は1.4300、下は1.4000前後が節目。出所:ヤフー・ファイナンスの時間足・日足から本誌計算(移動平均は概算)。
背景:9月の米利上げと、カナダの雇用減
USD/CAD は8月21日の1.3733を安値に上昇を続けた。9月中旬以降は安値を切り上げる形で、10月14日に1.43に達した。上昇の土台は金利差だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は9月16日に政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%とした。カナダ銀行は9月2日に2.25%で据え置いた。政策金利差は1.50〜1.75%に広がった。
カナダの景気指標は弱い。カナダ統計局が10月9日に発表した9月の雇用統計では、就業者数が前月比6万8,000人減少した。減少は2カ月連続。失業率は6.5%で前月から0.1ポイント上昇した。平均時給は前年同月比2.3%増だった。一部報道によると、市場予想は9,200人増だった。
米国では物価が上振れした。米労働統計局が10月14日に発表した9月のCPIは前年同月比3.7%上昇で、8月の3.4%から伸びが拡大した。ガソリンは前月比9.1%上昇し、総合指数の上昇分の半分超を占めた。USD/CAD はこの発表後に1.4300を付けた。米CPIの内訳は米9月CPIの記事が詳しい。
今週の反落:原油高とドルの一服
1.4300を付けた後、USD/CAD は16日に1.4131まで下落した。同じ週にWTI原油の11月物は10.4%上昇し、16日に101.41ドルで清算した。北海ブレントの12月物は109.86ドル。カナダは原油の主要輸出国で、原油高はカナダドルの支えになる。10月上旬には原油安の局面でUSD/CAD が高値を付けていた。原油相場の背景はブレント110ドルの記事にまとめた。
米長期金利も低下した。米10年債利回りは9日の5.244%から、16日の米東部時間14時59分時点で5.098%となった。週間で約15ベーシスポイントの低下。ドル指数も3日続落したと報じられている。
関係者の発言
カナダ銀行のマックレム総裁は16日、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会に合わせたバンコクでの討論会で発言したと報じられた。報道によると、総裁はエネルギー価格の上昇をこれまで見過ごしてきたとしたうえで「長引くほど、それは難しくなる」と述べた。
RBCのネイサン・ジャンゼン氏は、カナダの通信社CPの16日の記事で、10月28日の会合を「ライブ」(結果が読み切れない会合)と表現した。利上げは基本シナリオではないとし、カナダ銀行は「非常にデータ次第」だと述べた。
米国側では、TDセキュリティーズが「織り込みは急上昇したが、10月の利上げは予想しない」とコメントした。CMEのフェドウォッチが示す10月の米利上げ確率は、媒体と時点によって3割前後から4割台まで報道が分かれている。
金融機関の予想
| 金融機関 | 2026年末のUSD/CAD予想 | 予想の時点 | 16日終値との差 |
|---|---|---|---|
| RBC | 1.45 | 8月13日 | +2.6% |
| CIBC | 1.42 | 9月25日 | +0.4% |
| デジャルダン | 1.40 | 7月10日 | −1.0% |
| TD | 1.39 | 9月 | −1.7% |
| BMO | 1.38 | 8月13日 | −2.4% |
| スコシアバンク | 1.37 | 9月10日 | −3.1% |
| ナショナル銀行 | 1.37 | 9月 | −3.1% |
| 7社の平均 | 1.40 | — | −1.0% |
7社のうち5社は2026年末のUSD/CAD を16日終値より低い水準と予想している。予想の大半は8〜9月時点のもので、10月の米CPIや原油高は反映していない。予想の最高はRBCの1.45、最低はスコシアバンクとナショナル銀行の1.37。予想の幅は0.08カナダドル。
テクニカルの節目
| 方向 | 水準 | 根拠 |
|---|---|---|
| 上値 | 1.4300 | 10月14日の高値。2025年4月2日以来の水準 |
| 上値 | 1.4192 | 20日移動平均。16日に下回った |
| 下値 | 1.4131 | 10月16日の安値 |
| 下値 | 1.4000〜1.4036 | 50日・100日移動平均が集まる |
| 下値 | 1.3989 | 9月21日の安値(1カ月の安値) |
| 下値 | 1.3879 | 200日移動平均 |
16日の終値は20日移動平均を下回り、50日・100日・200日の各移動平均は上回る。日足終値で20日移動平均を下回ったのは、9月中旬以降で16日が初めてだった(本誌計算)。1.4000〜1.4036には50日と100日の平均線が集まる。この帯は9月22日以降、日足終値で一度も割れていない。
今後の日程
- 10月19日(月):カナダ9月CPI(米東部時間8時30分、日本時間21時30分)。ロイターの調査では前年同月比3.2%上昇の予想、8月は3.0%と報じられている。同日、カナダ銀行の企業・消費者アンケート
- 10月22日(水):カナダ鉱工業製品価格指数・原材料価格指数
- 10月23日(金):カナダ8月小売売上高
- 10月27〜28日:FOMC(結果は28日、日本時間29日早朝)
- 10月28日(水):カナダ銀行の政策金利発表と金融政策報告
- 10月30日(金):カナダ8月国内総生産(GDP)
- 11月6日(金):カナダ10月雇用統計
- 12月9日(水):カナダ銀行の政策金利発表
ドル円を含む米ドル全体の見通しはドル円見通しの記事、海外FX業者の比較はFX解説ページにある。
主な参照
- カナダの政策金利と会合日程/カナダ銀行
- カナダ9月雇用統計(2026年10月9日発表)/カナダ統計局、発表日程/カナダ統計局
- 米政策金利の引き上げ(2026年9月16日)/米連邦準備制度理事会
- 米9月CPI(2026年10月14日発表)/米労働統計局
- RBCのコメントとカナダCPIの予想(2026年10月16日)/CP24
- マックレム総裁の発言/インベスティングライブ
- TDセキュリティーズのコメント/トレーディングペディア
- 金融機関の予想集計(10月2日更新)/ナイツブリッジFX
- 為替レートの時間足・日足/ヤフー・ファイナンス
データ基準日:2026年10月16日 米東部時間16時(ニューヨーク終値)。為替レートはヤフー・ファイナンスの時間足から本誌が取得した値で、情報ベンダーにより差が出ることがある。移動平均と期間の高値・安値は日足から本誌が計算した概算。米10年債利回りは16日14時59分時点の値で、終値ではない。WTIは11月物の清算値。マックレム総裁の発言は報道にもとづくもので、本稿執筆時点でカナダ銀行の公表資料による確認はできていない。米利上げ確率は報道により数値が異なるため示していない。金融機関の予想は集計サイトの掲載値で、各機関の最新の予想とは異なる場合がある。カナダドル円は16日のドル円157.99円とUSD/CAD 1.4137から本誌が計算した。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の通貨の売買を推奨するものではない。投資判断はご自身の責任において行っていただきたい。















